足止め
暇を潰したいけどインターネットには嫌気が差しているとき、iPhoneのメモを立ち上げるほかにできることが何もない。本の1冊も持ち歩いていればいいんだけど、そういった習慣はほとんどない。陰鬱とした気持ちを和らげるために外に勉強しに出たのだが、キリのいいところまで進めたタイミングで、ものすごい雨が降ってきた。窓際の席で、ガラスを打ちつける音がBGMを掻き消す様を眺めている。ヤフー天気じゃ降水量は降っても0.1ミリって書いてあったのに。明るく清潔なコワーキングで足止めを食らうのはいいのだけど、もうカップも洗ってしまったから、飲み物もない。いつまでこうしていよう。別に濡れても構わないんだけどさ。頼りない折り畳み傘なら持っているし。だけど、一人の部屋には帰りたくない。今は自分と対峙したくない。孤独を思い知らされたくない。明日は人とランチの予定があるのだけど、大丈夫なんだろうか。明日会うのは大好きな友達だけど、心の深いところのことを積極的に打ち明けたい相手ではないから、どういうテンションの自分でいけばよいのか、分からない。
雨雲レーダー見ても、当分雨は弱まらなさそう。今日一日なんの連絡もできなかったけど、私からの連絡がなくたって、休日らしい休日も2週間とれておらず、遅くまで働く彼の生活は何も変わらないだろう。それでも何度も何度も何度も何度も通知を確認する。助けてほしい。自分の機嫌は自分でとれよと思うから、助けを求められない。勉強道具は全て片付けて、窓際でただぼーっとしている。どうしよう。帰ったってどうしよう。明日の服、選ぼうかな。午前中には起きていたのに、初めて飲み食いしたのは16時過ぎで、今日はその1食のみ。あー、本当は今日、具沢山のスープたくさん作って冷凍しておかなきゃいけないのに。毎日この時間まで勉強してから帰っているので、すぐ食べられるご飯のストックがないと困るのだ。あー、いいな。この時間から作るのもなんだかだけど、どうせ今日も眠れないのだから、手を動かす用があるなら、それもいいかも。買い物メモを作ったら、スーパー寄って、帰ろう。
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