さぎ。
最近わたしがハマっていること。
Nintendo Switchのリングフィットアドベンチャーとあつまれどうぶつの森。
そう。つい数週間前、我が家にNintendo Switchがやってきた!
テレビゲームはわたしの視力低下の引き金となり、小学生の時点でメガネっ子にならざるを得ない状況に陥らせた諸悪の根源なのだが、まんまとまたその類の沼にハマりかけている。というかすっかりハマってしまっている。
しかし今でこそこうして毎日楽しんでいるものの、実はここに至るまでに大事件が起こった。
なんと、詐欺被害にあったのである。
事の発端は、旦那の2ヶ月程に及ぶ仕事の繁忙期がもうそろそろ終わるぞという9月半ば。
突然旦那が
「Switch買っちゃおうかなあ〜」
と呟きながら、暇さえあればネットで検索をかけるようになったのだ。
元々ゲームは好きな旦那。普段はiPhoneでゲームをしていて、普段は飽き性で家で映画を観ようとなっても同じ場所にいることができずソファや床を行き来するような人なのだが、ゲームに関しては集中力がある。そして一度集中すると驚くほど周りが見えなくなる。わたしはそんな旦那に、付き合ってる頃からイライラしていたし、結婚して娘が産まれてからもその姿勢が変わらないので何度もブチ切れてきた。
しかし、以前WiiUを買った際も、一時期はスプラトゥーンにハマった時期もあったが、結局今のご時世スマホ1台あれば気軽にゲームができるので、「ゲーム機を起動する」という簡単な作業ですら億劫になってしまい、結果ブームは一瞬で過ぎ去ってしまった。
そんな過去があったので、わたしは
「確かにあつ森やりたいしマリオもやりたいけど、結局すぐ遊ばなくなるの目に見えてるし、何より高いし、いらないんじゃない?」
と答えた。
それでも結局旦那は、ネットでSwitchとリングフィットアドベンチャーの抽選販売に申し込みをした。
「リングフィットのソフトだけ当たって、Switch本体だけ当たらなかったらどうしよー!」
と笑っていた旦那。
結果、予想通りリングフィットアドベンチャーのみ当選し、本体は見事に落選した。
わたしはソフトすらも当たらないだろうと思っていたので、
「せっかく当選したならいずれ本体も手に入るだろうし、とりあえずソフトだけ買っちゃえ!」
と購入を促し、旦那もそれに同意した。
その後、Switch本体の抽選に再び挑戦するものの、落選。
これはわたしは後々知ったのだが、旦那が当選したリングフィットアドベンチャーのソフトはダウンロード版で、6ヶ月以内にダウンロードしなければならないという制約があった。
なので、旦那は焦っていた。
直近でSwitchの抽選もない。どうしたものか...。
そんな矢先、仕事の休憩中の旦那から
「あつ森デザインのSwitchが5000円くらい高く付くけど売ってるから買っちゃおうかな」
と販売サイトのURLと共にメッセージが送られてきた。
旦那の昼休憩中は、逆にわたしが娘のお昼ご飯→寝かしつけでバタバタする時間帯で、URLを開くことなく、
「おー!いいんじゃない?」
と軽く一言返事をした。心の中では、あつ森デザインのSwitchって友人がお店回ってようやく手に入れていたから、こんな簡単に手に入るなんてあり得るのか?とは思っていた。
旦那は普段から「無駄遣い」には無縁の人で、何か物を購入する際もこれでもか!と言うほどリサーチをし、本当に必要な物なのか、買うならどの商品がいいのか、としっかり吟味をする。(わたしは無駄遣いしかしない人間なので、そういう旦那を尊敬している)
しかし、旦那は一度決めると行動が早い。
しばらくすると、
「買っちゃった!」
と一言連絡が来て、あっという間に最近登録したゆうちょダイレクトを通して振り込みまで完了させていた。
数日後、販売元から発送通知メールが届いた。
「佐川急便だって。でも追跡番号入れても『この番号は登録されていません』って出てくるんだよなあ。とりあえず、近々届くと思うから受け取りお願いします!」
と旦那に言われたので、待った。
追跡番号の件もこの時点で少し引っ掛かったが、発送したばかりならまだその番号が反映されてないだけだろう。本当に手に入るの?と心配だったけど、発送の連絡が来たなら安心だ。とわたしは心の中で思った。
しかし一向に佐川さんは来ない。
とっくに数日経ってるのに相変わらず追跡番号も反映されない。
「購入から到着まで7〜10日って書いてある」
と旦那も言うので、
「一体どこから届くんだろうね?本当に本物なのー?」
なんて話していた。
それから更にまた数日。やはり来ない。
さすがにモヤモヤが止まらなくなったわたしは、「販売元に連絡してみたら?」
と声をかけた。
すると旦那が、
「なんでか『問い合わせはこちら』のページだけ異常に重くて全然開かないんだよね」
と一言。
・・・え?
さすがに嫌な予感が現実味を帯びてきて、わたしは急いで以前旦那が送ってきたURLを初めて開いた。至って普通のサイトだった。ただ一点気になるのが、「残り5点」の文字。
あんなに人気だった商品が、いくら元値より高いとはいえ、あれからもう1週間経ってるのにまだ在庫有りっておかしくない...?
心臓をバクバクさせながら、
「◯◯◯(販売サイトの名前) 詐欺」
とGoogle検索した。
すぐにヒットした。Yahoo知恵袋で「このサイトは詐欺サイトですか?」と問う質問ページと、Noteで「この詐欺サイトに気を付けろ!」とまとめているページ。
やられた。
急いで旦那に連絡を入れた。仕事中にそんな連絡したらまだ何時間もある勤務時間、気が気じゃなくなってしまうかなとも思ったけど、それより一刻も早く伝えなきゃという気持ちを優先させた。
「やっぱりか...。振り込む時、名前が個人名だったからなんか変だなとは思ったんだよね」
と旦那から返事が来た。
え、聞いてない。個人名?!
まさか身近で詐欺被害に合う人が出ると考えたこともなかったので、すぐに
「詐欺被害にあったらどうすればいいか」
と再びGoogleで検索。
・警察に行って被害届を出してもらう
・クレジットカード払いの場合はカード会社に連絡してカードを止める
・振り込み先の銀行に旨を伝える
等のアドバイスが書かれていた。
ちょうどその翌日は旦那が仕事のお休みの日だったので、ダメで元々!と警察へ行った。
約1時間程で旦那が帰ってきた。(わたしはちょうど寝てしまった娘と車内で待っていた)
旦那曰く、対応してくれた方はすごく親切で、その場ですぐ振込先の銀行にも確認の連絡までしてくれたという。
そして、
・最近Switchの詐欺被害報告が本当に多いということ
・被害届は出しても正直意味がないということ
・振込先の口座は既に空で、振込後すぐお金が引き出されているのを怪しく思い銀行側が既に使用停止の措置を取っていたということ
を伝えられ、万が一犯人が特定できたら連絡すると言われたとのことだった。
無知なわたしでもすぐ分かった。
あの「発送通知メール」で相手を安心させているうちに、お金を引き出したんだ、と。
わたしは悔しくて悔しくて悔しくて、怒りと悲しみが混同した。正直、旦那になんて声をかけたらいいのか分からなかった。
しかし旦那は、
「勉強料だいぶ高くついちゃったけど、良い勉強になった。もっとちゃんと警戒するべきだった。自分が悪い。」
と意外にもあっさりしていた。
もちろん心の中ではわたしと同じようにいろいろと思うことはあっただろうし、何を隠そう被害の当事者は自分なのに、そうやって自分を戒め現実を受け入れる旦那。
単純に、凄いと思った。
そして後日、任天堂ショップ渋谷店限定のSwitch抽選販売があり、なんとか当選。
このご時世で電車には乗って欲しくない...とのわたしの気持ちを汲んでくれ、旦那は片道2時間かけて渋谷に自分の運転で行き、嬉しそうにSwitchを抱えて帰宅した。
コントローラーが青色と黄色の新作。
早速リングフィットアドベンチャーをダウンロードして、2人でプレイした。
はじめは購入すること自体を悩んでいたのに。
わたしなんていらないとすら思っていたのに。
詐欺被害にまで遭いながら、ようやく手に入れたNintendo Switchが我が家にある。その事実に完全に救われた。
とまあここまで事の成り行きを振り返ったところで、今後このような被害に遭わないように、改めて原因になったことについて考えてみようと思う。
①物欲
大前提として、旦那は週1休み、1日12時間勤務という激務を約2ヶ月過ごしていた。
働いた分通常より多少手取りが増えるという事実と、繁忙期が終わったら多少は家で過ごせる時間が増えるという嬉しさが、物欲に繋がった。
働くということは、好き嫌い関係なくやはり大変なことで、働いた分ある程度自分へのご褒美というものが必要だ。
わたしは働いていた頃、自分へのご褒美として“ライブ”や“音源購入→インストアイベント参加”に稼いだお金を充てていた。(なんならそのために働いていた)
旦那はその点、前述している通り普段からお金は食事以外ほとんど使わないので、珍しい物欲であった。
しかし、物欲自体は悪いことではない。
人々の物欲が経済は回すし、人々もまた物欲が満たされることで心も満たされる。
②警戒心不足
もちろん旦那もわたしも、Switchの転売や詐欺が横行していることはとうに知っていた。
しかし、振込先が個人名という点で旦那は一度踏み止まることをしなかった。せめて踏み止まって、一言わたしに連絡をくれていたら、わたしは絶対に止めた。事後ならなんとでも言えるだろうと思われるかもしれないが、個人名なんてわたしみたいなアホでも分かるくらい怪しすぎる。
しかしここでなぜ旦那が踏み止まることをしなかったか。
後々聞くと、「Googleでヒットしたから安心できるサイトだと思った」とのことだった。
天下のGoogle先生。あなたを先生と謳い慕うようになってもう何年経つでしょうか。しかし、先生にも過ちを犯すことくらい、ありますよね。
旦那はGoogle側にこのサイトは詐欺サイトだと報告したとのことで、実際他にも報告している人は多数いるはずだが、今も尚そのサイトはGoogleでヒットする。
そして、商品ページはひょいひょいと軽々飛び放題なのに、お問い合わせのページだけは一向に重くてページが表示されないのも相変わらずである。
今後こういった人気な商品が買える!となった際には、「◯◯◯(販売サイト名) 詐欺」と追加で調べることは絶対怠らないようにしようと旦那と話した。
「疑う」ことで自分を危険から守る。
③ネットバンキングの利便性
今回旦那が振込みに使用したのが「ゆうちょダイレクト」というものだ。
わたしがこのご時世でなるべく外出したくない、子連れで郵便局に振込みのためだけに外出するのが大変、という理由から約半年前から使用していて、その便利さを伝えたところ、つい最近旦那も登録して使用するようになった。
実際本当にゆうちょダイレクトは便利だ。
しっかり二重三重に本人確認ができるシステムを設けてくれているし、家にいながら送金や振込みができるなんて本当に便利すぎる。
しかし、今回の場合もし旦那がゆうちょダイレクトに登録していなければ、わざわざ郵便局に出向く必要が生じ、週1休みかつ郵便局の開いてる時間に仕事を抜けられない旦那は郵便局に行く時間も限られ、その分時間に猶予ができ、踏み止まることができた可能性がある。
また仮に、期限までに振込みに行けないからとわたしが振込み業務を任されたとして、そこで振込先が個人名だったらわたしは絶対に振り込みむことはしなかった。
ネットバンキングに関係なく、近年キャッシュレス化が日本でもどんどん進んでいる。
実際わたしも、iPhoneにSuicaやクレジットカードを登録しているので、iPhoneは冗談抜きに命の次に大切だ。
便利な物には、その分ネガティブな点ももれなくくっついてくるものである。
④焦燥感
前述した通り、Switch本体を所持していない状態で、6ヶ月以内にダウンロードしなければならないという期限付きのソフトを購入してしまったため、旦那は早く買わないとソフトを無駄にしてしまうという焦りに駆られた。
いつもはマイペースな旦那だが、なぜか「6ヶ月」には焦りを覚えたらしい。
(逆にいつもネガティブかつせっかちなわたしは、「6ヶ月もあればいずれ手に入るでしょ」とポジティブかつのんびりと構えていた。笑)
旦那はわたしに出会う前に好きな女の子に告白したんだそう。その際、相手に「少し待ってほしい」と言われたそうなのだが、「今返事が欲しい」とその場で白黒付けようとした結果、フラれたらしい。
そんな話を付き合う前に聞かされていたので、いざわたしが告白された時も「今ハッキリ伝えないと!」と思って、当時は恋愛感情はなかったものの大切な友人だしこれを機にギクシャクしてしまうのは嫌だという理由で咄嗟でその場でOKした、というのがわたしたちの馴れ初めだ。
話が少し逸れたが、旦那はお金だけでなく時間の無駄遣いもしたくない人で、悩んでる時間がもったいないと思うらしい。
なので今回も、6ヶ月の猶予があるとはいえど、いつSwitchが手に入るのか...とモヤモヤ悩む暇があったら、多少値が張っても早く手元にSwitchが欲しかったようだ。
どんな理由があれど、普段なら当たり前に出来ることが出来なくなるということが起こり得るので、焦ることはなるべくしない方が良い。(せっかちな自分自身にも強く言い聞かせています)
⑤身近な人が止められなかった
今回の件に関しては、紛れもなくわたしである。
旦那がURLと共に購入しようかなとわたしに意見を求めてきた時に、しっかりわたしがURLも確認した上で返答するべきだった。
振り込め詐欺なんかもよく、少しでもあれ?と思ったら周りの人に相談しようと言われている。それは、当事者より第三者の方がより公平な立場から正確な判断が出来る可能性が高いからである。
それは今回のことにも言えることだとわたしは思っていて、そして今回のケースではわたしだけが唯一第三者の立場に立てる人間だった。
今年に入ってステイホームが声高々に推奨され、その影響でNintendo Switchの需要が昨年以上に高まっている中で、こんな簡単に、しかも限定販売のみんな大好きあつ森デザインのものが手に入るなんておかしいぞ、とわたしがもっと真摯に旦那の問いに向き合うべきだった。
なので、今回の件は本当にわたしも反省しているし、本当にいろいろ考えるきっかけとなった。
そしてここまで詐欺られた分(最早はじめから所謂転売ヤーから買った方が安く済んだ…)、Switch本体、ソフトやカバー類に費やされたお金、わたしは一銭も出していないにも関わらず使わせてくれる旦那の懐の広さ。
詐欺られても怒りを表に出さずに自分の非を認める旦那の潔さ。
改めて旦那の良い部分に気付けるきっかけにもなった。
兎に角、何事も次は我が身。
悲しいことに悪い人はこの世の中にたくさんいて、そういう人に限って頭が良かったり技術力が高かったりするものである。(まんまとよく出来たサイトに騙されてしまったし)
我が家のように詐欺被害に遭って悲しい思いをする人がこれ以上増えないことを心から祈るばかりである。
…そんなことを思いながらわたしは今日も海に潜って金儲けをするのである。(あつ森で今一番ハマってる。伊勢エビ獲れたときの達成感と言ったらもう…!)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?