Twitter詩 2020.7
楽園への目印
涙に溺れて
痛みを抱えたまま
愛と呼ばれるものを
覚えて
傷は癒えぬまま
手を握り返す者の
弱さを
強さだと知る
守るなんて欺瞞だ
このぬくもりに
守られているのだから
指折り
希望を数えて
日が昇る
光が連れてくる
あの地平線の向こうが
楽園への目印
(20200704)
紫陽花とひまわり
はらはらと舞った
切り落とされた藤の花
切り取ったように思い出す
刈り取られたチューリップ
胸を締め付ける、春
忍び寄る影
灰色の世界で
濡れた紫陽花は風に揺れる
雲間から光が降り注ぐ
次の花は毎年(いつも)のように
わらうだろうか
泣かないでください
(20200708)
夏まで
溶け出した苺味の飴玉
ソーダ水の空
ぱちぱち
ぽつぽつ
狭い傘の下で
君を待っている
(20200713)
無題
雨漏りした心が
濡らしてゆく世界を
見ているだけしかできないから
水溜まりに溺れないように
まるくなって
ただ静かに眠りにつく
何も知らないふりをして
(20200719)
昨日
私に才能があるとしたら、それは今日まで生きてこられたこと。地味で平凡で失敗続きで金も学も夢すらないけど、今日まで生きてこられたこと。
今日泣いている君にも明日という日が来るように、隣に座って一緒に泣いた。何の意味もないかもしれないけど、ただ一緒に泣き明かした。
(20200722)
止まない雨
雑音を打ち消して
ひとりにさせる
雨の日曜日
薄暗い昼間の部屋で
白い花が咲く
逆さになった
笑顔のてるてる坊主
(20200726)