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技能五輪国内大会 西洋料理 競技仕様について考察する

■はじめに

昨日からスタートした技能五輪西洋料理についての考察ですが、これはあくまで個人的な見解ですので正解とは思わないでください。正解は課題に取り組んでいく選手自身が必ず導くことができるオリジナルのものであるはずです。今日は競技の課題について考えていきます。

■第1課題オードブル

https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/zenkoku/n_57/kadai/30.html

ルールブックの2ページを見てください。3コースメニューの競技課題が記されています。まずはオードブルですがラクトオボベジタリアンを基本としたオードブルを作ります。ラクトオボベジタリアンとは乳卵菜食のベジタリアン料理になります。すなわち菜食が基本でありますが、卵と乳製品が使用可能なベジタリアン料理です。今回の指定食材はお米ですが銘柄が指定されています。「あいちのかおり」という品種になります。これはハツシモとコシヒカリ、ミネノアサヒの交配になります。特徴としては粘りを持ちあっさりとした口当たりでクセがないお米になります。珍しいですが冷めても美味しいお米なので、おにぎりやお寿司などにも多用されています。

また愛知県では学校給食の定番のお米品種になります。愛知県で生産されるお米の4割以上はこの品種になります。

詳しくルールブックを見ていくと付け合わせにおいてはでんぷん質や繊維質を含まなければなりません。でんぷん質とは炭水化物のことを指しますが、共通食材リストより使用可能な食材を選択しなければなりません。

一人前の料理の重さは110g が基本となり、 提出時のお皿の温度は15℃から25℃指定されています。ここで指定されているのは四人前のベジタリアン前菜というだけであり、料理自体が冷製とか温製とかの指定はありません。大いに想像力を働かせて素晴らしいラクトオボベジタリアンのプレートを作成すると良いでしょう。

ちなみにほぼラクトベジタリアンでよく付き合わせとして用いられるものは、果物、野菜一般、穀類、ナッツ類、ハーブ、根菜、きのこ類、乳製品、チーズ、ヨーグルト、卵料理が挙げられます。

■第2課題メインディッシュ

それではメインディッシュについて考察します。今回のメインたんぱく質は若鶏一羽です。中抜きでありおよそ1 kg のものと指定されています。若鶏と指定されているので、ほとんどの場合ブロイラーになるはずです。国産銘柄の鶏ではないことは容易にわかります。しかしこのメインたんぱく質が冷凍であるかチルドであるかはわかりません。どちらにも対応できるように練習しておくことが得策です。

この若鶏を使って2種類の異なる調理方法で料理を行います。この場合の2種類というのは、全く違う調理方法を2種類持っているということです。例えばもも肉のグリエと胸肉のクリームコロッケというような2種類をワンプレートに提供する形になります。 調理方法は必ず異なるものを選択します。できれば食感やフレーバーが違うものがふさわしいですね。
付け合わせは3種類使わせるように指定されています。当然ながらこの付け合わせも栄養のバランスのとれたものを選択する必要があります。デンプン質があり繊維質がありビタミンを兼ね揃えたものです。

少し専門的になれば、五大栄養素や三色食品群、六つの基礎食品群などをうまく活用することが成功するためのポイントです。

たん水化物や脂質、タンパク質やミネラル、ビタミンや繊維質など、栄養のバランスが取れ、調理法が被らない、しかもメインタンパク質と相性のいいものを作成してください。

ソースについては少なくとも1種類のソースと指定されています。一種類のみというわけではありませんので、フレーバーなどを添加して相性のいいもの作り上げましょう。鶏がらの上手な活用方法を創作できるととても良いでしょう。

■第3課題デセール

デザートについては非常に難しい課題になっています。まず最初にジェノワーズを焼き上げる必要があります。四人前にふさわしいマンケ型を用意するところからのスタートです。四人前なのにあまりに大きなマンケ型で調整するというのは無意味になります 。ジェノワーズの基本的な温度設定、攪拌方法、油脂のくわえ方、粉などの加え方、ゴムベラの使い方、焼成後の処理の仕方など、とても基本的なことをきっちりと行う必要があるテクニックです。どうか毎日のようにトレーニングして素晴らしいスキルを発揮して下さい。

指定食材はホワイトチョコレートとスイートチョコレートになります。どのようなデザートを作るかは選手の自由になりますが、オードブルと同じでお皿の温度は指定されていますが、デザート本体の温度は指定されていません。すなわちチョコレートを使ったムースでもいいし、フォンダンショコラなどの温かいデザートでもいいわけです。メンターや指導者とともに、素晴らしいデザートを披露してください。

このデザートには当日発表されるミステリー食材を使う必要があります。食材の30%をミステリーとなりますので、しっかりとした量を付け合わせる必要があります。過去の例を考えてみると、開催都道府県の特産品を使ったり、乾燥食材を使ったり様々な場合があります。ここは選手自身の日ごろの学習がものをいうので、常に色々なものに興味を持ちながら準備を進めてください。

現代社会はスマートフォンですぐ検索することができますが、この大会では国際大会に準じてスマートフォンなどで検索できないように持ち込みが禁止されます。ですからメニューを開発する段階から様々な戦略をもって、ミステリー食材に対応できるよトレーニングをしてください。

また補足的な付け合せや飾りを含まなければいけませんが、あまりに行き過ぎた飾りにならないよ注意が必要かもしれません。

すべての作品は指定されたお皿に盛り付ける必要があります。
ナンバリングや色分けがされているはずですので絶対に間違いないよう、前日のブリーフィングを耳をそばだてて聞くようにしてください。メモなども忘れずに、質問があれば不安点がなくなるまで質問をすることをお勧めします。

■まとめ

いかがでしたか? レシピを作成するのは絶対に一人ではできません。学校や職場の方々に協力をしていただいて、様々な意見を取り入れながら日本代表にふさわしいレシピを作成してみましょう。それでは次回は提出書類について考えていきます。ルールブックは3ページ目になります。


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