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規定課題を考える①

■はじめに

私の場合こういった文章を記すときは、ほぼ100%音声入力で行っています。キーボードを叩くといった作業はあまり得意ではないと言うか、あまりに修正が多すぎて時間がかかってしまいます。実を言うと料理も同じで、今の時代伝統に更なるバージョンアップをしていかないと料理自体が廃れていってしまいます。

今回のレシピは、2001年に開催された料理大会の規定の課題でしたが、実際には分量というのは各選手に任されています。どういったことに狙いをつけてレシピを作成するかいろいろと記していきます。

■乾燥フルーツ入りホワイトソーセージ

ホワイトソーセージ

・雉ミンチ   400g

・塩      16~19g  好みの味を探してください
・白胡椒    1.6~1.9g

・アイスワイン 30㏄
・卵白     80g

・生クリーム  320㏄

・ピスタチオ  20g
・プラム    50g
・アプリコット 50g

・豚腸     必要量


まずは上に記してある分量をよく見てください。今回の課題はカナダの食材を使うことになっていましたが、メインたんぱく質は雉のミンチです。 特産品であるアイスワインを加え、さらには甘みのあるアプリコットやプラムの乾燥フルーツを加えて作ります。日本では、今から20年前に食べたことすらない味でしたが、付け合わせのソースも、桃とオランダパプリカを使ったスプレッドを作るという課題になっていました。

甘いだけの料理にならないよう、きっちりと塩分を利かすことがポイントではないかと思いレシピを作成し始めました。

■塩・胡椒について

いわゆるシャルキュトリーについての知識は当時ほとんど無いに等しかったです。まず豚腸の下処理を覚える必要があります。衛生上とても下処理が重要なのでしっかりと勉強をしてください。実際の大会では、下処理のしていない豚腸が配布されましたので、塩抜きなどをしっかりする必要がありました。

料理の基本としては、大体1%の塩分が基準になっています。しかし、今回のようにタンパク質に乳製品を加える場合は注意が必要です。いわゆる塩が走る状態になってしまうので、随分注意して分量を考えた覚えがあります。まず加熱する時に、豚腸には穴を開けます。しかもお湯で茹でますので、中の塩分が抜けていくということを意識しないといけません。結局のところ全体量の2%弱ぐらいの塩分に味付けは落ち着いてきました。さらにはその1割の胡椒を加えると言うレシピになりました。

■温度について

次に考えたのは、いかになめらかな仕上がりになるかと言うことです。ヨーロッパで何度かホワイトソーセージは食べた事があったので、それより美味しいものを目指そうと温度計測を始めました。スタート時点の雉のお肉はほぼ0℃です。当然使える機材にロボクープがありましたので、ロボクープのカッターなどは冷蔵庫で冷やしておきます。

ロボクープでのミキシングを始め、最初に塩を加えますが、この時の温度は4°ぐらいが一番結着しました。もう少し撹拌を続け、およそ7℃ぐらいで もう一つのタンパク質である卵白を加え、アイスワインも加えます。こういった作業はマヨネーズを作るように、少量ずつ加え完全に乳化させていきます。 さらに温度に気をつけながら撹拌し、9°ぐらいで生クリームを加えていきます。生地の仕上がり温度は11℃を設定しました。このまま食べるとかなりしょっぱい味ですが、小さな針などで複数の穴を開けた豚腸で茹でる場合は、しっかりとした味付けが必要になります。

この後、作成した生地をボウルに取り出し、氷水をあてがって、コンカッセに切ったピスタチオ、プラム、アプリコット を加え完全に結着させます。ボウルの底をトントンと叩きガス抜きをしておくと次の作業が簡単です。

■ソーセージを茹でる

豚腸ソーセージ用の口金にセットし、左右の手を連動させながら豚腸に詰めていきます。いっぱいいっぱいに詰めすぎず、かといって詰めが足りないのもいけません。何度かトレーニングをして丁度いい詰め具合を確立してください。

ソーセージを詰め終わったら、結札していきますが、クリームなどの液体が多く入った柔らかい生地なのでこちらも何度か練習が必要です。

こうしてる間に程よい大きさの鍋にお湯を沸かします。この時の温度は75℃。低すぎず高すぎずこの温度をキープできるよう心がけてください。結札が終わったソーセージに細い針がので複数箇所穴を開けて、中の空気を抜いておきます。この作業を行わないと、クレーター的な部分がたくさんできてしまいます。

茹で時間はおよそ30分かけました。ゆっくりとボイルをして、30分たったら流水でゆっくりと冷まします。氷水で一気に冷ましてしまわないように注意してください。

■盛り付ける

15分ぐらい流水で冷ましたら、ポール状のものを使ってソーセージを乾燥させてください。しっかりと乾燥させることができたら、ペーパータオルなどでしっかりと水分を拭き取り、盛り付けの大きさにスライスしていきます。今回のソーセージは冷製で食するパターンですので、スライスする厚さは十分に吟味してください。

■ まとめ

いかがでしたか? あまり複雑には記さずに説明してましたが、ちょっとした規定課題の中にも、自分らし戦略を立てることは必要と思います。特に塩分濃度や加熱温度などは数値化することが可能ですので、諦めることなくチャレンジすることをお勧めします。

それでは次回も、規定課題を探ることをしていこうと思います。

Let's start cooking (*^^)v 料理コンクール対策に特化したnoteです。 楽しく取り組んでいきましょう! リクエストはコメント欄からどうぞ\(^o^)/