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ナショナルチーム・レストラン競技を理解する

■はじめに

いよいよナショナルチームのルールに切り込んでいきます。最初に110名分のレストラン競技のルールを検証していきます。当然ながら食材はドイツ国内で購入しなければなりません。日本と全く同じ食材はないと思ってください。どのような国際大会でもそうですが、情報戦が全てになってきます。食材や機材、宿泊先は交通機関色々な事を考えながら対応策を立てていきます。

■チケットの発売方法

このレストラン競技は110食全てをチケットで売り切ります。当日券も多少はありますが、ほとんどのものはインターネット上での購入になります。日本チームは非常に人気が高いので、大会開催数ヶ月前にはチケットは完売になります。このチケット発売のために、事前に写真をメールに添付して大会本部に送信しなければなりません。この期日を守らないと減点対象になるのでこちらにも注意が必要です。

■メニュー構成

3コースメニューの内容で提供されます。温かいシーフードのオードブル、メインディッシュ、デザートの構成になります。

オードブル:シーフードがベースになります。魚や貝類、甲殻類などを使いメインたんぱくはホットでの提供になります。ただし冷たいサラダの付け合わせも許可されています。お皿の構成的には50%以上がホットアイテムでなければなりません。

メイン:お肉料理が原則になります。四足でも二つ足でもなんでも可能ですが、現代の栄養基準を遵守し、ひと皿のバランスの取れた構成と装飾などを付け合わせます。最低でもメインたんぱくには二つ以上のテクニックが必要になります。

デザート:異なるテクスチャ及び温度のデザートが要求されます。例えば氷点下のアイスクリームやソルベ、冷蔵温度帯のアントルメ、焼きたてのホットなお菓子などの盛り合わせになります。ただしニュースタイルニュートレンドが大前提です。

■使用できる調理器具について

このような競技になりますが、キッチンブースは1日8カ国全て同じ大きさ、同じ器具で行います。もし指定されている機材以外を持ち込みたい場合は事前にリストの提出が必要になります。多くの協賛企業様から提供されている機器ですので取り扱いには十分注意が必要です。ルールブックを見てもらうと分かるのですが、非常にたくさんの器具が用意されています。こういったものをしっかりと把握してメニュー作りに反映していきます。

■レストラン競技でのチーム編成

10人のナショナルチームですが、実際に調理を進めるのは6人になります。そのうち一人はペストリーのシェフが必要です。競技中はもう一人ウォッシャーを入れることができます。ただし調理には一切手を出すことができません。6人で調理を進めますが、提供30分前には一人のシェフがブース外に出てアナウンサーを努めなければなりません。

■レストラン競技のタイムスケジュールについて

基本的に大会のディナーを提供します。そのために選手は仕込みのキッチンから10時頃には出発しなければなりません。大会で指定されている時間は以下の通りです。
正午にキッチンへの搬入が許可されます。ただしキッチン内には6名しか入ることができません。12時30分から、審査員の食材審査が始まります。冷蔵庫に入れる前に食材を広げ、全てのチェックを受けます。また持ち込んだフォンなどは冷たい状態と温かい状態を用意してジャッジに味のチェックをしてもらいます。

13時から実際の調理作業を開始します。6時間の調理時間を経て、19時から料理の提供が始まります。おおよそ2時間ですべてを提供します。スタート時間が間に合わなかったり、終了時間が守られなかったりする場合は、最大10ポイントのマイナスがされて行きます。

■写真について

チケット販売のために写真を送らなければなりませんが、サイズや解像度の指定もあります。必ず守るべきです。当然ながら不足の場合はポイントのペナルティが発生します。通常大会開催の3ヶ月前までには送るよう指示があるはずです。またレストラン競技のレシピは、当日競技の時に審査員に提出しなければなりません。最近は綺麗な写真とともに製本された素晴らしいレシピが提出されます。

審査員は様々なシーンでジャッジをしていきますが、提出された写真の再現が最低条件になります。無理のない本物の料理、ニュートレンドな料理をお勧めします。

■審査ポイント

大きく審査の項目は発表されています。細かい項目についてもほぼ公表されていますので十分に対応策は取れます。

①ミザンプラス

②正しい専門的な準備、衛生や作業スキル、キッチンの組織など

③サービスのスキル

④料理のプレゼンテーション

⑤料理の味について

上記5項目が、審査の大きなポイントですが、特にキッチンでの衛生や料理の味については非常にポイントが高いです。3皿で一皿百点満点からポイントが減点されていきます。3皿の合計ポイントで順位が決まります。

■まとめ

いかがでしたか? 非常に規模が大きいコンクールになります。また四年に1度しか開催されないのでチャンスもなかなか訪れません。しかし諦めてしまわずに、常に準備を進めてチャンスをつかんでください。

次回はもうひとつの競技である新競技、「シェフズターブル」について考えていきます。



Let's start cooking (*^^)v 料理コンクール対策に特化したnoteです。 楽しく取り組んでいきましょう! リクエストはコメント欄からどうぞ\(^o^)/