見出し画像

ゼリー溶液の準備・展示料理対策

■はじめに

それでは今回はアスピックと呼ばれるゼリー溶液を使ったコーティングのテクニックを記していきます。そもそもアスピックとは、ゼラチンと水もしくは少量の砂糖などを使った特別な混合物を使用している、食べ物を保存するプロセスになります。展示料理の場合は、表面の乾燥を防ぎ、艶やかに表面を輝かせるテクニックになります。当然ながら安心して食べられるものでなければなりません。それでは順番に説明していきます。

■器具類の準備

ゼリーをコーティングする場合は、全ての食品が出来上がっていなければなりません。例えばテリーヌなどはカットをしてバットに並べ、冷蔵庫で表面温度を4℃まで冷却します。 野菜やパーツについては、爪楊枝などにさせて、発泡スチロールなどに突き刺し並べておく必要があります。

使用する機材は全て、洗浄機を使いきれいに洗っておいてください。器具に石が付着していると思うような aspic を仕上げることができなくなります。冷たく冷やしてコーティングするのですが、アスピックのポリッシュを除くには熱源が必要になります。少し不思議かもしれませんが、後ほど記していきます。

■アスピック・ゼリー溶液を作る

アスピック用のゼリーは様々な濃度が用いられます。少ないパーセンテージならば6%ぐらいから18%ぐらいまで、用途に応じて準備しますが、今回は10%について記していきます。

・水       1リットル
・粉ゼラチン   100g
・グラニュー糖  22g(水と粉ゼラチンの総重量の2%が適量です

①全ての成分を清潔なボウルで合わせて、冷蔵庫で1時間ふやかしてください
②50℃から72℃以内のスチームコンベクションにボウルを入れてゼラチン溶液を溶かす
③綺麗にラップをして常温で30分放置します。手袋をして静かに混ぜ合わせてください
④ 水を使って冷やして行きます。氷水を使って急激に冷やすことはやめてください
⑤およそ15分ぐらいで37℃前後まで温度が下がるはずです。
⑥35℃にキープしたディッシュウォーマーなどで保温して準備します

上記が簡単な作り方ですが、重要なのは温度上げすぎないことと、急激に冷ましすぎないことです。ゼラチンの濃度にもよりますが、必ず35℃から42℃の間で保温して準備します。

■ コーティングを理解する

一昔前までは、ゼリー溶液を刷毛につけて上から塗りつけるようなテクニックが行われていましたが、現代ではほぼそのテクニックは行いません。チョコレートのコーティングのように、ゼリー溶液に浸してからすくいあげる技法を行います。

まず両手に必ずグローブをつけてください。作業台にもラップフィルムなどを引いてゼラチンが固まらないようにしておきましょう。チューフィングディッシュなどにお湯を沸かし、網をかぶせて蒸しタオルを引いてください。

それではコーティングをやっていきます。例えば右利きならば、右側に食材が来ます。その次に必要量のゼリー溶液をボールなどにとって並べます。その次に熱源がつないであるチューフィングディッシュ、最後にゼリーコーティングしたものを並べる OPP シートが弾いてやるバットなどを用意してください。

フォークやパレットナイフなどで、静かに食材を持ち上げゼリー溶液に浸します。この時に小さな気泡が出ないように注意してください。バブルと言われる気泡がついていると大きな減点の対象になります。その次に平衡を保ちながら持ち上げ、蒸しタオルの上に静かに置きます。およそ2秒から3秒、静かにフォークやパレットなどですくいあげ、平衡を保ちながら OPP シートの上に取り置きます。

■まとめ

いかがでしたか?なかなか文章では説明しづらいのですが、何回か読み直してください。ゼラチンの濃度にもよりますが、基本的にはこの作業を3回繰り返します。それでは次回は、コーティングしたゼリーをきれいに仕上げる、ポリッシュの除去について記していきます。アスピックの技術は、他の技術と同様反復練習しかスキルを高める方法はありません。各ゼラチンによっても固まり具合や、色の具合は違います。自分なりのデータを取りながら、楽しんで反復練習をすることをお勧めします。


Let's start cooking (*^^)v 料理コンクール対策に特化したnoteです。 楽しく取り組んでいきましょう! リクエストはコメント欄からどうぞ\(^o^)/