見出し画像

2種類のタイムスケジュールを考える

様々なスケジュールを考えてきましたが、いよいよキッチンでのタイムスケジュールと時系列でのタイムスケジュールです。キッチンではタイムオーバーは命取りになります。幾ら素晴らしい料理が出来ても、審査側からの要求を満たさない限り、評価はとても低くなります。勝つための絶対法則「時間を超える」を意識していきます。

上記写真は「エディブル・ブッフェ」という競技カテゴリーです。2020年料理オリンピックからはナショナルチームの正式種目です。要するに、参加国全て同じキッチンブースで仕込み、規定の時間に、規定内容の料理を提供し、実際に審査員やお客様に食べていただくスタイルの競技です。このスタイルは日本では開催されていませんが、アジア・ヨーロッパではトレンドでとても増えてきています。

こういった競技では、搬入や搬出、ベースキッチンからの移動・買い出しなど様々な行動計画が必要になります。また、一斉スタートで、メッセ会場のような大きな会場で、お客様に見られながら仕込み・調理をします。まさにキッチンスタジアムのパーティーバージョンです。しかも、料理提供途中には「シェフズターブル」として、温製料理の個別調理を行わなければなりません。

6名の選手が、搬入から仕込み・調理・提供・衛生・搬出まで計画的・組織的に動く必要があります。こういった競技では2種類のタイムスケジュールが選手を導いてくれます。

■キッチンでの作業タイムスケジュール

このスケジュールは毎回の練習時にサポートシェフが記録し、全員で共有しながら修正・改善を繰り返します。何回か行うと、必要な調理器具のチェックと衛生観念の修正が行えます。フォーマットは自由で良いですが、使える火口やオーブンの台数、温蔵庫の棚位置、冷蔵庫の収納方法、ゴミ箱の衛生化、洗浄物の削減など様々な改善が見られます。その都度アッデートしてください。最終的には10分位は制限時間を超えるはず。後は、何度も繰り返して完成密度を上げていきます。

■時系列でのタイムスケジュール

このスケジュールは、学生で言うところの「修学旅行のしおり」になります。大会期間前後のスケジュールをメンターやコーチ主体で作成してください。但し、選手の意見を尊重し、無理の無いスケジュールです。たとえば、出国する場合は、飛行場近くに前泊するくらいからスケジュールを組み立てます。すべての事柄を細かく責任を持って作成してください。移動手段の手配、チケット等の管理、荷物受取の確認、ホテルやベースキッチン・レンタル器具の確認、選手の食事・健康管理方法、現地仕入れ方法、カルネ搬入時間、カルネ搬出時間と方法、各種支払い方法など。起床時間から就寝時間まで事細かに計画し、無駄な時間を使わないよう、無駄に疲れてしまわないようサポートしていきます。

どのフォーマットも自由で良いですが、毎朝全員で確認し、毎夜にはチェック・修正を施してください。よくコンクールに参加しに来てでもお酒やたばこ、深夜までの外食をしたり、観光をしている選手や関係者がいますが、もう一度原点に返ってください。私なら「勝利してから祝杯をあげます」

いくつかのスケジュールのお話しをしてきましたが、こういったことは選手1人では無理が生じます。出来ないわけではありませんが、選手は勝利に集中すべきです。チームとして全員で取り組むことが、最終的な結果に繋がっていきます。

それでは、次回は「実演の重要性を理解する」と題して、一切れの最終的な表示と全体的な外観。ディスプレイの背後にある創造性、テーマ性。食べ物自体の出来栄え(ニュートレンド)。成分バランス、色、調和などについて記していきます。

写真は、2018 FHA グルメチームチャレンジの様子です。

Let's start cooking (*^^)v 料理コンクール対策に特化したnoteです。 楽しく取り組んでいきましょう! リクエストはコメント欄からどうぞ\(^o^)/