【TRPG】話すことが苦手なプレイヤーに、ほかの参加者ができること
人間誰しも得手不得手がありますが、TRPGをする場合、「話すのが苦手」なのは致命的です。
これは別に「雄弁な人間がよい」という意味ではありません。とつとつとでもいいので、みんなにわかりやすく、意思を伝えることができれば、それは「話すのが苦手」とはなりません。
問題は、「本当に話すのが苦手」で、「NPCとのちょっとしたやりとりも難しい」人です。
昔は「お地蔵さんプレイヤー」と呼ばれていたこの問題ですが、ほかの参加者にできることを考えてみたいと思います。
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まず、「話すのが苦手」なプレイヤーは、苦手なだけであって、「話したくないわけではない」ということを忘れてはいけません。セッションに参加した以上、「できるだけ楽しみたい」と思っているはずです。そして可能なら、ほかのプレイヤーと同じようにしゃべりたいと思っています。
これが、たとえば「ソード・ワールド」や「ダンジョンズ＆ドラゴンズ」のように、「常にチーム単位で行動するTRPG」なら、話すのが苦手でもあまり問題にはなりません。ほかのプレイヤーが行動指針を決め、自分はそれについていき、探索や戦闘などのときにダイスを振ればいいだけなのですから。
問題は、「ダブルクロス」や「トーキョーN◎VA」といった、「本人が自発的に動かないと何もはじまらないタイプのTRPG」です。
ハンドアウト制を採用しているTRPGだと、本人（＝PC）が自発的に行動を起こし、NPCと会話し、ほかのプレイヤーと相談しないと、セッションはいっさい動きません。
こういうタイプのTRPGで遊ぶとき、「話すのが苦手」であることは致命的です。
では、ほかの参加者が支援できることを考えてみます。
・演技的なロールプレイを強要しない。
書籍のリプレイや、リプレイ動画などでは、プレイヤーがまるで俳優のように演じてゲームを進めているものがあります。これを求めるのは、酷というものです。
まず「別に演技とかロールプレイとか気にしなくていいからね。しなきゃいけないものじゃないから」と伝えることは重要だと思います。
・「プレイヤーとキャラクターは別物だよ」と伝える。
先の「ロールプレイを強要しない」に通じるものがありますが、「プレイヤーとキャラクターは別物だから、別に演技なんかしなくていい。『～と言います』ていう発言の仕方でいいよ」と伝えるのも大事かと思います。
メタ的な考え方かもしれませんが、「ずっとロールプレイをしないといけない」と考えている人もいるかもしれないので、そうじゃないよと教えることは重要です。
・選択肢を与え、選択するだけで進められるようにGMが配慮する。
たとえば、情報を集めないといけない場面で、
GM「情報屋のところで訊いてみる？ それとも現場に行く？」
とたずね、情報屋のところへ行くなら、
GM「△△について訊いてみる？ それとも○○について訊く？」
と、常に選択肢を与え、プレイヤーに選んでもらうようにします。
「GMが強制的に選ばせてる」と思われるかもしれませんが、話すのが苦手なプレイヤーの中には、「何をすればいいかわからない」「こうしたいけど、どうしたらいいかわからない」という方が少なからずいるので、この方法は有効かもしれません。
ほかのプレイヤーも、
「いっしょに行く？ それとも別行動にする？」
というように、選択肢を与える話し方をするとよいでしょう。
・イエス、ノーでこたえられる質問をする。
これは前述のやり方とは別のやり方で、「イエスかノーの意思表明すればセッションが進むようにする」というものです。
GM「目の前で女の子が泣いている。助ける？ 助けない？」
GM「敵が『俺の配下になれ』と勧誘してきます。なる？ ならない？」
という具合です。
私がこれまでやってきたことではありますが、「話すのが苦手なプレイヤー」への対処方法について書いてみました。
ここまでやると、TRPGというよりコンピュータゲームの選択肢的なものになってしまいますが、話すのが苦手なプレイヤーにとっては、その方がやりやすいかもしれません。
話すのが苦手、あるいはまったく話さないプレイヤーは、決してセッションを楽しみたくないわけではありません（だったらはじめから参加しない）。うまく工夫をして、楽しく遊びたいものです。TRPGへの慣れや見知らぬ参加者への警戒心の問題もありますので、時間や経験が解決してくれる面もあります。
間違っても、「話すのが苦手なプレイヤーを排斥するような行動」は慎みたいものです。
■YouTube「期待値なんてない！ -TRPGについて語るチャンネル-」
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