子どもの不器用さを読み解くことの大切さ

文字の書き取りが苦手でノートがうまく取れなかったり、列にきちんと並んで待っていられなかったり、キャッチボールがなかなか上達しなかったり、といった行動が見られたら、まずは努力不足やふざけているという見方をしないようにしましょう。

表面的に見える部分だけで決めつけるのではなく、目に見えない部分のつまずきを探ると言う大人が大人側のマインドが重要です。目に見えない部分のつまずきは氷山に例えられます。氷山は実際に見えているよりも見えない部分の方が大きいものです。不器用さも同じです。

その隠れたつまずきの多くに、平衡感覚、固有感覚、触覚の3つの初期感覚や、視覚、聴覚などが関わっています。

見えているのはごく一部分でむしろ隠れている部分の方がはるかに大きいのです。また、それは複数の要素が複雑に絡み合っていることが多いです。その不器用さの背景要因を一つずつ整理していくことが大切です。

例えば、「ボールをキャッチするのが苦手な子」について考えてみましょう。
ボールを目で追うことが難しい場合は、視覚認知の弱さ、空間認知の弱さが考えられます。ボールを見れてるが、反応できない場合は、運動コントロールの弱さが考えられます。

これらの感覚面の発達はボディーイメージの形成や空間認知能力などの能力の発達の土台になります。これらは対人関係や情緒の安定その場での適応的な振る舞いも支えているのです。

子供たちの不器用さに対して、周囲の大人たちが無理解で、誤解に基づいた対応をとると、子供の育ち方に大きく影響します。つまずきの理由や背景に目を向けずに、表面的な失敗を責めて、だめなレッテルを貼るのは避けましょう。子供の不器用さには必ず理由があります。その背景を読みとこうとする姿勢で臨むことが大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?