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ブランドのバトン

「あの会社の商品なら間違いない」と、その会社の名前を聞くだけで信頼が高まり、モノやサービスを購入する時の決め手のひとつになります。多少高くても購入しよう。あの人にも勧めよう。お客様の信頼の証がブランド力です。
もちろん、全国に名が響く会社のブランド力は大きいですが、地域にも主婦に絶大な人気を誇るスーパーや地域で長く活躍する老舗の和菓子屋さんなど企業規模に関わらず、どんな会社にもブランド力というものがあると思います。
ただ、そのブランド力は簡単に作れるものではありません。
 
老舗ホテル、帝国ホテルには「10・10・10の法則」というものがあるそうです。
この「10・10・10」というのは、信用、すなわちブランドを構築するには10年かかる。しかし、その信頼を失うのはたった10秒。そして失った信用を取り戻すのには、また10年かかるという意味です。また「100-1=0の法則」というものもあります。フロントでいいおもてなしをした、客室係がよいおもてなしをした、料理部がいいおもてなしをしたとしても、どこかひとつでも悪い応対をすることがあれば、積み上げた満足はすべて台無しになる。「100―1=99」ではなく、「O」。同社ではこの2つの法則を社員全員が心に刻もう、「さすが帝国ホテルだ」と言われるように頑張っていこうと声を掛け合っているそうです。
 
地域の小さな企業にも長いお客様がいて、「ブランド」(信用・信頼)があります。そのブランドがあるからお客様は信用して購入してくれる。状況が苦しくなると、つい忘れがちになりますが、今、そのブランド力の恩恵を得られるのは、ただ年月が経ったからではなく、その10年の間に、数々の先輩たちがコツコツと真面目に仕事に取り組んでこられた積み重ねがあったからこそ。出会ったお客様に仕事を通して感動を提供してこられた先輩の仕事がまさにブランドの源泉です。
 
「あの会社なら・・・」「あの会社の製品なら・・・」
ブランドとは、先輩たちが積み上げたお客様の企業への信頼という資産。
信頼を築くには時間がかかりますが、失うのは一瞬。たった一人の行動がお客様の信頼を失ってしまう。それ以上に、その業界の全体の信頼まで失うこともあります。
いい加減な仕事をするということは、先人の努力を無駄すること。そして、受けた恩を返すためにも、その信頼を未来の仲間にバトンをつなぐ。今の仕事を全力でやっていくことが、今の私たちの責任だと思います。
 

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