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価値観の伝え方

経営理念は企業が経営において最も大切にする価値観。
自分たちの会社がどんな志を持ち、何を大切にしていくか、企業の姿勢や考え方を明文化したものですが、これに社員の人たちが共鳴、共感して働いている会社は、みんなが同じ思いで働いているからこそ、お互いの協力も生まれ、喜びも共有できるからこそ、働きがいも高くなっているはずです。
しかし、この価値観をどう伝えていけばいいか。多くの会社が悩んでおられます。
 
そもそも「価値観」というのは、言葉で「こうだ」と教えて伝わるものなのでしょうか。
例えば、自分の親が「感謝の気持ちを忘れてはいけない」という価値観を子供に伝えていこうとした時、まずは、言葉で説明するかもしれません。しかし、その言葉を聞くだけではなく、子供が「自分も、心からそう思う」と納得し、親が何も言わなくても人に感謝を伝えるようになるには、親がことある毎に言う、常に言い聞かせるくらい、時間がかかります。しかも、そもそも、親自身が子どもは、どんなにいい言葉で話をしたとしても、親が人に感謝をしていないような行動をとっていれば、子どもは信用しない。何も言わなくても、親の後ろ姿で「価値観」が伝わっていくこともあるはずです。
 
企業の中でも、どれだけ経営理念をわかりやすく説明したとしても、一回で伝わるものではないでしょうし、何度も何度も伝えていく中で、社員自身が自分の仕事の体験を通してふと腹に落ちることもあるかもしれません。
私自身も、若い時に努めていた会社で、新入社員の時、初めて経営理念を教えられても何も感じなかったのですが、しばらく働き、もう一度経営理念に向き合った時その感じ方は大きく違っていました。そこから、理念が自分の頭に残り、いつの間にか、自分がいちばん大切にする価値観になっていました。
 
価値観を強要されることを人は嫌がる。しかし、自分がその価値観に共鳴、共感できた時、仕事が違ってみえてきます。価値観は大事。しかし、伝え方は本当に難しいですね。
 

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