「政党構成要件」というルール

先日・・・

先日、社会民主党（社民党）の現状（2021年9月中旬時点）を整理したnote記事を書きました。

何故状況整理する記事を書いたのか、その理由が本記事となります。

「政党構成要件」というルール

日本の国会には「政党構成要件」というルール（様々な法律に寄って整えられたルール）が有り、その条件を満たしていれば、国会内で「政党」と認められ、「政党助成金」という政治活動を行うための資金が国から支給されます。

国から支給されるという事はつまり、国民の税金からという事です。

国会以外の議会、例えば都道府県議会や市区町村議会にも「政党構成要件」は存在しますが、本記事で説明するのは、国会に限定した「政党構成要件」の話です。

国会に於ける「政党構成要件」

日本の国会に於ける政党構成要件は、簡単に言うと

・その政党に所属する国会議員（衆議院議員と参議院議員の合計）が合計5人以上である事。（つまり、その政党に所属する国会議員の合計が4人以下なら政党構成要件を満たさない。）
・遡って一番近い日に行われた衆議院議員選挙と参議院議員選挙の両方で、ぞれぞれ「A÷B=0.02以上」である事。
A＝その政党所属の状態で選挙に出馬した人の得票数の合計値
B＝国政選挙で実際に日本全国の有権者が投票した票数

上記の2つの条件の内、どちらか片方を満たしている事となっています。

前者の、「その政党に所属する国会議員の合計が5人以上である事」は、解り易いと思うので説明は省きます。

後者が解り難いと思った人が多いのではないでしょうか？

後者は

①,過去、一番近い日に行われた衆議院議員選挙と参議院議員選挙の両方で。
これは、例えば2021年9月21日から見た場合、過去、一番近い日に行われた衆議院議員選挙と参議院議員選挙は、
衆議院議員選挙は2017年10月22日に行われたもの
参議院議員選挙は2019年7月に行われたものとなります。
この両方で
②,「A÷B=0.02以上」である事。
A＝その政党所属の状態で選挙に出馬した人の得票数の合計値
B＝国政選挙で実際に日本全国の有権者が投票した票数
つまり、実際に①で投票された日本全国の票数の合計の内、その政党に所属していた候補者全員の得票数の合計（個々の候補者の当落とは関係なく）が2%以上であるとなります。（1.99%以下なら政党構成要件は満たさない。）

この説明でご理解頂けたでしょうか？

この説明を踏まえた上で再度言います。

日本の国会に於ける政党構成要件は

・その政党に所属する国会議員（衆議院議員と参議院議員の合計）が合計5人以上である事。（つまり、その政党に所属する国会議員の合計が4人以下なら政党構成要件を満たさない。）
・遡って一番近い日に行われた衆議院議員選挙か参議院議員選挙で、「A÷B=0.02以上」である事。
A＝その政党所属の状態で選挙に出馬した人の得票数の合計値
B＝国政選挙で実際に日本全国の有権者が投票した票数

上記の2つの条件の内、「どちらか片方を満たしている事」となります。

つまり、どちらの条件も満たさなくなれば、国会では、その政党は政党とは認められなくなり、政党助成金も支給されなくなります。

社会民主党（社民党）の現状と照らし合わせ

さて、ここまで説明してきた「政党構成要件」を社会民主党（社民党）の現状（2021年9月中旬時点）と照らし合わせてみましょう。

①,その政党に所属する国会議員が合計5人以上である。
→社会民主党（社民党）所属の国会議員は現在、合計2名であるため条件を満たしていない。
②,遡って一番近い日に行われた衆議院議員選挙と参議院議員選挙の両方で、「A÷B=0.02以上」である。
→2019年7月の参議院議員選挙で、社会民主党（社民党）所属状態で出馬した候補者の得票数合計は、日本全国の票数の合計の2%を上回っているため条件を満たしている。

となります。

社会民主党（社民党）は、②だけで政党構成要件を維持していると言えます。

という事はですよ・・・

という事はですよ、「第49回衆議院議員選挙」（2021年10月中旬～11月30日までの間に行われる選挙）で、社会民主党（社民党）から出馬した候補者の合計得票数が日本全国の投票数の1.99%以下だったら、どうなると思いますか？

2022年7月に行われる参議院議員選挙で合計投票数が日本全国の投票数の1.99%以下なら政党構成要件が無くなります。

そう、「第49回衆議院議員選挙」で、社会民主党（社民党）に投票する人の数を可能な限り減らせば、もしかしたら「第25回参議院議員選挙（2022年7月開催予定）」後に社会民主党（社民党）は政党では無くなる可能性が有るという事です。

それが解っているからか、社会民主党（社民党）は、「第49回衆議院議員選挙」に、多数の候補者を出馬させる事を2021年9月中旬時点で公表しています。