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サインからみる「デンパーク/愛知県安城市」

サインは施設の脇役である。
でも、必要なものだ。
来訪者を目的地へ誘導するための、目立ってはいけないけれど確かに必要なもの。

少し前に、仕事でサイン施設に関わることがあり興味を持った。
その施設で悪目立ちしないように、でも施設に合うようにデザインされたサイン達。
今まではサインを中心に写真を撮ることなんてなかったけど、遊びに行くとサインに注目するようになった。

そしてサインに関する仕事をしていたとき、問題がひとつあった。
それは、参考事例がなかなかないこと。
ネットで検索してみても、見つからない。
サインは脇役なので写真には写らないように撮ることが多いと思う。私が今まで行ったテーマパークの写真などを引用しようとしても、サインは写っていなかった。
参考事例が見つかったと思えば、サインの制作会社が施工事例で挙げているもので場所が分からなかったり……。

誰かの参考になればいいなと思いながら、私が訪れた施設のサインを記事にまとめていこうと思う。
プロフィールに「サインが好き」と書いているし。
自分の趣味9割、誰かの参考事例収集に役立てばいいな〜が1割。

第1回は愛知県安城市にある「デンパーク」。


デンパークとは

サインの前に、施設の情報を整理しておく。

4月の上旬に、花とみどりのガーデンパーク「安城産業文化公園デンパーク」へ行ってきた。
13.1haの広大な敷地に、一年を通して3300種類で30万株もの四季折々の花が育てられている。
私はチューリップが咲き誇る時期にお出かけしてきた。

愛知県のほぼ中央にある安城市は、稲作・畑作・果樹や畜産など多角形農業を展開していたことから、世界の農業先進国であるデンマークに例えられていたらしい。
このデンマークについては、もちろんデンパークの名前の由来となっている。

日本デンマークの「デン」、田園の「デン」、伝統の「デン」と公園の「パーク」を組み合わせて名づけられました。

「安城産業文化公園デンパーク」公式HP

園内マップを確認すると、デンパークのメインは「Garden」と「Amusement」らしい。チューリップ目当てに訪れたので「Garden」の方だけキャッチコピーを載せておく。
「四季折々の花と欧風の佇まい。一歩踏み出せばそこは童話の世界。」らしい。
童話……?となるが、これはサインにも生かされていた。

デンパークのロゴ

サインを確認する前に、デンパークのロゴも確認しておこう。

シンボルマーク(ロゴ)は「耕す喜び、つくる感動」がデザインされており、以下のマークが使用されている。
・天の恵みを象徴する「天体」
・農の営みを象徴する「鶏」
・世界に共通する美しい「田園風景」
・鞍上市民の「フロンティア・スピリット」
記号や動物はたまた風景までが、ぎゅっと詰まったロゴマークである。
色やロゴのデンマーク語にも意味があるが、ここでは割愛しておく。

最近のロゴはシンプルなものが多いが、このデンパークのロゴは情報が詰まっている。

デンパーク公式HPより引用


色やフォントからこのロゴは、ロゴだけでレトロな雰囲気を醸している気がする。

前提が長くなってしまったがようやくサインから、デンパークを探っていく。

デンパークのサインたち

まずはメインゲートの上面から。
ロゴに使用されていたマークの他に食事や音符のマークなどが、凹凸を付けて飾られている。
よくみると、人魚姫がいる!
デンパークの名前の由来にもなっているデンマークの世界的な童話作家がアンデルセン。人魚姫もアンデルセンが描いた物語。
園内のサインにもアンデルセンの童話が隠れていた。
カラーもロゴと赤、青、黄が使われている。緑は屋根に使用されているからかな。

デンパーク入り口

次に案内図。
深緑の枠に、ロゴに使用されているマークが飾られている。
カラフルな案内図の邪魔にならないように、一色で囲われている。
けれど、凹凸のついたロゴマークで囲う枠が重厚な雰囲気。
異国感の表現?

案内図

照明灯を兼ねた誘導サイン。
矢羽タイプ。矢羽はシンプルな目的地の名前と矢印だけがデザインされている。
「メルヘン号」はデンパーク内を走っているロードトレインのこと。メルヘン号だけマークが付いていて可愛い。
この誘導サインは照明も旗も付いているので、誘導情報部分はシンプルなのかな、と思った。

誘導サイン1

誘導サイン2。
損傷具合からも、歴史を感じる。誘導サイン1より先にデザインされていそうな感じ。
左の石のオブジェには絵が描かれている。
お、これはなんの童話……?
ツバメの背中に小さな女の子が乗っている。
親指姫だ。他にも「みにくいアヒルの子」の絵もあった。
人魚姫以外は一見ちょっとわかりづらいのでクイズ感がある。

誘導情報の方は重厚な感じ。左の石が醸す雰囲気と合っている。
案内図サインのように下には立体的なロゴマーク。
白で書かれた施設名も立体的で、フォントも相まってシックな感じがする。
文字とロゴを並べられて思うのは、濃い色の背景には白文字の方が読みやすい。黒のロゴは模様、という感じ。

誘導サイン2

記名サイン。
誘導サイン2とデザインの雰囲気が近い。
ベンチにもアンデルセン物語モチーフイラストが添えられていた。(撮り忘れ)
記名サインには英語も併記されていた。

記名サイン

解説サイン。ガーデンアイアンっぽい可愛らしさを感じる。
情報が更新しやすいよう、解説部分はパウチのものが取り付けられていた。
シンプルな形状で将来も踏まえた合理的なサインだけど、ちょびっとの装飾が異国感の演出につながっていると思う。

解説サイン

最後に別枠になるが、デンパーク内にある温室内の案内サイン。
温室の中はメルヘンなワールドになっていて、
優しいお色味である。

案内図サイン
花の大温室「フローラルプレイス」

装飾的で大好き。
昨今のトレンドとして、ロゴと同様にシンプルなデザインが増えているらしい。
デンパークのサインはどれも装飾的で重厚感があり、本格派な感じ。石製のサインって長持ちするらしい。
デンマークのアンデルセン童話を引用しているところも歴史ある雰囲気を醸していると思った。

施設全体が装飾的で素敵だった。
下にいくつか園内の写真を。
「秘密の花園」はれんがのガーデンが海外っぽい!
開花の時期には、れんがの壁で区切られたスペースごとに花の色味が違うらしい。咲いている時期にも行ってみたいな。
「彩の花木園」はガーデンといえばのアイアンアーチで通路が出来ている。天井がそれほど高くなく、通路もあんまり広くないので、開花時期にはぎゅぎゅっと花が密な感じになるのだろうか。
「アミューズメントゾーン」への入り口のアーチもくるくるしていてかわいい。

ホームページをみる限り、デンパークのメインはガーデン。
サインも施設も美しいそれぞれのガーデンを魅力的に引き立てている。
ガーデンの写真はここには載せないので、ぜひ見に行ってみてください。

秘密の花園
彩の花木園
アミューズメントゾーンへの入り口

デンパークのサインについて自分の感想をまとめてみた。
まとめてみて思ったこと。
色に関する知識を増やしたい。いい感じ、なのはわかるけれど自分の語彙力で上手く書けない。⚪︎⚪︎っぽいとしか言えない。
うう……。
回数を重ねるごとにうまく表現する語彙力も上がっていきますように。

デンパーク内のデンパーク館展示ルーム他にて「シルバニアファミリー わくわくピクニック」が開催されている。
園内にもフォトスポットがたくさんあって、きゅんとする。
大人になってから見ても、あどけないあの動物たちのフェイスが可愛すぎる。
そんなデンパークでのシルバニアファミリーに関する思い出はこちら。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
またどこかで!

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