映画記録「ルックバック」
アニメ映画化が決定したときも、劇場公開が始まってからも、ずっと観るか悩んでいたけれど、とうとう観ちゃった~~~。
原作が好きだからこそ、解釈違いがあったら嫌だった。そして、あの原作の熱量を劇場版で表現されたら、ひとたまりもないから。
原作の単行本を持っています。
読むたびに、泣く。
だから、映画を観てしまったら、どこにぶつけたらいいのか分からない熱量を抱えること、観る前から分かっていたのに、現在、思っていたよりも大きな熱量を抱えています。
元の原作でも泣いていたのに、映像になって、音楽がついて、コマとコマの間に動きがついて、余白を補完されると、もうだばだば泣いてしまう。
喉がグエッて変な音を立ててしまった。
近くに座っていた人、ごめんなさい……。
もっと泣きたかったんだけど、見逃したくなくて、涙は流れたまま放置して、じっと画面を見つめていました。
特に腹落ちさせたのが京本の『方言』。
東北の訛り。
中部地方に住んでいるので東北の方言は身近で聞いたことがない。原作の京本のセリフは、ニュアンスで、感覚的に読んでいた。
なので、初登場シーンでのその訛りにグッと引き込まれた。
京本は並ではない努力をしているけれど天才で、届かない存在だからこそ、そんな彼女からファンだと言われて嬉しくなる。
でも、方言から、普通の女の子なんだって思った。
こんな普通の女の子が、敵わない努力家で天才で、でも、声を震わせながら、赤面をしながらファンだと言ってくれた。藤野がうらやましい。
映像で動いているからこそ、より「ルックバック」のタイトルを感じた。
お互いに、お互いの背中を追っていた。
京本が描いた4コマ『背中を見て』を読んで、藤野がドアを開ける。前へ、進んでいく。のこされた側は、前へ進むしかないんだな、と痛いくらい。
映画を観たあとに、原作を読み返しました。
漫画は動かない。
ひとつひとつのコマにあるアイテムの見方が変わった。特にドア。
漫画を読んでいるときは、泣くのに忙しくて気付けていなかったことが、映画を観ることで気付けるようになった。
原作が好きだからこそ、映画を観てよかった。劇場で観てよかった。
この熱量を忘れないでいたい。
▼映画記録
劇場公開が始まったばかりの頃、入場者特典で『原作ネーム』がもらえたことを今更知りました。悩まずさっさと行けば良かったな~~~。