読書記録「贖罪の奏鳴曲」
文圧強めなミステリー小説を久々に読んだ気がする。
少年法、障がい者、ピアノなどキーワードがたくさん。
いろんな要素盛りだくさんで、どんでん返しで鮮やかな終焉を迎えるので読後の満足感が大きかった。
本作の大きな特徴が「信じていいのか分からない主人公」。
最初の一文がこちら。
最初の文を読んで、止まる。
一回目じゃないらしい。
なんて続きを読みたくなってしまう素敵な一文目。
あらすじはこんな感じ。
主人公の御子柴礼司(みこしばれいじ)は中学生の頃に幼女バラバラ殺人を犯して少年院に収監された後、名前を変えて弁護士となった。
それも多額の報酬を要求する悪徳弁護士。
そんな主人公が死体を隠すシーンから始まる。
なんて怪しいやつが主人公なんだ。
警察が事件を追い、核心に近づくにつれて、主人公の少年時代・少年院時代が明かされていく。
主人公を信じたくなるが、それでも信じきれない。
そしてグッと御子柴礼司に引き込まれるラスト。
ラスト数十ページのあたりで、事態が一変する。
そこからは物語が加速するので、振り落とされそうな私はページを捲ったり戻したりしながら必死にしがみついていた。
これぞどんでん返しミステリー。
ぎゅーっとこれでもかと詰め込まれたミステリーで大満足じゃ。
初めて中山七里さんの作品を読んだが、他シリーズの作品でも同じキャラクターが出てくるらしい。
なにそれ、気付いたらほくそ笑んじゃうやつじゃん!
映画化していて気になっていた「護られなかった者たちへ」の文庫を購入した。こちらも楽しみ。
話は変わるが、「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」がずっと聞いたことあるタイトルだな~と思っていた。
有名な作品だからかなと思っていたが、最近ようやくわかった。
語感が「食戟のソーマ」に似ている。
どうでもいいことだけど。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?