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読書記録

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友達に紹介するような文章を目指しています。 小説、実用書、歌集、雑誌。 好きそうな本があったら教えてください。
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#中山七里

読書記録「さよならドビュッシー前奏曲/中山七里」

読書記録「さよならドビュッシー前奏曲/中山七里」

「さよならドビュッシー」の前日譚となる「さよならドビュッシー前奏曲」を読みました。

副題が「要介護探偵の事件簿」である。
本作は「さよならドビュッシー」にて、早々に退場してしまうがインパクト強めなおじいちゃん・香月玄太郎が主人公。
気性が荒く人への罵倒も多いので、読んでいて、おいおい…と思うシーンも1回や2回じゃない。でも、嫌いになれない。誠意ある者にはものすごく誠意を持っているところが好感なの

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読書記録「いつまでもショパン」

「さよならドビュッシー」から続く『岬洋介シリーズ』の3作目にあたるのが「いつまでもショパン」です。

物語は世界規模へ。

今までの「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」は舞台が日本なので、ピアノ曲が分からなくても物語が分かるだろうと安心していた。

今作は日本を飛び出る。
舞台はポーランド!

今まで、日本を飛び出た推理小説って読んだことがなかった。
シリーズなのでとりあえず手に取っ

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読書記録「連続殺人鬼カエル男/中山七里」

久しぶりに読んだタイプのミステリーだった。
サイコ連続殺人鬼を追う警察が主人公の物語。

とある市で凄惨な殺人事件が起こる。
さらに現場には、幼子が書いたような
カエルを弄ぶような不気味な手紙が残されている。
そしてそれは、連続殺人として、市民を恐怖に陥れる――。

久々に「殺すこと」に焦点を当てたミステリー小説を読んだ。
被害者が生きている姿から書かれるので、
死までが想像できて、嫌になる……。

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読書記録「ヒポクラテスの誓い/中山七里」

映画化した「護られなかった者たちへ」などで
有名な中山七里先生による法医学ミステリー小説。
法医学では、亡くなった方を解剖することで、
その死因をはっきりさせる。

なぜ生きている人のことだけじゃなく、
亡くなった人の死因を追求することが、
大事なんだろう。
主人公と同じ気持ちで、法医学の意義を知っていく。
研修医である主人公・真が法医学室で研修を行うことになる。

法医学とは? 
法医学はなぜ必

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読書記録「さよならドビュッシー」

読書記録「さよならドビュッシー」

「贖罪のソナタ」の解説に、本書のことが書かれていた。
ピアノによる音楽療法について、この作品でも取り上げられているらしい。
中山七里先生の処女作でこのミス大賞受賞作。
それは読むっきゃない!

スポ根ピアノ小説×ミステリー!
物語の鮮やかな展開を楽しむためには、あらすじもなしで読んじゃった方がいいと思う。
けれどこの読書記録は自分の備忘録でもあるので、ネタバレにならない程度にあらすじを載せておく。

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読書記録「贖罪の奏鳴曲」

読書記録「贖罪の奏鳴曲」

文圧強めなミステリー小説を久々に読んだ気がする。
少年法、障がい者、ピアノなどキーワードがたくさん。
いろんな要素盛りだくさんで、どんでん返しで鮮やかな終焉を迎えるので読後の満足感が大きかった。

本作の大きな特徴が「信じていいのか分からない主人公」。
最初の一文がこちら。

最初の文を読んで、止まる。
一回目じゃないらしい。
なんて続きを読みたくなってしまう素敵な一文目。
あらすじはこんな感じ。

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