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誰も教えてくれないコンサル転職の心構え~面接編



ビヘイビア面接

これまでの経歴の深堀

コンサルティングファームに限らず、一般的に転職面接はビヘイビアと呼ばれる、職務経歴やスキル、マッチ度、人間性、コミュニケーション能力を図る面接を実施する企業が多いと思います。

新卒の就活の際にも皆さん経験しているような、いわゆるガクチカの社会人バージョンという感じです。ただ新卒採用面接と異なるのは、仮に2-5年程度であっても社会人として仕事を経験しているので、その中でどう振る舞い、どう結果を残したのかをしっかりと論理的に語る必要があることです。
やはり、ビジネスという世界においては努力よりも結果にフォーカスを当てることが多いので、状況、アクション、結果という一連のロジックを客観的に示すことが大事です。

コンサルはもう一歩踏み込んだ対策が必要

コンサルティングファームにおいても基本的には上述の通りなのですが、プロフェッショナルファームである以上、もう一歩踏み込んで対策しておくことが重要です。

コンサルティングファームはクライアントの経営課題に対して、短期間である程度実現可能性の高い施策を構築する必要があるため、物事を見る視点やビジネスセンス、考え方や発想の独自性など、一般事業会社の面接では見られない部分についても評価されることが多いです。

それは後述するケース面接でも同様なのですが、ビヘイビア面接においても、現職に入った理由とそこから見えてきた業界の課題、そしてなぜコンサルティングファームでないといけないのか、といった一連の転職理由について課題解決的な視点があるかどうかも重要なポイントです。

結局、転職活動は自分自身の人生やキャリアに対する課題解決のひとつであるため、なぜ転職するのか?なぜこの会社なのか?を面接官に対してプレゼンすることは、それ自体まさに仕事上の自分を見せていることになります。
面接でうまく伝えることは、すなわち仕事でクライアントに上手く伝えることを意味しています。
面接を仕事だと意識して臨めるかどうかが、意識として重要な差別化ポイントになるのではないかと思っています。

候補者によくあるのが、かなり綺麗な志望理由や職務経験を用意して、それを暗記して発表しているだけ、というものです。
一見非常に高尚で優秀に見えるのですが、何か中身がないというか、空っぽな印象を受けるものです。
やはり実体験に裏打ちされた内容をしっかりと地に足つけて語っているかどうかは、面接をしている立場からすればわかってしまうことが多いのではないでしょうか。

考えてもみてください。たかが5年程度の社会人経験で、世界を変えたいとか、業界を変革したいとか、世の中にインパクトのある変化を残したいとか、そんなことは無理ですし、普段から思っているわけありません。

であれば、自分が5年で経験してきた仕事の中で、こういう哲学を持って組織に貢献しようと思い、実際にこうやってアクションして、これくらいの結果を残すことができた、その中でこういった部分に課題を感じており、この課題解決は意義あるもので取り組みたいが、現職では限界がある、というようなことをどんなに小さいレベルでも良いので語る方がよっぽど印象はいいと思います。

マインドセットはそう簡単には変わらない

ビヘイビア面接で見られていることは、要するにビジネスマインドセットです。マインドセットとはそう簡単に変えることができない、人間の考え方や取り組み方の姿勢です。
コンサルティングスキルや英語力、対人折衝能力については、入社後にも成長の余地はあるので、トレーニングをしていけば良いのですが、仕事への姿勢や向き合い方は簡単には変えられない固着したものであり、それがコンサルタントとしてふさわしいかどうかを評価されます。

ただ、そんな目に見えない素質など短時間で面接官が見抜けるわけもないので、いかに現実的で地に足付いた仕事の内容を語れるかということを候補者としては意識する必要があります。
自分を大きくみせようとすることは自然なことですが、それによってスカスカな印象を与えてしまうことは避けるべきで、面接官が短時間で高評価を与えたくなるような内容にこだわることが大事です。

こだわるといっても小手先のテクニックを覚えるのではなく、転職活動を始めた段階からでも構わないので、自分の仕事を改めて多方面から分析してみて、より具体的で説得力のあるエピソードを用意するように心がけてください。

ケース面接

ケース面接は最低限で良い

コンサルティングファームへの転職を検討している皆さんは、ケース面接のイメージが非常に強いと思います。
たしかにケース面接はコンサルや投資銀行、総合商社など一部の企業で取り入れられている特殊?なスタイルの面接です。
巷にはケース面接に特化した対策本が溢れていますし、ココナラ等のマッチングサービスでも対策用のコンテンツが多く存在しています。

転職エージェントもケース対策を週に1回実施するなど、まるでケース面接が全てと言わんばかりの様子を呈しています。
確かにケース面接で合格点を取ることは非常に大事なことなのですが、ケース面接以外のビヘイビア面接にも同じだけ力を入れないと合格するのは難しいと思います。
先ほども述べたようにケース面接に代表されるビジネスセンスやロジカルシンキング、コミュニケーション能力については入社後にトレーニングを実施して伸ばしていくことは可能ですが、ビジネスマインドセットはトレーニングで改善することが難しいため、ここでマイナス評価がされないような対策を実施してください。

したがって、明らかにビジネスとしておかしなロジックや結論にならない限り、ケース面接における合格点は取れるのではないかと思います。
最低限というのは、面接官がある程度予想しているロジックに沿って確からしい(正解に近いような)結論にたどり着く、ということです。

ここで重要なことは、ケース面接には面接官の好き嫌いや個人的趣向が思いっきり反映されますので、仮にビジネスとしてありうる施策や考え方だとしても、個人的に好きじゃないアプローチだと認定されれば普通に落ちます。こればかりは運なので、そういうものだと割り切ってください。

正しいアプローチで違和感なく進めていく

ケース面接は最低限で良いといいましたが、馴染みが無い方にとっては最低限のレベルまで持っていくことも中々時間がかかることと思います。

繰り返しになりますが、最低限というのは、面接官がある程度予想しているロジックに沿って確からしい(正解に近いような)結論にたどり着く、ということです。
つまり、こういうケースであればこういうことが考えられて、おそらく課題はこれで、ここを改善していけば目的を達成できるだろうというシナリオから大きく外さず、かつその中でノックアウトとなるような失敗をしないことです。

ケース面接はオリジナリティを出す必要はなく、ある種の予定調和的なお作法でいかにテンポ良く進めていけるかどうかです。
限られた時間の中で、面接官に「はいはい、そうだよね」と納得してもらいながら進めていくことが一番大事になってきます。
独自の発想は実際のビジネスシーンにおいては極めて重要な要素になりますが、ケース面接においては不要です。
クライアントに対してオリジナリティある施策を提言してくのは、何年もコンサルティングを経験したシニア層でも難易度が高いことなので、候補者であればまずは守破離の守を徹底するように意識してください。

教科書的な薄い回答では太刀打ちできない

では最低限のケース面接を行うために何ができるのか、ということを考える必要があります。

よくあるケース面接の形式としては、
①売上向上シナリオ
②利益向上(改善)・ターンアラウンドシナリオ
③新規事業策定シナリオ
④M&A・海外進出シナリオ

この中でも①売上向上シナリオが一番出題率が高いです。
最初に趣味の話からその業界の売上や市場規模(金額、販売数量ベース)を行い、次にその業界のある会社の売上向上施策を考えるというものです。

基本的にフェルミ推定部分は5分程度で行い、売上向上施策についてはディスカッションベースで進めると考えていたほうが良いでしょう。
ある程度ケース面接が世間的に知られるようになったためか、売上向上施策においてノータイムで議論を進めることで、より候補者の思考力の早さや深さを測りやすくするのが狙いのようです。

対策の順番としては、まずフェルミ推定を正しく行えるようにすること、そして①の売上向上シナリオを入念に対策して自分のものにすることです。

②③④に関してはある程度型があるので、慣れてくれば簡単にできるようになります。
ただし、それも①の基礎があってこそなので、まずはこちらをできるようにしていくことが重要です。

よくある回答として、売上×単価を因数分解していき、どこに課題があるかを特定し、課題っぽいところの解決策(=施策)を出して、実効性と効果で評価・優先順位付けを行う、という流れがあります。

これはこれで正しいのですが、教科書的にこれを行ってしまうと、ビジネス的に非常にナンセンスで、雑な回答になってしまいます。

これをやることで本当に儲かるのか、なぜそう言えるのか、ということまで深く考えていないと、面接官のなぜ?に耐えられません。

ここについて次の記事で、深堀していきます。





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