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ドイツ語検定2級過去問長文解説

こんにちは。本記事では、ドイツ語検定2級向けの対策をしようと思います。まだあまり勉強の進んでいない方や、3級合格したてと言う方でも理解できるように、かなり丁寧に解説を書きました。

ドイツ語検定2級について、出題形式など詳しく知りたい!という方は、こちらの記事をどうぞ。

2級では、長文対策が鍵になってきます。どれだけ文章を丁寧に読むことができるか、またそれらの文章からどれだけ単語を覚えることができるか

本記事では、実際の過去問を使って演習をしていきます。

今回は2016年度夏の大問5、6を使用します。

⚠️問題をお手元にご用意ください。(著作権の観点から公開はできませんが、Twitterにdmいただければ問題をお送りすることは可能です)

解説は以下です。

大問5

解いてみてどうでしたか?この大問5は、単語があまり分からなくても、なんとなくで正解できてしまうことも多い印象です。しかし、演習の段階ではしっかりと知らない単語を覚えていき、語彙力を上げることが大切です。
一文ずつ検討します。

大問5(1)

第1文

Mit Augentropfen aus dem Gift der Tollkirsche wollen künftig auch deutsche Augenärzte Kinder davor bewahren, immer stärker kurzsichtig zu werden und an Sehkraft zu verlieren.

まずは主語を確認しましょう。最初はmitで始まっていますから、この句(かたまり)は主語にはなれません。前置詞句です。
定形2位の助動詞はwollen, 動詞はbewahrenですね。künftig auchは主語になれませんので、主語はdeutsche Augenärzte(ドイツ人医師たち)です。

単語の確認です。
・~ vor ~ bewahren:〜を〜から守る、防ぐ。
・das Gift:毒

この二つは知っていると良いです。

Mit Augentropfen aus dem Gift der Tollkirsche wollen künftig auch deutsche Augenärzte Kinder davor bewahren
「将来、ドイツ人医師たちは、目薬で、ナス科の有毒植物の毒から、子供たちをそれから守りたい。」
「それから」=davor の内容は後ろに書いてあります。
Tropfenは「しずく、点滴」と言う意味です。これを知らなくても問題は解けてしまいますが覚えておきましょう。

immer stärker kurzsichtig zu werden und an Sehkraft zu verlieren.  
よりkurzsichtigになることと、Sehkraftが失われること。

医師たちは、これらから子供たちを守りたいと言うことですね。kurzsichtigはまだ推測が難しそうです。Sehkraftは、Sehen+Kraft、つまり見る+力と考えれば、「視力」と言う単語が推測できるのではないでしょうか。

第2文
Die Therapie ist allerdings noch nicht als Standardbehandlung etabliert, sagen die Fachvertreter.

Therapieは英語therapyから類推できますね。「治療法」です。Standardbehandlungは、StandardなBehandlungということです。Behandlung「手当、処置」は覚えておきましょう。他にも「取り扱い」といった意味もありますね。動詞: behandeln…取り扱う。つまり、「スタンダードな治療」です。
動詞etablierenは英語のestablishと同じです。設立する、確立する、構成する…といった意味になります。
よって、「治療法はいまだスタンダードな処置としては確立されていない。」になります。
ist…etabliertなので、状態受動ですね。alsは〜として、です。
そのようにdie Fachvertreterは述べているわけです。Fach+Vertreterと分けましょう。Fachには「専門」という意味があります。Vertreterは動詞vertreten「〜を代表する」から推測して、代表する人かな、くらいの類推でOKです。よってFachvertreterは「専門家の代表たち」という感じでしょうか(動詞がsagenと複数なので、専門家も複数いることがわかりますね)。

第3文
In einigen asiatischen Ländern wird bereits die Hälfte aller Kinder vorsorglich mit Atropin- Tropfen behandelt: Starke Kurzsichtigkeit erhöht das Risiko für Augenkrankheiten.

少し複雑です。最初の「いくつかのアジアの国々では」は大丈夫でしょう。wird…behandeltなので受動態ですね。
Hälfteは英語で言うhalfです。つまり「半分」。
aller Kinderは2格で、直前のHälfteを修飾します。「すべての子どもたちの半分」。
そして、vorsorglichそのものを見たことがなくても、これに関連する単語はおそらく知っていますよね。例えばVorsorge「用心、あらかじめの準備」、もしくはSorge, sorgen「心配(する)」から推測することもできます。vorは「前に」ですから、何かが起こる前に、あらかじめ行うことです。辞書的な意味は「[..zɔrklɪç] [形] あらかじめ配慮しての, 用心のための, 万一をおもんぱかっての」となっています。この単語を直接覚える、と言うよりかは、「この単語の周辺の単語知識からこの単語の意味を推測する」ことの方が大切で、そういった運用能力を独検は要求していると思います。

独和大辞典

Atropinは僕も知りませんでした。まあ何かの薬かなと思っておけばそれで大丈夫です。辞書によれば「アトロピンという薬」とのことでした。
アジアの国々では、こうした予防のための(vorsorglich)薬が手配されている(behandelt)ということですね。

Starke Kurzsichtigkeit erhöht das Risiko für Augenkrankheiten.
さてここら辺でkurzsichtigの意味が推測できるのではないでしょうか。
動詞erhöhenは、Höhe「高さ」やhoch「高い」の動詞化です。よって「高くする」です。何を高くするか?それはdas Risiko für Augenkrankheitenです。Risiko「リスク」は大丈夫ですか。英語と少し見た目と発音が異なります。AugenのKrankheitなのでもちろん「目の病気」。つまり、強いKurzsichtigkeitは目の病気のリスクを高くする、と言うことです。Kurzsichtigkeitは「近視」ですね。

さて第二段落です。

第4文
In einer Studie an 400 Sechs- bis Zwölfjährigen in Singapur verzögerten Atropin- Augentropfen das Fortschreiten der Kurzsichtigkeit um 50 Prozent.

動詞はverzögernです。これは少し難しいですが、zögernと言う動詞ならもう少し有名でしょうか。zögern「躊躇する、ぐずぐずする」です。
これを踏まえると、verzögernは「遅くさせる」です。
文の最初はIn einer Studie(ある研究によると)と前置詞句から始まっているので、これは主語ではありませんね。後ろの400〜 Singapurは、「シンガポールの6から12歳の子ども400人に対する」と続きます。
よって、主語はAtropin- Augentropfenです。Atropin- Augentropfenは「目薬」です。これは容易に推測できるでしょう。
das Fortschreitenは動詞verzögernの直接目的語で、中性4格です。fort-は「さらに進む」といった意味を付け加えます。Schreitenは「(ゆっくり)歩く」です。ここでは「進行」とでも訳せば良いでしょう。
um 50 Prozentのumは数字の前にくる前置詞です。あまり気にせず翻訳して良いです。
目薬が近視の進行を遅くする、という意味が浮かび上がってきましたね。

第5文
Dosierungen von 0,01 Prozent - einmal täglich über zwei Jahre verabreicht -  zeigten die beste Wirkung „Der Effekt blieb noch drei Jahre nach Abschluss der Therapie“, sagt Frank Schaeffel, Experte an der Universität Tübingen.

最初のDosierungは滅多に見ない単語です。知らなくて当然でしょう。ここでは単語の形から推測するか、文脈から推測するかのどちらかが必要になります。
単語から推測する場合、die Dosis「薬1回分、服用量」を知っていれば容易に理解できるでしょう。もしくは英語由来のdie Dose(同じ意味)と言う単語もあります。「オーバードーズ」などカタカナ言葉にもなっていますし、こちらの方が親しみがあるでしょうか。
einmal täglich über zwei Jahre verabreichtですが、verabreichtが問題になります。この動詞は難しいので、知らなくても良いでしょう。この前までの単語から、「毎日一回、2年間服用するのかな」と推測できればOKです。
verabreichen: (薬などを)与える。

第6文
Die Nebenwirkungen waren dabei offenbar gering und verschwanden nach Absetzen der Tropfen komplett.

Nebenwirkungは簡単ですね、NebenなWirkungと言うことで、「副作用」です。Absetzは「やめること」です。これ、個人的にはAbsatz「中断」の方がいい気がしますが、どうなんでしょう。まあ、「点眼の〜〜の後に副作用が完全に消える」と考えれば意味は推測できるでしょうか。

さて問題です。
まず選択肢1。「専門家たちによると、アトロピンによる処置はが普及するかどうかは疑問である。」これは違います。
2「シンガポールの研究によると、多くの子どもがアトロピンによって強い近視に悩んでいる」これは真逆ですよね。違います。
「アトロピンは、ほとんど副作用を感じないが、効果が持続する」これが正解です。5文目に、3年間効果が続くとありますね。

大問5(2)

第1文
Bestatter in Berlin stehen unter einem immer größeren Konkurrenzdruck.

早速難しい単語から始まっています。Bestatterは「葬儀屋」です。類語にBestattung「埋葬」もあります。Konkurrenz + druck は推測してほしいです。「競争」+druck(圧力)で、競争圧力とでも訳せるでしょうか。

第2文
Die Hauptstadt wird seit Jahren jünger, die Zahl der Sterbefälle geht zurück, sagte der Obermeister der Berliner und Brandenburger Bestatter-Innung, Rüdiger Kußerow.

首都はここ数年若年化(日本の逆ですね)が進んでおり、死亡者数も減っている、と述べられています。

第3文
Zugleich steigt die Zahl der Bestattungsunternehmen.

同時に、葬儀会社の数も増えている、そうです。Bestattung+Unternehmen(会社)の複合語はわかりやすいですね。

第4文
Die Folge ist, dass es mehr Dumping-Angebote gibt.

その結果、Dumpingの申し込みが増える、とあります。辞書によると、Dumpingとは国外投げ売りのことだそうです。

第5文
"Da werden viele kreativ und schließen zum Beispiel Verträge mit Altenheimen."

少しわかりにくいですが、vieleはviele Menschenのことで、多くの人々を指します。これが分かれば意外に簡単です。多くの(葬儀屋の)人々は、kreativ, つまりクリエイティブに考え、例えば老人ホーム(Altenheim)と契約を結ぶ(Vertrag schließen)などする。と言う意味です。

第6文
Andere, die sich im Auftrag großer Kliniken um Verstorbene kümmern, würden oft gleich vor Ort Angehörige ansprechen.

Andereはvieleに呼応しています、「その他の人々」です。
次に関係詞節。dieは複数主格です。「sich um~kümmern, 〜の面倒を見る」は知っていますね。Auftragは「依頼」です。großer Klinikenは2格でAuftragにかかっています。「大きなクリニックの依頼で」。
Verstorbeneは動詞versterben「死ぬ」の名詞化です。形容詞変化しますが、ここではumの格支配により4格になっています。「故人」ですね。
vor Ort「その場で」これはぜひ覚えておきましょう。
Angehörige ansprechen.「親族に話しかける」これは大丈夫でしょうか。
「大きなクリニックにの依頼で故人をケアする人たちは、その場で親族に声をかけることが多い」

第7文~
In der Hauptstadt sterben nach Einschätzung des Obermeisters jeden Monat rund 2700 Menschen. 1990 waren es allein in West-Berlin noch 3300. In Berlin gibt es aktuell 300 Bestattungsunternehmen.

最後短いので全部まとめちゃいました!
特にここは難しくないですね。Einschätzungは大丈夫でしょうか。動詞einschätzen「評価する」と合わせて確認しておいてください。

さて問題です。
 死亡者数が減っている一方で、葬儀屋の数はどんどん増えている。これは紛れもなく正解ですね! zunehmen=~の数が増える、がポイントです。その対義語として、abnehmen「減る」も使われていますね。zu ⇄ab。またzüruckgehenがabnehmenに言い換えられていることにも注意してください。
2多くの葬儀会社は、患者が死ぬ前に色々お世話をする。そんなこと書いてませんね。
3 首都ベルリンは、多くの若者が葬儀会社に入りたいと思うような、クリエイティブな街だ。これも違いますね。そもそも本文においてkreativは街ではなく葬儀業者にかかっています。

ここまでで、文章はたまに難しいけど、問題文は正誤の判断がかなり簡単、と言うことがわかるのではないでしょうか。

大問6

次に大問6です。長いですが、区切りをつけながら文章をみていきます。

第1段落 

Eine neue Studie der Stiftung Lesen zeigt, dass Analphabetismus in Unternehmen erhebliche Kosten verursacht sowie zu einer Mehrbelastung der Kolleginnen und Kollegen führt. Dennoch sind offenbar nur wenige Betriebe bereit, in die Bildung der betroffenen Mitarbeiter zu investieren.

Analphabetismusは、読み書きのできない人、と脚注にあります。これはAlphabetismusに否定のAn-がくっついた形です。
ポイントになる単語はdie Stiftung「財団、基金」です。つまり、「読書財団の新たな研究によると、」と言う始まりです。
erheblichは「著しい」です。関連語として、動詞hebenは「上にあげる」と言う意味で、接頭辞erをつけてerhebenと言う動詞が出来上がります。
そしてverursachenは訳しにくい動詞です。「〜を引き起こす」と認識すると良いでしょう。たいてい、今回のKostenのように引き起こされる対象の単語が直前にきます。よって「コストを招く」くらいにとれば良いです。die Ursacheは「原因」ですね。
Mehrbelastung= mehr + Belastung(負担)です。
次の文、まずUnternehmenがBetriebeに言い換えられているのに気づけましたか。どちらも「企業」を意味します。
Bildungは「教育」で良いでしょう。Bild「絵」とは別の単語ですよ!
der betroffenen Mitarbeiter zu investieren.のbetroffenenですが、これは独検でよく見る表現です。betreffenの現在分詞で「〜に関係している」と言う、その当事者の、的な意味を表したいときに使われます。
ここまでの訳は「Stiftung Lesen(読書財団)の新しい調査によると、文字の読み書きが困難なことは企業に多大なコストをもたらし、同僚にさらなる負担を強いている。それにもかかわらず、そのような従業員の教育に投資しようとする企業はわずかである。」といった感じでしょうか。

第2段落①

Im Rahmen der Studie haben Experten im Auftrag der Mainzer Stiftung Lesen mehr als 1600 Arbeitnehmer und fast 550 Arbeitgeber aus dem Gastgewerbe, Transport, der Logistik, dem Landschaftsbau und der Baubranche befragt. Dabei gaben 34 Prozent der Beschäftigten und und 42 Prozent der Unternehmer an, mindestens einen Analphabeten im Betrieb zu kennen. Überdies berichten 41 Prozent der Arbeitgeber und 47 Prozent der Kollegen von Folgen, wenn ein Beschäftigter nicht richtig lesen und schreiben kann. Nach Angaben der Studienleiterin Simoe Ehmig wird in Unternehmen, in denen die Betroffenen offen mit ihren Schwierigkeiten beim Lesen und Schreiben umgehen, weniger von Problemen in dem Arbeitsabläufen berichtet.

ここでは、会社で働く人たちに対する調査結果が示されています。
Im Rahmen der Studie haben Experten im Auftrag der Mainzer Stiftung Lesen mehr als 1600 Arbeitnehmer und fast 550 Arbeitgeber aus dem Gastgewerbe, Transport, der Logistik, dem Landschaftsbau und der Baubranche befragt.
この文章は完了時制で、動詞はhaben~befragt.ですね。主語はExperten,つまり専門家たちです。
Rahmenは「ラーメン」ではないですよ!笑 「枠組み、ふち、範囲」といった意味の単語です。Im Rahmen der Studieで、「調査の範囲で」と言う感じでしょうか。「調査の一環として」と訳すとこなれた感じがしますね。
Arbeitgeberは、Arbeitをgebenするので「雇用者」と言う意味になります。職業の列挙もされています。ぜひ覚えておきましょう。
befragenはfragenと同じです。他動詞化する接頭辞be-がついた形です。
cf.)antworten : beantworten
「この調査の一環として、マインツに本部を置く読書財団の委託を受けた専門家たちが、接客業、運輸業、物流業、造園業、建設業の従業員1600人以上と雇用主550人近くを対象に調査を行った。」

Dabei gaben 34 Prozent der Beschäftigten und und 42 Prozent der Unternehmer an, mindestens einen Analphabeten im Betrieb zu kennen.
Dabeiは、それに際して、とかそんな感じです。つまりその調査に際して、その調査の中で、といった感じ。動詞はangeben「述べる」です。自分の意見を誰かに(an jn)与える(geben)といったイメージです。Beschäftigtenは動詞beschäftigen「〜に取り組む」から来ています。この動詞は大丈夫ですか。sich mit ~ beschäftigenで「〜(仕事など)に取り組む」と言う熟語になります。形容詞になると、beschäftigt「働いている」になります。例えば、

独和大辞典より

このように使えます。
そしてこれが形容詞変化する名詞になると、Beschäftigte「雇われている人=従業員」となります。
そうすると、Unternehmerはわかりやすいですね、「雇っている人=雇用者」です。
「調査では、従業員の34%、雇用者の42%が、社内に少なくとも一人は読み書きのできない人を知っていると答えた。」

Überdies berichten 41 Prozent der Arbeitgeber und 47 Prozent der Kollegen von Folgen, wenn ein Beschäftigter nicht richtig lesen und schreiben kann.
überdiesは見慣れない単語ですが、「その上」と言う意味の副詞です。類語として、außerdem, zudemなどがあります。
berichten「報告する」は基本語です。独検でよく見ます。von~で、〜を報告する、となります。ここではvon Folgen「結果」となっているので、コンマ以降の内容の結果を報告したことになります。つまり、従業員が読み書きできない、と言う事実があるとき、その事実を雇い主や同僚が調査で報告したと言うことです。
「さらに、雇用者の41%、同僚の47%が、従業員が適切に読み書きができない場合の結果について報告している。」

Nach Angaben der Studienleiterin Simoe Ehmig wird in Unternehmen, in denen die Betroffenen offen mit ihren Schwierigkeiten beim Lesen und Schreiben umgehen, weniger von Problemen in dem Arbeitsabläufen berichtet.
少し複雑な一文です。まずAngebeangeben「述べる」の名詞形で、「報告、申し立て」となります。Leiterとは「リーダー」のことです。よって初めの部分は「調査の責任者シモエ・エーミッヒの報告によると、」となります。
文全体は受動文です。wird~berichtet.「報告される」です。
in Unternehmen「会社で」と続き、どんな会社かが関係詞節で説明されます。「読み書きが困難であることをオープンにする会社」です。また、umgehen mit~「〜を扱う」です。ここでは、「文字が読めない、書けないと言う困難をオープンに扱う」です。
そういう会社は、weniger von Problemen in dem Arbeitsabläufen、つまり「仕事の過程で問題が少ない」と言うわけです。der Ablauf「過程」は知っていますか。1日の過程のことをTagesablaufといったりします。

「この調査の責任者であるシモエ・エーミッヒの報告によれば、読み書きが困難であることをオープンにする企業では、仕事の過程で報告される問題は少ないという。」

第2段落②

Zwar befürwortet ein Großteil der Befragten, dass auch Erwachsene noch Lesen und Schreiben lernen sollen, aber wenn es um konkrete Maßnahmen geht, sinkt die konkrete Bereitschaft zur Fortbildung. Im Arbeitsalltag ( A ) es Arbeitgeber und Beschäftigte häufig nicht für nötig, dass die Betroffene eine Grundbildung erwerben, weil die Abläufe auch so funktionieren: Die Analphabeten werden einfach für bestimmte Aufgaben nicht eingesetzt, Kollegen kompensieren ihr Defizit oder Symbole ersetzen Schrift.

さて本文も後半です。

Zwar befürwortet ein Großteil der Befragten, dass auch Erwachsene noch Lesen und Schreiben lernen sollen, aber wenn es um konkrete Maßnahmen geht, sinkt die konkrete Bereitschaft zur Fortbildung.
本文ではここに下線部が引かれていますが、一旦無視して読解します。
zwar~aber 〜であるが、〜だ。の対応関係は大丈夫ですか。

befürwortenは「支持する、賛成する」と言う動詞です。これは覚えておきましょう。Befragtenは、過去分詞の名詞化からわかるように、befragenされた人、つまり質問された人を指します。「回答者」とも訳せるでしょうか。
回答者の多くは何に賛成するのかというと、dass以下副文。大人も読み書きを学ぶこと、です。大人になっても学ぶべき、と言うことです。

zwarの呼応aber以下、es geht um~, ~の問題だ、の構文になっています。具体的な措置(Maßnahmen)になると、となります。Maßnahmeは「措置、対策」と言う意味になります。基本語です。

sinkt die konkrete Bereitschaft zur Fortbildung
具体的な措置となると、さらに成長するための具体的なBereitschaftが低下する、とあります。このBereitschaft、訳しにくいのですが、bereitの名詞化と言うことで、「意欲、覚悟、やる気」などと訳されます。
FortbildungはFort+Bildungで感覚的に訳せると良いです。
「成人でも読み書きを学ぶことに賛成する回答者は多いが、具体的な対策となると、訓練を継続することへの具体的な意欲は低下する。」

Im Arbeitsalltag ( A ) es Arbeitgeber und Beschäftigte häufig nicht für nötig, dass die Betroffene eine Grundbildung erwerben, weil die Abläufe auch so funktionieren
ここで(A)がでできます。これは問題の(3)ですね。betrachten, denken, gelten, haltenのどれかが入るそうです。考えながら読解しましょう。

主語はArbeitgeber und Beschäftigteです。esはここでは4格です。「日常生活において、雇用者も従業員も、それ(es)を必要でないと捉えていることが多い」となります。それの内容はdass副文で述べられます。ここで、前置詞fürに注目します。この前置詞と対応関係がとれる動詞は、haltenのみです。よってAにはhaltenが入ります。「halten~für… : 〜を…とみなす。」
同じ意味の熟語として、「als/für… gelten」「betrachten〜als...」も覚えておきましょう。geltenは4格目的語を伴わないので、今回は正解にはなりません。denken an〜は大丈夫ですね。

dass以下は「関係者が基本的な教育を受けること」です。(erwerbenはbekommenと同じ、と覚えましょう。)その必要がない、と考えている人が多いということです。なぜなら、以下のようにことは進むからだ、と続きます。

Die Analphabeten werden einfach für bestimmte Aufgaben nicht eingesetzt, Kollegen kompensieren ihr Defizit oder Symbole ersetzen Schrift.
einfachは感嘆詞で「単に」を意味します。
einsetzenは意味の多い単語ですが、ここでは「仕事に就く」という意味になります。読み書きのできない人は、特定の仕事に就けない、と言っています。
kompensierenは、英語のcompensateから推測できるでしょう、「埋め合わせる」ですね。ersetzenは「代わりにはたらく」と言った動詞です。

「というのも、読み書きのできない人は単に特定の仕事に雇われないだけであり、同僚がその不足を補ったり、記号が筆記の代わりになったりするからである。」

第3段落

Der Bundesverband Analphabetismus geht von bundesweit 7,5 Millionen Menschen aus, die nicht richtig lesen und schreiben können. Weltweit können nach Angaben der UNESCO etwa 774 Millionen Erwachsene nicht richtig lesen und schreiben. Die meisten Analphabeten leben in Entwicklungsländern. In Deutschland können rund 300000 der insgesamt 7,5 Millionen Betroffenen selbst einzelne Wörter nicht entschlüsseln. Rund zwei Millionen können nur einige Wörter lesen und schreiben, etwa 5,2 Millionen nur mit kurzen Sätzen, aber nicht mit langen umgehen.

ついに最終段落です。が、難しい箇所はないので特に言うことはありません。
日本語訳は「ドイツ連邦非識字者協会の推計によると、ドイツでは750万人がまともに読み書きができない。ユネスコによれば、世界中で約7億7400万人の成人がまともに読み書きができない。非識字者の多くは発展途上国に住んでいる。ドイツでは、750万人のうち約30万人が個々の単語を解読することすらできない。約200万人は数単語しか読み書きできず、約520万人は短い文章しか扱えないが、長い文章は読めない。」となります。

では問題です。
(1)下線部(a)のDennoch「それでも」の言い換えです。Außerdem「その他に」、Deswegen「それゆえ」、Stattdessen「その代わりに」、Trotzdem「それにもかかわらず」、と言うことで、答えは4です。

(2)zwar〜aber構文がわかるかが鍵です。下線部は、文字の読み書きができない人に対する教育の重要性は認めるが、措置を実現しようとすると消極的になる、と言う意味になります。正解は1です。

(3)は解説で見たように答えは4 haltenです。

(4)ドイツ語の言い換え問題です。下線部Cの言い換えですが、答えは1「他の従業員が文字の読み書きをできない人を手伝う」が答えです。

(5)正解は1,3,6です。注意すべき選択肢は2で、選択肢2は数字が違います。

いかがだったでしょうか?少しでも勉強のお役に立てれば嬉しいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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