見出し画像

【美術・アート系のブックリスト】いとはる著『世界一わかりやすい美術鑑賞ドリル』

たとえばマネの《笛吹く少年》であれば、主人公がたった一人描かれた少年であることはみただけでわかるけれども、ドラクロアの《民衆を導く「自由」》では、複数の人物画描かれているため誰が主役かは一見してはわかりません。そこでどうすれば主役がわかるかと言えば、「ピントがあっている人物」という理由で、旗をもった中央の女性であることがわかります。

同様に光が当たっている、周囲の人物の視線が集中しているなど、仮に歴史や美術史の知識がなくても、ある程度は絵画内の情報でその作品の意味がわかる、といいたいようです。

推測したり、想像したりするときに、どこに目をつけ何を根拠に推測するかをまとめたといってもいいでしょう。

ドリル形式にしたところがミソですが、基本問題、応用問題、発展問題など本当のドリルのようにすればもっと面白かったのではとも思いました。

サンマーク出版 158ページ 1760円

【目次より】
第1部 見る目を育てる感情的鑑賞ドリル
第1章 この絵の主役はどこにいる?
第2章 色や光に注目してみよう
第3章 筆致から動きを感じてみよう
第4章 「この後どうなった?」を想像しよう

第2部 深く絵を知る論理的鑑賞ドリル
第1章 描かれている人物について想像しよう
第2章 “そこ"はどこなんだろう?
第3章 モチーフから読み解こう
第4章 画家の人生を想像してみよう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?