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【美術・アート系のブックリスト】 ジェイムズ・ホール著、高階秀爾監修『西洋美術解読事典: 絵画・彫刻における主題と象徴』河出書房新社(新装版)

1988年初版の事典の新装版。

聖書、神話、歴史的事実など、西洋の絵画と彫刻に登場する主題や象徴を調べるための事典。意味だけでなく、実際の作例の索引機能をもたせていて便利。

例えば、「指輪」の項目には、「権威の象徴」「結合の象徴」「聖職者の位」「三位一体」など作品の中でも様々な意味が列挙され、関連事項へ飛ぶように指示されます。

作品を見ながら、モチーフの一つ一つを読み解いていくこともできるし、象徴事典としてつ使うこともできます。プロメテウス、ヘラクレスなど神話の登場人物を引けば、美術史上どう描かれてきたかが分かり、神話事典とは異なる理解が可能です。

つまり美術作品を主題と象徴の織物として、意味の重層性に着目して追いかけるのにとても便利で、聖書や神話といった原典と美術作品との間をつなぐ際に活用するといいでしょう。


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