【美術・アート系のブックリスト】京都国立博物館監修『トラりんと学ぶ日本の美術4 異国への憧れ』淡交社
トラりんは尾形光琳の「竹虎図」から飛び出した京都国立博物館PR大使。トラりんが生徒、京博の学芸員が先生になって、さまざまなジャンルの日本美術に歴史と魅力に迫る4巻シリーズの最終巻が本書。テーマは「異国への憧れ」。
対談の面白さは、異なった視点の交錯なので、話者はジャンルや年代、国籍や立場ができるだけかけ離れていた方が面白い。その点、この対談形式の解説は絶妙にいいです。
中国由来の水墨画、陶磁器、ヨーロッパに輸出された南蛮漆器など、海外文化の影響を受けた日本の美術を学んでいきます。
「ありがとリン」「教えてほしいリン」というトラりんの口調は、おそらくキテレツ大百科のコロ助の「〜ナリ」、もしくはヤッターワンの「〜ワン」を継承してのことでしょう。
おかげで漢字が多く難しいと敬遠しがちな山水画や陶器の理解へのハードルがぐんと低くなっていて、読み物として楽しいです。
2021年5月19日