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【美術ブックリスト】『コノキ・ミクオの詩と造形』

コノキ・ミクオ(此木三九男)は彫刻家。銚子近辺の方言で、鉄くずや使い古して捨てられた道具のことほガンダというらしく、鉄の端くれを原料にした「ガンダ彫刻」を制作する。

本書は、彫刻作品に詩を加えた月刊ギャラリーの連載100回分をまとめたもので、2012年8月から2020年11月まで、つまり東日本大震災の爪痕が残る時期から、毎年のようにやってくる台風や豪雨、そしてコロナ禍までの激動と不穏の時代を映している。

詩はやや社会批評的だったり、文明批判的なものが多い。また自然や芸術についてのものもあるが、茶室に招かれたけれど足が痺れて辛いといったような自虐的な視点で語られるものもある。ユーモラスな彫刻とも相まった、ある種の川柳にも読める。

227ページ、2200円、A5判、ギャラリーステーション

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