連載小説|寒空の下(14)
俺だけはどういうわけかクビにされなかった。嫌がらせをされることになるのだろうと思った。花蓮さんと笠原の代わりはすぐに派遣された。もともとは事務をしていた藤本という眼鏡の女性と、研修の時に一緒だった竹岡の二人だった。もちろん、木下と石田も残っていた。
ショッピングモール側が決めた時間に沿って働く生活に逆戻りする羽目になった。防災センターと控え室の至る所には張り紙がされていて「飲酒禁止!労働時間厳守!賭け事禁止!」などと書かれていた。気持ち悪かったので全て剥がしたが、トイレ