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THINK103/ゲスト:南貴之さん

2019年7月26日(金)19:30-22:00
@ Suppose Design Office 広島事務所 3F
ゲスト:南貴之さん(株式会社 alpha 代表)
http://alpha-tokyo.com/

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THINK BOOK は,読む "THINK" です."THINK" とは Suppose Design Office の谷尻誠が毎月魅力的なゲストを招き「"考える"を考える場所」として開催しているイベントです.100回を超える過去のビデオアーカイブからの掘り起こしを含め,THINKに参加した人も,参加できなかった人も,この,読む"THINK" によってエッセンスを追体験できるように各回のダイジェストを月に2回程度掲載していきます.
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2019年,長かった梅雨が明けて初めての週末.
まだ湿り気の多い,少し息苦しい街の空気を抜けて,サポーズデザインオフィスのガラスの扉を開ける.階段を上ると,いつものように会場には発泡スチロールの直方体が椅子として並べられている.今日はふだんより早めに会場入りができてので,前の方の席に陣取った.

トークが始まるまでは,会場にいつも用意されるドリンクをオーダーして,顔見知りのサポーズデザインオフィスのスタッフや,たまたま居合わせる知り合いや学生たちと言葉を交わす.BGMはいつも趣味のいい音楽が流れている.そうこうしていると,予定時間を少しまわった頃,主役の二人が登場した.

谷尻さん「今日のゲストは,南貴之さんです」

いつの間にか会場いっぱいに集まった参加者の拍手とともに,103回目のTHINKが幕をあけた.

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自分の仕事を人に説明するのが難しい

ゲストの南貴之さんは,黒いTシャツにパンツもスニーカーも黒で統一されていた.ファッションに携わるゲストもこれまで多く見て来たが,着ている洋服はいつも意外と控えめだなと思う.谷尻さんに促され,南さんはスライドとともに自分のことを紹介し始めた.

南さん「基本的に洋服などを扱うお店のプロデュースやPR,自社ブランドの運営等をやっている訳なんですが,いつも思うのが,自分の仕事を説明するのが難しいんですよね,いろいろやっているので.ディレクションといっても仕事の境界がはっきりしていないので,入り口から出口まで全部面倒見る感じですね.商品の仕入れからお店の内装まで,もともとひとりでやっていたことが,どうしてもスタッフを雇ったりしなくてはならなくなって,少しづつ人が増えて会社になってしまった.ほんとはひとりでやりたいくらいなんですよ」

「経歴としては,最初に勤めた会社がそれこそいい意味で何でもしなくちゃいけない会社だったので,そのやり方が身に付いたというか.今ではありがたいなと思いますけど」

谷尻さんの相槌やちょっとした言葉の投げかけに答えながら,南さんは話を続ける.

南さん「社内でオリジナルの企画のコンペがあって,出してみたら上手くいって,それでいろいろ任されるようになったのが最初で,幾つかのブランドの立ち上げに携わったりしました」

「それで,12年くらい勤めて,独立して最初の仕事がセレクトショップ「1LDK」のディレクションの仕事でしたね」

谷尻さん「でも,最初は特に,自分でやったことないことがどんどん始まるわけですよね,いつもどうしてるんですか?」

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2020年1月で109回を迎えたTHINK。 これまでのアーカイブを読むTHINKとして届けていきます。 活躍する方の思考の共通項と差異を客観的視点から考察します。

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