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【詩】丘の向こう



青い青い空の中
雲は大きく膨らんだ

熱光線に照らされて
雲の白さが際立った


僕らはありのままでそこにいた
風に吹かれる草原に
空の影が流れている



子どもたちが駆けていく
汗ばむ首筋を風が撫でる

ただの僕の想像だけど
心は安らいでいく



隣に並ぶ君が微笑む
強風にワンピースがたなびく

ただの僕の空想だけど
心は安らいでいく





いつかただの夢だと気づいて
思いを巡らせることをやめるのだろうか




草原の真ん中の大樹の下で
木漏れ日に揺られて寝転がる


子どもたちの歓声と
吹き抜ける風に耳を貸す





たくさんの風が流れた
たくさんの雲が流れた





向こうの丘に子どもたちが駆けていく
風と雲が行く道
僕の行けない丘の向こう


あの先に見える景色は
どんなに輝いているだろう
丘の頂上に
果てしない世界があるのだろうか




丘の向こうに子どもたちを見送った
僕から見える景色には、草原と
空の影だけが残された


「また寂しくなるわね」
誇らしげに彼女が言った。
僕は微笑んで、
陽の落ちようとする世界で目を閉じた。


心は安らいでいく
ただの僕の妄想だとしても




僕だけがありのままでここにいた
がさつな風の行く草原で
草いきれに息苦しくなる



雲の流れる草原で
丘の向こうに思いを馳せて


ただの夢なんだと気づいた今でも
いつまでも思いを巡らせていた





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好きな曲の世界観や爽快感を目指しました。



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