【詩】形のないもの
山道を歩いていると
この山のどこかに、
自分の探している物があるような気がしてくる
細い山道をひた歩く
陽だまりの中に見つかるような
風のいく先にあるような
それはきっと、
必要としていない人も多いのだろうけど、
自分にとってはかけがえのないもの
おそらく、私がここにいる理由
鳥の鳴き声が木立に響く
川のせせらぎが耳に優しい
細い山道をひた歩く
大木の洞に見つかるような
朽ちた祠で待つような
それはきっと形を持たず、
私の弱さを受け入れて、
不安や懸念を遠ざけるもの
おそらく、この道を歩く理由
木々のざわめき
揺れる木漏れ日
細い山道をひた歩く
朝霧の中に漂うような
星空から零れてくるような
それはきっと、
探して見つけるものではなくて
私の帰る場所
心を取り戻せる安寧の場所
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