見出し画像

30回目の彩りが空に咲く かの冬花火「銀嶺の舞」

11月26日、山口県周南市鹿野で、花火イベント「かの冬花火 銀嶺の舞」が開催されました。30年前、地元の若手有志によって始まったこのイベントは、すっかり鹿野の冬の風物詩になっています。

部屋で楽しんだ花火、雪の中で楽しんだ花火

当時は小学生だった自分は、会場まで行くことができず、自宅の2階から遠くに上がる花火を眺めていた記憶があります。部屋を真っ暗にして窓を開け、音と花火を楽しんでいました。

会場に足を運ぶようになったのは社会人になってからですが、会場となった鹿野総合体育館周辺にはたくさんの飲食ブースが並び、特設ステージでは音楽演奏や抽選会など、さまざまな催しが行われていました。

時には雪がちらつくこともあり、雪の中で花火を見上げた……という思い出もあります。これも、鹿野の冬ならではという気がして好きな時間でした。

平成27年のステージイベント
外には「VIP席」という、一番近くで花火を見ることができる場所も

コロナ禍で進化する冬花火

しかし、新型コロナウイルスの流行により、多くの人が集うイベントは、実施方法について再検討を余儀なくされてしまいます。
かの冬花火「銀嶺の舞」も、どのような形で行われるのか、または中止となるのか……例年開催されていた12月が近づいてくると、不安な気持ちがよぎりました。

そして迎えた、令和2年12月。
鹿野の夜空には、新たな形で花火が打ち上がりました。

令和2年、鹿野中学校校舎の背後に打ち上がる花火

駐車場に車を停め、車内から映画を楽しむことができる、ドライブインシアター。このドライブインシアター形式を取り入れたことで、今まで音楽とレーザー光線による光の演出で彩られていた花火に、映画というお楽しみが加わることになりました。

車内から映画を楽しみ、その締めくくりに花火を楽しむ……三密を避けてイベントを行うことができる形に進化した冬花火は、令和4年で3回目。だんだんこの形が定着してきたかな、と感じます。

夕飯も車内でいただきます

鹿野小中学校の広いグラウンドに、ずらりと並ぶ車たち。18時の映画上映開始までの間は、会場内に設置された飲食ブースで夕食を買うことができました。

ドライブインシアター形式になって、入場料が8,000円と高額になりましたが、これはあくまで車1台の入場料。
例えば家族4人で入場すると、1人2,000円で入場できることになります。
しかも、この8,000円には会場内で使用できるチケットが2,000円分ついていたので、実質入場料は6,000円。
家族4人なら、1人1,500円になります。8,000円とみると、高い! と感じますが、1人当たりの金額で考えると、映画館に入場するのとさほど変わりない価格だったりします。

2,000円で購入できるものもいろいろありました。
地元有志の手で作られたカレーや豚汁、ウィンナーなど、温かい食べ物が並びます。自分たちも、カレーにウィンナー、飲み物……と、遠慮なくチケットを活用して夕食を購入しました。

お土産として、鹿野地域の企業である鹿野ファームで作られたハムやベーコンなども販売されています。
周南市のトップブランドとして認められた鹿野ファームの商品を、ここぞとばかりに購入することができました。

ウィンナーもおいしいのですが、ハムやベーコンも逸品です

30回目、変わらない花火

映画を楽しんだ後は、待ちに待った花火が打ち上がります。
音楽とレーザー光線、スモークが周囲に満ち、ドーン! と大きな音とともに、花火が打ち上がり始めました。

かの冬花火「銀嶺の舞」は、令和4年で30回目を迎えました。
30年もの長い間、鹿野の冬を彩ってきた花火。もうすっかりおなじみになったこの花火を見ると、今年ももう終わりが近づいていることを感じます。

来年もまた、この花火が夜空に打ち上がりますように。
31回目の冬花火も、鹿野の夜空を彩ってくれるように願っています。

この記事が参加している募集

#この街がすき

43,871件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?