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転職活動成功

 前回の投稿で私は転職活動の出だしに躓いたことを書いた。マイナスからのスタートとなった就職活動において唯一良かったのは、面接をしていない時間を職業訓練校でのパソコン訓練に使えたこと。多種多様の方の中でパソコンの勉強をするのは世間を知る上でも良い経験になった。
 挫折しかけた転職活動。何度か心が折れて「どこでもいい」というような感覚になりかけた。正直これでは新卒時の就職活動に陥りがちな部分と変わらない。こうならないために次の会社から内定をもらうまで今の会社を退職してはいけないのだが、私は流通業であり、休みや有給がほとんど取れなかった為、いち早く退職をした。後悔はなかった。
 この「どこでもいい」という感覚で特に印象に残っているものが2つ。1つは未経験の経理職に受からなかった時に「もう営業しかないか」と思った時に母から頂いた言葉が「あんた営業が嫌で辞めたのに営業やってどうするの」ということ。確かにそうだ。後々分かったが、私は会社の外の人間とゴリゴリやる仕事は本当に向かない。ノルマもすごく嫌いである。この言葉はシンプルだが本質的で胸に刺さったことを覚えている。要は、自分が何で辞めたのか、という部分を簡単に忘れてはいけないということ。でないと意味がなくなってしまう、転職活動の。
 もう一つはエンターテイメント系の会社の経理に応募をしたとき。こう言っては何だが、パチンコの機械のソフトを作っている会社である。正直、興味のある人は興味あると思う。しかし、私はギャンブルはあまりやらない。さして興味もない。パチンコは人生で数えるほども行ってない。その態度が見透かされたのか、面接官に「自分があまり良く思っていない業界で仕事をすることに抵抗はないのかい?」というような質問をいただいた。何でこういう質問を受けるに至ったのかについても覚えていないが、基本、私は面接は超正直に話しているので成行きでこうなったのだろう。勿論、縁はなくべくして無かった。
 ただ、これにより、経理職を希望しているとは言え、「どこでもいいぜ」という感覚ではないことは分かった。面接に行く前は結構「どこでもいいぜ系」だと思っていたが、自分ではわからないものだった。追い込まれていたからかもしれない。
 これは一社目に感謝すべきなのだが、流通業は顧客に感謝されやすい職業で個人的にはシンプルで非常に社会貢献性の高い職種だと思っている。残念だが給料があまり高くないのが悲しいが、団地の一番上まで2リットルのペットボトル6本を運ぶと、めちゃ喜ばれるし、運動として糖尿病も治るぐらいの健康体になる。(腰痛には注意しなければならないが)
 それがあった為か、やはり何となく社会の役に立っていると自分が思える会社に働きたいな、例え事務でも。と思っていた。こういう自分の根底にある感覚というのは大事にすべきであると思う。(なお、パチンコ業界をディスっているわけではなく、個人的に世の中で社会の役に立っていない会社というのはないと思っている。ただ個人の感覚で、私はそこで働かないというだけです)

 結果として私は産業機械を作る会社に転職し、そこで2社目のキャリアを経理?として開始した。なぜハテナがつくかと言うと、経理、人事、総務など、営業以外のことを何でもする部署だったから。これが結構面白かった。
 面接が成功したのは恐らく「何でもやります」という気持ちだと思う。まず声に出して言うことが大事だ。最近は変わって来てはいるが、日本のサラリーマンに「これしかやりません」というのはあまり馴染まない。外資系は違うが。なので、面接では基本的に「これがやりたいですが、何でもやります」というのが私は正解だと思う。私は正直面接のテクニックなどの本はあまり好きではないが、もはやこの言葉はテクニックであると言っていいぐらいのものだとは思う。ただ、テクニックとして使うのは自由だが、働いてからは本当になんでもやるほうがいいし、心からそう思って何でもやってほしい。短い人生、色々経験できた方が楽しいし、若いときは失敗しても大丈夫だ。人間は知らないよりは知っていることが多いほうがいいのだと、私は思う。
 そういう心持ちの結果もあってか、本当にいい会社といい縁に恵まれることができた。今、其の会社の人たちと会うことはない。でも、私の中に其の会社の人たちとの掛け替えのない日々が、今も残っている。

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