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いま、生きているということ❺〜回天〜

2月17日(月)

奥さんと診察室に入ると、ベテランの女医さんが落ち着いた感じで挨拶もそこそこに先程の内視鏡の画面をPCで開きました。

もう、めちゃくちゃ怖いです。

内視鏡は予想よりも時間が掛かったこともあり、何を言われても覚悟はしているつもりです。でも、話を聞いてしまった瞬間に世界が変わってしまうような気がして緊張していました。でもそこは奥さんもいるし威厳を保つべく、なるべく普通の顔をして、

「どうですか?」

うわ、言っちゃった。
なんか核発射ボタンを促してしまった様な気分。
すると先生がうーん、と画面を見ながらちょっと唸ったあと、

「多分ガンじゃありませんね。大丈夫かと」

え、ほんと?覚悟をしていただけに、緊張をしていただけに、拍子抜けで逆に戸惑います。なんかここまで深刻に考えていた僕らが馬鹿みたいとも。とにかく大逆転。でも口からは、

「え、よかったです」

という間の抜けた反応しか出ませんでした。
話を聞くと、事前の診察結果では確かに直腸の異常は認められガンが疑われたが、内視鏡の結果ではガン化している細胞が拡大している様な最悪のケースとは異なる状況であったとのこと。
しかも、血液検査の結果も良化してきているそうでした。
ただし、ガン化はしていないものの、念のため細胞のガン検査は必要なのと、直腸からS字結腸まで豪快にただれていて(結構グロい)内視鏡検査とあわせて複数箇所から検体のサンプルを取ったので、その他の精密検査をするとのこと。
クローン病、潰瘍性大腸炎などの難病、アメーバ赤痢などの感染症の可能性はあるそうです。

いずれにせよ、最悪は免れたみたいです。
すぐ、生死に関わることはなさそうです。

ありがとう、三社様!!

話を聞き終わり部屋から出ると奥さんに、
「この貸しは大きいんだからな!」
と涙声で怒られました。「ごめんなさい」。

でも、まだ最終的に何が原因だったのか解ってはいませんし、これでオールクリアが確定した訳ではありません。
でも、何もないことを願いこのコラムは終わりにします。

いま、生きているということ。

それだけで、感謝です。幸せです。
普段健康に感謝はしますが、なかなか、生きていることそのものに対する感謝ということを感じたことは無かったです。
ましてや、極端ですが死の淵をちらっと覗いた今回は生きているということに奇跡を感じたり。
もっと、丁寧に生きよう。仲間と何より家族を大切にしよう。そして、後悔なくやり切る日々を送ろうと。

病院から出ると、街の景色の色が鮮やかで空が綺麗で日差しが眩しく感じました。
世界は明るい。鮮やかで美しい。なんてね。

因みに、今後の容体の安定化を図ることと、もしもの時にすぐ手術などの対応が出来る様に検査結果がわかるまで2週間ちょっと、禁酒禁煙、長時間睡眠、食べ物の制限(脂もの生物厳禁)を言い渡されました。
しばらくは僧侶の様な生活。
予定通りなら3月3日に無罪放免のはず。

あー、煙草吸って焼肉食ってビール飲みてぇ。
ほどほどに、ね。


※以下加筆

3月3日(火)

今日はいよいよ検査結果を聞きに病院へ。
ガンも、懸念されていたクローン病も潰瘍性大腸炎もアメーバ赤痢も陰性。症状もかなり良化していて、診断結果は腸内の炎症が治りかけているということでした。
ほっとしました。

先生も運が良かったですね、と。
改めて一番最初の炎症が酷いタイミングでの診察では進行した直腸ガンとほぼ同じ見た目であり、簡易的な検査(CT画像や血液検査)で区別をするのは難しく、これだけの広範囲の炎症や大腸壁肥大、リンパ節や血液の異常が見られた場合一番多いケースはガンなので、むしろ炎症だけで済んだことが珍しいらしいです。
ぞっとします。

因みに、じゃあ何の炎症なのかは不明のままで、それを特定するのは大変なので治ってきているのだから別にいいですよね、という感じでした。
意外とラフ。
また、完治はしていないのでしばらくは通常生活の中でも節度を持って行動することと、二か月は毎日薬を飲んで、5月くらいに経過観察の検査をするという形になりました。

命を拾いました。
ガン保険に入って、今後は人間ドックとマーカー検査、内視鏡は毎年実施するようにしたいと思います。
皆さんも特に働き盛りの40〜50代の方は健康だけは注意して下さいね。
とても、とても、怖いので。

では。
三社様(浅草神社)にお参りに行って、お礼をして来ます。
お読み頂きありがとうございました。


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