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仙台・松島日記

　私の足元は、いつだって夏を纏っている。踵を起点として爪先を上下に揺り動かすとき、無数の宝石たちは、各々のタイミングで光を捉え、小さなキャンバスの上で自由に踊る。

　そうして足元に気を取られていると、仙台駅東口ロータリーに友人のWAGON Rが到着する。銀座ウエストのリーフパイを手渡しつつ、いそいそと助手席に乗り込み、私たちは今回の目的地・松島を目指して出発した。

　「盛夏」という言葉がよく似合う道路を駆け抜けて、およそ1時間30分で松島に到着した。町営駐車場に車を停めてドアを開けると、青く澄んだ夏空に沸き立つ、真っ白な入道雲に出会えた。

　お盆休みの観光客で賑わう国道45号を歩いて、まずはお昼を食べに「松島さかな市場」に足を運んだ。ここは、東北地方の美味しく新鮮な海の幸を入手できる海鮮マーケットだ。松島の名物、そして私たちの大好物である牡蠣を、あらゆる形で今年1年分くらい食べることができた気がする。

　多幸感で満たされた私たちは、日本三景・松島の象徴である「福浦島」に向かった。ここに辿り着くためには、陸と島を結ぶ「福浦橋」という朱塗りの大橋を渡る必要があるのだが、島の入口で「福浦橋（有料）」という文言が強調されていて少し面白かった（島全体が県立自然植物園の指定を受けており、自然保護のために通行料が必要）。

　島の随所で眼前に広がる松島湾の風景は、どこを切り取っても美しく、見る者を飽きさせない。松島湾には大小さまざまな島々が佇立し、遊覧船が駘蕩とした夏風の中を進む。急斜面を昇降して「見晴台」に到着したとき、松の葉越しに邂逅したその眺望に耽溺していた。

　麗しい島を後にして、伊達光宗の菩提寺である「円通院」に赴いた。紅葉の名所であることは在学中から知っていたものの、結局卒業までに行けずじまいだったので、ずっと行ってみたいと思っていた場所だ。

　三慧殿へと通じる道は、林・⼭野草・苔で構成された非日常的な空間となっており、不思議と惹き込まれるような感覚があった。鮮緑の中で深紅色を放つ百日紅を見かけたとき、迸る夏の陰で、僅かに秋の足音が聴こえた気がした。

　「ロマン」でガラス越しに松島湾を眺めながら、私たちは大切なひと時を過ごした。天使のような友人の、こころの柔らかい部分に突き刺さったものに関する話題になったとき、大粒の涙を流しながら語る友人を前にして、掛ける言葉を見失っていた。私は、言葉を用いて何かを伝えたいと思いながらも、言葉というものは時に悲しいほど無力ということを知っている。

　帰りの新幹線のこともあり、名残惜しくも松島を離れた。少し時間があったので、仙台市街をドライブしてみようということになった。大学がある青葉山に向かって青葉通を走っているとき、友人が「この緑が生い茂っている様子を見ると、仙台に来たことを実感する」と話していた。助手席の窓にもたれかかり、欅並木を見上げて（確かにそうだな）と思った。

　仙台で暮らすことは、きっとこの先ないのだろうと、心の中で何となく感じている。それでも、宮城で働く友人たちに会いに時折仙台を訪れている。仙台の街並みを見ると、自分自身の内面的な小さな変化を感じることがある。もしかしたら、自分にとって仙台は「変化を実感する街」なのかもしれない。

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　1曲ずつコメントを残すという試みを、今月から始めてみたいと思う。下書きの段階では、実は全曲にコメントを残していたものの、最終的にとんでもない文章量になってしまったので、特に思い入れのある数曲に焦点を当てることにした。

①TUBE／シーズン・イン・ザ・サン（1986）
夏といえばTUBE。リリースが約40年前とは全く思えないほど色褪せない名曲。「過ぎないで南風」というフレーズが印象に残ったので作詞担当を調べたところ、「I’m in Love」「Midnight Pretenders」でお馴染みの亜蘭知子だった。

④ジュエリー（Prod. imase）／LE SSERAFIM（2023）
K-POPアイドルが日本語で歌う楽曲は、あまりしっくり来ないことが多かったけれど、こちらは「さすがProd. imase…」と唸るほど、可愛さと爽快感が溢れた神曲。AKB48時代のクラを彷彿とさせる要素もあって良い。ちなみにルセラではユンジン推し。

⑧guca owl／High Wall（2021）
仲良しのDopeなネイリストさんから教わり、Digする中で発見した楽曲。同い年とは思えない達観したリリックと、唯一無二の格好いい歌声が魅力的なラッパー。「時には色んな間違いを見せるのもプレイヤー」というフレーズに、何度も励まされた8月だった。

⑩田我流／センチメンタル・ジャーニー（2019）
月間MVPに選出したい楽曲。私がこういうJazzyなトラックにめっぽう弱いということも大いに影響しているが、初めて聴いたときの衝撃を未だに忘れられない。次々とシーンが切り替わるMVは、まるで人生そのものを表現しているようだ。

⑫The Manhattans／Crazy（1983）
KANDYTOWN「Leave The Message」のサンプリングの元ネタとなった楽曲。都会の夜空にぴったりなシティポップ。KANDYTOWNは、サンプリングセンスが秀逸なHIPHOPクルーだったと思う。

⑮Mae Stephens, メーガン・トレイナー／Mr Right（2023）
冒頭9秒間を聴いて選抜入りを決めた楽曲。SNSで大バズリの「If We Ever Broke Up」でお馴染み、Mae Stephensの最新曲。

⑯Player／Thank You for the Use of Your Love（1981）
待合せまで暇をつぶすために入店した、西荻窪のドトールで流れていた楽曲。サビの切なさが耳に残り、すぐにShazamで検索した。

　⑤と⑪をSkitとする三部構成を意識して、Skitの前後で明確に雰囲気が変化するようなイメージでプレイリストを作成した。

　2曲まったく異なる経緯で選抜入りしたZINのワンマンに来月行く予定がある。それだけでもワクワクなのに、会場がWWW Xということも相まってとても楽しみにしている。

　ちなみに、同じく来月のCHICO CARLITOのワンマンはLIQUIDROOM開催なので、ずっと行ってみたかったWWW・LIQUIDROOMを同月に制覇できる予定だ。

　ZINのワンマンは、この1分間のライブ映像を見て行くことを決心した。もしよかったら、静かな場所でイヤホンをしてご覧ください。