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PENTAX機のための梅雨向けカスタムイメージ (Q-S1 + 01 STANDARD PRIME)

 PENTAXのカメラは、いわゆるカラーモード、PENTAX語でいう「カスタムイメージ」が、すごく豊富なんですよ。
 「鮮やか」「ナチュラル」「ポートレート」「風景」「白黒」くらいはどこでもありますけど、「ほのか」「ポップチューン」「雅(MIYABI)」「銀残し」「リバーサルフィルム」「クロスプロセス」「フラット」と、選ぶだけでも豊富。

 しかも、カスタムイメージをさらに、彩度・色相・キー・コントラスト(新しい機種だとハイライト・シャドーを別途調整可能)・調色(色被せ)・シャープネスと、幅広く調整できちゃう。
 いじってるとわかるんですが、例えば「フラット」から設定を調整して追い込んでも「ほのか」とか「ポップチューン」と同じにはならない。初期設定が全然違ってる。
 それでいて、調整できる項目はかなり大きな振り幅で変更できるから、自分だけのカスタムイメージを作り込むこともできる。

ほのか改(命名「悲しい色やね」)

 で、まあ、カスタムイメージの作り込みって、「できるっていわれても煩雑すぎて手が出ない」って思われるタイプの機能だと思うんです。はい。
 RAW現像やる人なら、設定項目とかの意味はわかるとは思いますが、わかったってなかなかめんどくさいといいますか。
 私も、去年のPENTAX100周年記念イベントでやってたセミナーで詳しい話を聞いてから、初めて興味を持った機能でした。やったら実に楽しいですけど。

 いきなりゼロから考えて作るのも難しいと思うので、私が「ほのか」をベースに調整したカスタムイメージ、命名「悲しい色やね」の設定値を公開します。
 例はQ-S1ですが、K-70でもK-01でも同じようにできます。

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 カスタムイメージの選択画面で「ほのか」を選んで、OKじゃなくて「詳細設定」となってるボタンを押します。(K-70だとINFOボタン、K-01やQ-S1だと露出補正ボタン)

 で、詳細設定画面は以上のように。
 彩度0・調色なし・キー-1・コントラスト+4・ファインシャープネス+1ですね。
 ほのかのデフォルトは、キー+4・コントラスト-3・シャープネス-2なので、軟調・ハイキーなのを硬調・ローキーに切り替える感じです。

 「悲しい色やね」と呼んでいる通りで、かなり陰気臭い写りになります。
 曇り空や雨天に使うと、日差しのない薄暗い雰囲気が一発で写し取れちゃう。

どんな写り?

 では、折りもよく梅雨6月の雨天。
 PENTAX Q-S1で「悲しい色やね」の実写を。

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 こうなります。
 陰気。雨の日にはこの陰気さがよく似合うのです。

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 他のカスタムイメージで現像するとこんな感じ。

 緑と紫が強調される「雅(MIYABI)」も、ちょうどアジサイにはぴったりで、すごい華やかに写ります。
 「ほのか」は緑と紫が弱くなる(そこは変更できない)ので、それをベースにした「悲しい色やね」だと、アジサイは色が淡く写ります。雨天に映えるアジサイは、あえて淡い色に収めるのもひとつの選択ではないかなと。

その他作例

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 ヤツデとアジサイを同じところで育ててたら、せっかくの花がヤツデにガードされてました。

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 ちょっと萼が筋っぽいやつだと、浅めの紫色の中で筋が際立っていいかも。

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 少しだけ日があたってたところを、ちょっとだけ露出をオーバーめに。そうすると葉がスッキリした写りになって、これもこれで。

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 ギボウシ。

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 クレマチス(鉄線)。
 「悲しい色やね」は植物が少々メタリックに写るので、無機物と植物を合わせた画面にはよくマッチするかなと。

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 金属とかコンクリートにもいいんです。

カスタムイメージの詳細情報など

 カスタムイメージについてより詳しく知ろう、と思うなら、公式サイトの解説を。

 著名なカスタムイメージ調整例としては、「朝倉フラット」があります。

 プリセットのカスタムイメージも、いずれも作り込まれたもので、選ぶだけでも面白いので、「AUTO」とか「鮮やか」しか使ったことなければ、たまには選んでみるのも一興。
 そして、さらに設定を追求して楽しめるのは、PENTAXの特権といえましょう。

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