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横浜でカメラ買ったりPENTAXのKAマウントを愛でたり

※主に文章の記事(私が話長いのは周知のこととします)

 仕事で東京出張してたんです。
 川崎に宿とって、翌日は川崎から横浜にかけてあっちこっちで遊んできました。
 ほら扉が海芝浦駅。

 海芝浦は東芝の事業所と直結していて、一般人は改札から出られない謎の終点駅として知られるんですが、不正乗車せずに行って帰ることはできます。私が行った9時半ごろ着の列車は、折り返し発車まで20分あったので、公園とか海の景色を眺める時間はあります。

 京急大師線を乗りつぶして(でも記録確認したら8年前に乗ったことあって)、川崎大師にお参りして、鶴見線を海芝浦まで行って(他はダイヤ的に無理っぽくて)、有名な国道駅を見て、横浜でカメラ屋巡りして、

 最後に小机城跡を見て新横浜から帰宅。

横浜でカメラを買い替える

 先日誘われてたナダールのフィルムガチャ展なんですけど、この東京出張が搬入日と丸かぶりになっちゃって、撮って現像まではしたけど納められない。期限ギリギリの日程で誘われてたのでどうにもならず、今回はごめんなさいして。
 しかも、この撮影に使ったPENTAX P50がどうも調子が悪い。
 確認すると、物理的に絞り周りの機構がおかしくなってた。Kマウントはレンズの絞りが開放からどれだけ絞られてるかをレバーで伝達するんですが、どうやらそれを受けてるボディ側がちゃんと動かない。歪んだっぽくて、指で押したらバネで戻るはずのところが戻ってこない。
 よって、プログラムオート撮影はいいけど絞り優先が使えない。レンズも電子接点があるやつでないと露出が合わない。

 最近フィルムがマイブームで、ちゃんと撮れるMF一眼レフもほしい。
 まあMV1もあるんですが、絞り優先AE専用・ファインダー表示も露出警告のみの超スパルタン機。これもこれでいいんだけど、もう少し遊びがほしい。
 もう少し機能がリッチなAシリーズ(Super A / Program A / A3 DATE / A3 DATE S)かPシリーズ(P50 / P30 / P30N / P30T)がひとつほしい。

 そして見た目もAとかPが好きだな。
 Aシリーズは電子化・多機能化の影響が形に出て、コンサバなベースにハイカラなデザインが混じった和洋折衷建築みたいで。
 Pシリーズなんかもう、バブルに向けて前ばかり見ながら、当時考えた斬新な未来的デザインだから、それを30年後に見返すと味わいがある。実際格好いいし。

カメスズさんで買いました

 名店と聞いていた「カメラはスズキ」にはちょうどPENTAX機の在庫が豊富とTwitterで見かけていたので、なんかあるだろ、と行ってみたら、Program Aにsmc PENTAX-A 50mmF2がついて15000円。うん。
 ジャンクだったらもっと安く出ることはあるけれど、今となっては弾数も多くないし、このフィルム高い時代に撮ってからスカとわかる試行錯誤もようやらん。
 状態も悪くなさそうで、納得の即決購入なのでした。
 カメスズさんは店構えが洒落てる、関西にはない雰囲気の店で、中古カメラも丁寧に扱って出してるようだったから、使う気で買うならいいお店なんでしょう。フィルムの在庫も豊富。

 他にも横浜・川崎の店をいくつか回って、レモン社横浜店にカメラのナニワの雰囲気を見たり、マルイシティのワットマンカメラがジャンク品豊富で面白かったり。

サードパーティレンズの非互換

 A/Pシリーズを使うにあたって、どうやら一部のサードパーティ製AFレンズを取り付けた時に、互換性問題が出る場合があるとか。

 この世代のマウントは、絞り情報伝達用の電気接点がついた。6つの接点で、絞りの開放・最小値の情報を伝える。導通・非導通の6bitで伝えてるので、マニアならレンズのマウント面見ればF値わかるのかも。
 プログラムAEをやるためには、ボディから特定のF値に絞り込む操作ができなきゃいけない。
 Kマウントはもともと「開放から何段絞っている」という相対的な情報しか伝達してなかったから、特定のF値を指すためには開放F値と、絞り込める限界値が必要になる。

 古いカメラとも互換性を保ちつつプログラムAE対応を成し遂げたんですが、限られたマウント面に1bitしか伝達しない接点を6つ並べる、という効率の悪い設計は、より電子化が進むAF時代には許されない。
 AF機のPENTAX SFX登場とともに、レンズ側にはICチップが内蔵されて、ボディ側とデータをやり取りするようになり、接点はその信号を伝えるためのものになりました。
 ここで、ICチップを読めないA/Pシリーズボディにつけた場合も、必要な情報が渡されるように接点を工夫してあります。P30NとかTを長く売ってたので非対応じゃまずかった。
 この後方互換の仕組みはあくまで純正の責任でやってるので、オミットしてるサードパーティレンズもある、と。

 シンプルに「シグマのAFレンズはダメなのがある」と聞いてたので、SIGMA ZOOM 70-210mmF4-5.6 UC-IIをProgram Aにつけてみて、キャップしたまま露出計を作動させてみると、プログラムAEはF1.2・2秒という露出を算出している。
 確かに開放F1.2のレンズだと勘違いしている。
 開放F値の認識がおかしいならだけならいいんですけど、Kマウントの絞り駆動は「開放からn段絞った位置まで絞りレバーを駆動する」のはずなので、開放を明るく勘違いしてたら全部アンダーに撮っちゃうはず。

 手元にあるレンズを試してみた限り、シグマのこれだけダメですね。
 タムロンA09・178D、トキナーAT-X280AF PRO・EMZ130AF II、コシナ19-35mmF3.5-4.5といずれも、ちゃんと開放絞り値は認識しました。
 とはいえ、会社だけで判断できるかはまだなんともいえない。
 まずいことに、A/Pシリーズでプログラムオート時、ボディがどのF値を使おうとしているか確認できるのはSuper AとProgram Aだけ。うーむ。

ズームが動くとどうなる?

 KAマウントの電子接点による絞り情報伝達って、ズームで開放F値が変動する場合はどうなるんだ、と。
 ズームリングが動くと特定の接点が出てきたり引っ込んだりして、伝わる絞り値情報が変わる……みたいな凝ったギミックがあったりして。

 しかし純正smc PENTAX-AレンズのF値変動ズームが手元になく、実際どうなるかは不明。確認できません。
 上に挙げてるAFレンズでやってみても、ワイド端の開放F値が伝わってるだけで、ズーミングしても動きませんでした。
 あくまでAFレンズの場合は、後方互換のためのもので凝ったギミックは入れられないでしょうし。

 AFレンズの中でも、コシナの19-35mmF3.5-4.5だけ、ズーム全域でF4と認識されました。
 そして純正のA ZOOMレンズでF値変動なのは、どれもF3.5-4.5。35-210mmなんて高倍率ズームもF3.5-4.5で作ってる。
 変動量を小さくしておいて中間で決め打ち、とは合理的ですけど、レンズ設計に制限が出て大変だったろうな。

(なお、MZ-M用にFAレンズを元に作られたA35-80mmF4-5.6・A80-200mmF4.7-5.6は、MFだけど情報伝達はICチップでやる例外的なレンズなので、今回の話とは別になります)


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