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大阪市旧町名継承碑・ほぼコンプリート

 前から回ってました、大阪市の旧町名継承碑。
 ほぼ全部、現地で確認してきましたよ。
 撤去されていたのが2基、立ち入りできない場所(学校内)にあって確認できなかったのが3基、単にまだ行けてないのが1基、316基を現地確認してきました。
※2021年9月21日、行けてなかった一基(西区富島町)も行ってきましたので、これで公道から確認できる317基全てをチェックできました。

 長かったなあ。最初に興味持ったのが2019年の頭だったので、2年半くらいでようやく。まあ途中で飽きて止まってた時期もかなりありますが。

旧町名継承碑とは

 大阪市内を歩いていると、白い石に緑色の金属板をつけた碑が建っているのを見かけます。
 これは、昭和40~50年代に実施された住居表示によって、大阪市各区の町名が整理統合され、現在の住所に改められた際、消滅することになった地名を後世に残すために建てられた「旧町名継承碑」というものです。
(大阪市の旧町名継承碑設置要綱が公開されています)

 古い地図などを見てみると、数多くの町名が消えてしまってるのがわかります。旧町名継承碑は、旧町域内に建てられているので、見つけたら古い地図と見比べてみると面白いでしょう。

 総数は、大阪市市民局の「住居表示維持管理事務処理要領」58ページによると、設置したのは323基だったそうです。
 大阪市に問い合わせをしてくださった本さんから、市民局作成の一覧を頂いたところ、リストにあるのは322基でした。
 リストのうち、1基が一時撤去中とありました。また、リスト内で1基見つからない碑があり、区に問い合わせたところ撤去済みだと回答されました。
 以上から、おそらく320基が現存総数かと思われます。

マップ&リスト

 所在地と写真、碑文が確認できるマップを作成してあります。

 スプレッドシートでリストとして閲覧も可能です。

参考にしたサイトなど

 ネットで調べりゃ大体何でもわかっちゃう令和の時代ですが、旧町名継承碑に関しては、大阪市や各区がリストを作成したりしていなかったようで、公的な情報は出ていませんでした。(先述の本さんの問い合わせを受けて、わざわざリストを作成してくれたようでした)

 私は当初、自力でどこまで探せるものなのかな、と、自分の足とネット情報を集めていました。
 ネットに、個人で旧町名継承碑を探して情報を公開している方が何人かいらっしゃったので、かなり参考にさせてもらいました。

 また、FOURSQUAREにも多数登録されていました。

 Twitterにも巡ってる方がいらっしゃって、ひぽ@No.19195さんのツイートを参考にさせてもらっていました。

 最終的にはまあ市民局のリストが決定版ではあったんですが、途中経過をすっ飛ばすわけにもいかないので、以上のネット情報を参考にさせて頂いたことも記しておきます。

学校内にある碑について

 学校・幼稚園内にあって、部外者が立ち入りできず碑を確認できないのが3基ありました。

・西区 西九条小学校(朝日橋通一~三丁目)
・東淀川区 大桐小学校(北大桐町)
・西成区 玉出小学校(姫松通一~四丁目)

 以上三基が、学校内にあると情報があったものの、周辺道路から確認できないらしいものです。(学校に建てられた碑は多数ありますが、大部分は敷地外周に外向きに建っていて、道路から読めます)
 玉出小学校のものは、あるのは見えているのに内向きに立っていて碑文が読めませんでした。他の二つは存在自体が見えませんね。

 学校に問い合わせて許可を得て見に行くしかないかなあ、とは思うんですが、コロナ禍もあるし、ちょっと迷惑な感じもあるな。
 もし保護者の方や先生がいらっしゃったら、設置場所の周囲がわかる写真と、碑文が読める写真をご提供いただけると幸いです。

撤去済みの碑について

 港区の「三条通一~四丁目」の碑は、大阪市市民局によると一時撤去中とのことでした。
 築港2-8-24にかつて港湾局本庁舎があって、その敷地内にあったのが2013年9月のGoogleストリートビューで確認できます。土地ごと民間に払い下げられてしまったようで、現在は株式会社上組大阪支店になっています。

 大正区の「新炭屋町」の碑は、落合上渡船場の大正区側にあると市民局からのリストにあったんですが、現地で見つからず。
 大正区に問い合わせたところ、撤去済みであると回答を得ました。

 中央区の「豊後町」の碑は、2020年から周囲をフェンスで囲われていて、一応隙間から見られるものの正面から読めません。
 なんの工事か不明なんですが、もしかすると碑の撤去や移動があるかもしれません。

 大正区の「新千歳町」の碑は、碑自体はあるものの、碑文の金属板が紛失していました。大正区には連絡済みです。

 また、設置総数は323基という文書がある一方、市民局から頂いたリストが322基と、1基ズレがあります。
 撤去されているか、リストに漏れがあったか、何がズレの原因なのかはわかりませんが、もしリストにない碑の情報が何かあれば、教えていただければ幸いです。

旧町名継承碑めぐりのススメ

 あまりお金のかからないレジャーとして、旧町名継承碑を巡ってみるのもなかなか楽しいものかと思います。こういうの全部巡らずにいられないタイプの人いるでしょ?
 まずはお住まいの区にある碑をコンプリートしてみるとか、適度に目標設定して巡ってみてもいいかと思います。
 テクテクライフみたいな位置ゲームやりながら巡るのもいいですね。

 大体の碑は、鉄道と徒歩で回れる場所にあります。
 中央区なんてそこらじゅうにあるので、用事ででかけるついでなどでもかなり巡りやすいと思います。
 天満橋を北区川に渡ってすぐ、ボーナスエリアみたいにずらっと並んでたりもします。

 回りづらいのは大正区。鉄道網が弱い区なので、バス利用になります。
 西淀川区も、駅から非常に遠い上に、工業地帯で本当に周囲に何もないような場所にあるので、なかなか行くのが辛い。
 旭区も、かなり駅から遠い上に散在していて効率的に回れない感じ。
 難易度が高いのはこの3区ですね。私はスクーターで回りました。(車で回るのはさすがに迷惑だと思うのでおすすめしません)

銘板の劣化について

 銘板は耐候性の高い金属板なんですが、どの碑も設置から20年以上経過していて、かなり劣化しているものがあります。
 材質的にあまり耐摩耗性が高くないみたいで、公園とかで頻繁に触られてたりすると擦り切れて読めなくなるんです。

画像1

 カメラで撮っても全然読めない。肉眼でも厳しいレベルでした。

画像2

 しかし、デジタル一眼で撮影してあると、こうやって強引に画像処理をすればギリギリ読めるようになることもあります。コンパクトデジカメやスマホの写真だと、どう処理しても全く読めないままだったりしました。
 碑文までしっかり記録したい場合は、古い型でもいいのでデジタル一眼を持っていくといいかと思います。


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