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PENTAX-110レンズはデジタルの夢を見るか?(E-M5 Mark II・Pixco PTX110-m4/3)

 いやまあ夢も何も、マウントアダプターあるんですけどね。

 結構前にハードオフで見かけて買っていたPENTAX auto110(参考)でしたが、あいにく巻き上げがダメみたいで。(修理情報が今見つかったけど、私の不器用さでどうにかなるだろうか?)
 じゃあこのレンズ、PENTAX-110 24mmF2.8のレンズだけでも……と思ってマウントアダプターを調達。
 ボディは、110フィルムとほぼ同じ撮像面サイズを持つマイクロフォーサーズがぴったり。

ボディ側の設定について

 E-M5 Mark IIのようなm4/3機でオールドレンズ、定番のようでいて私は初めてなんですけど、ちょっと最初は戸惑った。

フォーカシング関係

 まず、EVFで見ても思った以上にピントがわからない。
 まあ、一眼レフでもAF用マットスクリーンじゃ難しくてフォーカスエイド(AFセンサーがピント合ったときに反応するやつ)使うので、別にEVFの見えが悪いからダメってんじゃないですが。
 EVFだと、ファインダーの拡大表示とか、ピントが合ってるところにエッジ強調処理を入れるピーキング機能を使いたい。
 しかし、それをE-M5 Mark IIでどう設定するかわからない。
 メニューの「カスタムメニュー」→「AF/MF」に「MFアシスト」とあって、そこにピーキングと拡大はあるんです。
 ところがこれは、通常のm4/3レンズをMFで使おうとしたときに反応するようで、オールドレンズだと「MFで使ってる」と認識されない。

 あれこれ考えた末に、やっとわかった。
 「カスタムメニュー」→「ボタン/ダイヤル/レバー」→「ボタン機能」から、適当なボタンにピーキングや拡大を割付できます。
 私は標準でHDRが割り付けられてたFn4に拡大を、プレビューボタンにピーキングを割り当ててみました。

 それから、オリンパスのピーキングは反応する範囲がけっこう狭いみたいで、ちょっと暗かったりコントラスト低かったりするとピークが出なくなりがちでした。
 これは、「カスタムメニュー」→「表示/音/接続」を3ページ目までめくると「ピーキング表示」があります。(こんなんMFアシストのとこに入れておくべきじゃないの……?)
 ここで「ピーキングレベル」を「強」にすると、ピークが出やすくなります。ピント合わせの正確さが落ちるとは思いますが。

 正直PENTAXと比べると、あまりスマートじゃない感じしちゃったなあ。
 PENTAXは、まずAFレンズとMFレンズをボディが区別して動作を変えます。AFレンズはROMチップが入ってるので、ROMがないならMFレンズって判別できちゃう。紙筒とビー玉の手製レンズでもMFレンズってわかります。
 で、AF時は測距点選択が割り当てられてるOKボタンが、MF時にはライブビュー拡大になるんですよね。(MF時にもAF測距点選択できちゃうのがE-M5 Mark IIの動作でした……)
 そしてシャッターを半押しすると拡大が解除される。(これはオリンパスもそうなります)
 しかもレフファインダーで使えばフォーカスエイドが効く。使いやすい。
 まあ、電子接点もないMFレンズが取り付けられること自体がイレギュラーなm4/3機と、同じマウントだからMFレンズを当然に取り付けられるKマウントでは事情も違いますけれど。

手ぶれ補正用レンズ焦点距離について

 OLYMPUSはボディ内手ぶれ補正があるので、PENTAX同様にオールドレンズであっても手ぶれ補正が効く、はず。
 しかし、手ぶれ補正に必要な、レンズの焦点距離を聞いてこない。あれ?

 PENTAXだと、AFレンズならROMチップからレンズの焦点距離を読み取ります。読み取れないMFレンズの場合、スイッチ入れたときに焦点距離を聞いてきます。
 オリンパスは、メニューをざっと探しても見つからない。

 やっと見つけたのは、「カスタムメニュー」→「レリーズ/連写」→「手ぶれ補正」、はい、ここまでは見るよ。
 さらにそこから「静止画」の詳細を出したら、その画面下に「レンズ焦点距離入力」があった。画面下にあるけど右キーを入力したら、やっと焦点距離入力に到達。
 いやこれ変更がめんどくさすぎるぞ……。

実写

 さて、設定にひと悩みして、実際に撮影に出ましたよ。

新宿ごちそうビルの隣の新宿ビルの裏側。なんか好き。なお場所は天王寺駅東口の向かいです。

 見事に「オールドレンズで撮りました」って感じになりますねえ。
 端の方は明らかに写りが甘いし、全体的に少しモヤっとしたような写りで、色が浅くてコントラストが低い。
 KマウントのAPS-C機でTAKUMARとか使っても、ここまで古臭い写りしないと思うけどな。やっぱり周辺部がカットされてはダメなのかな。同じセンサーサイズで使ってこそなのか。

 それと、あえてスカイライトフィルターなどという古臭いフィルターをつけているので、ホワイトバランスは基本、AWBではなく太陽光に固定しています。かすかに青みが減るようなフィルターなんですけど、AWBじゃ効果が消えちゃう。
 スカイライトを常用するなんて大昔の風習をあえてそのままで、レトロ感をブーストだ。

オニタビラコ

 PENTAX-110 24mmF2.8は、最短が35cm。換算50mmくらいの標準にしては寄れるかな。
 なお、PENTAX-110レンズは、レンズ側に絞りがありません。ボディ側に絞り兼用のシャッターがついてました。レンズだけだと絞り解放でしか使えないですね。

かに。このカットは少し色変えたりかすみ除去したりしてます。
ヤマボウシの実ですね。

 24mmとはいえF2.8なんで、寄るとそれなりに背景にボケが出ますね。正直あんまりよいボケじゃないとは思いますが、そのボケの荒さもレトロ感あふれる写りの一因でありそう。

ヒメモロコシという植物らしい。セイバンモロコシによく似てますが、セイバンは穂の先にピっと芒が伸びてる。

 このへんから大山崎町に来てます。

 樽型に歪曲してるかなあ、と思ったけど、そうでもないか。

 ここから、ギャラリー・ナダール大山崎で、私も一品出してる「名刺判写真展」を閲覧。すごい額が見れるぞ。

 日が沈む前にナダールを出て、ちょっと行ってみたかったところへ。

 「ねじりまんぽ」で知られる円明寺架道橋。
 明治時代に鉄道が通ったとき、このあたりでは当時からかなり高く盛り土をして線路を引いたようで、トンネルをそこらじゅうに作っていました。
 そのうちの一部に、トンネルが線路に対して直角に掘られていないものがあり、その場合、トンネル上部のアーチ部のレンガを、線路に対して直角になるように積んであると。トンネル側から見ると、レンガが斜めに積まれている。

 ストロボ持ってっておくべきだったな。
 ともあれ、知らなきゃ一生見ることもないタイプの珍しいものなので、見に行ってみるとなかなか興味深い。

無人販売の野菜や芋はまだしも、バラとは風流だ。

 この辺から日が沈んできたので、ホワイトバランスはAWBにしてます。

すっかり機を逃したと思ってた秋桜が、まだまだ咲いていた。
なぜか藪に埋もれるようについているガスメーター

 ちょっとぐるぐるボケっぽくなるのかな。

まとめ

 いやー、正直このレンズ、物珍しさで1回撮ってみて終わりかなあと思ってたんですが、すごくわかりやすくオールドレンズ感たっぷりの写りが出てきて、これはいいなあ、と。

 ヤマボウシの実をピクセル等倍で切り出して、ピント合ってる中央部近くの写りを見ると、また絶妙に「良くはないけど見苦しくはない」みたいな。
 私にはこれがすごくちょうどよく見えるみたい。
 これは普通に実用品として愛用しちゃいそうだな。換算50mmくらいの焦点距離だから、これ一本で撮り歩くのに困りもしない。

 他にもauto110用のレンズは色々あるな……とはいえ見つけられるかどうかの話になりますけれど。

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