心の胃袋を鷲掴み。女の生き様、中国ドラマ「尚食(しょうしょく)」
これは働く女の生き様の話。
「手を動かし身につけた技は 誰にも負けない己だけのもの。たとえ遠回りでもそれが幸せ」
「琴棋書画や刺繍に料理はどれも道具。道具は手放せる。「華厳経」の一節に“三世一切の諸如来は初発心を守る”とある。初発の心を手放すなと母は言ったのよ」「厨房で鍋をかき混ぜるにも(怪我でもう)私の右手は動かない。ならば行ける場所へ行き できることをするだけ」
副題が「~美味なる恋は紫禁城で~」とかなっているけど、舐めてかかると大間違い。皇帝の厨房を担当する尚食局の厨士(料理女官)が主人公。専門家たちが監修・調理した料理シーン&美食の数々は、シズル感あり、繊細で美しく趣向に飛んで文化的。ボーッと見始めたけど、意外にも料理部分だけでも結構見応えがあり、まずそこで心の胃袋を鷲掴みにされた。
ドラマの大筋としては、尚食局の女官と皇太孫の宮廷ラブストーリー。尚食局の新入女官 姚子衿を呉謹言(ウー・ジンイエン)、皇太孫 朱瞻基を許凱(シュー・カイ)。このコンビ、実は大ヒットドラマ「瓔珞(エイラク)」で悲恋に結ばれなかった組み合わせ。そのドラマスタッフが再集結して、主役陣も再共演という瓔珞ファン(つまり私)に堪らない構成。
尚食も瓔珞も、頭脳明晰な女主人公が己の身ひとつで成り上がっていく話なんですが、一筋縄ではいかない、賢く聡明で筋の通った女というのがウー・ジンイエンにぴったり!
権力争いを発端にした諸問題に機転を利かせながら乗り越えていく様は、痛快だったり共感できたり。この手の役は、彼女の十八番だなーと思います。ちなみにシュー・カイは今をときめく若手俳優(現在27歳)の一人で、最近も大女優ヤンミーと共演したバリキャリ年上女×オタク年下男の「愛的二八定律」話題。ちなみに身長187㎝!
尚食局は女官しかいないし、宮廷に後宮の女達は欠かせないので、女主人公の同期をはじめ、とにかく色んな女が出てくるわけです。それぞれに生まれ育ちが違うからこそ、得意分野が違う。それを生かせる者、技巧に凝り過ぎたり、目先の欲や嗜好に囚われる者、厳しいけれど義理堅い者、策略を仕込む者。舞台は違えど、切磋琢磨する我々の日々と重なる部分があり、異国の宮廷物語なのに、何だかグッと親近感。仕事でちょっとクサクサしていた時に見ていたら、元気出たりする(した)。手に職、学びを怠らず、やるべき事をやろう…という理想的な自分がムクムク湧いてくる。
前向きな方向で話がまとまってきたな。
ちなみに、これ実話に基づいた話。シュー・カイ演じる朱瞻基は明朝の第五代皇帝 宣徳帝として1425-1435年に在位。と言うとちょっと結末が分かってしまうのだけど、しっかり面白いので無問題です!
現在WOWOWで放送中。2/2までとオンデマンドの期限表示が出てきたので、それ以降は他のサブスクにも現れるかもしれないし、現れないかもしれない…
しかも意外なことにWOWOWの人気ランキング月間5位にラインクイン!私は大好きですが、中国ドラマって日本人の賛同を得難いジャンルだと思っていたのにWOWOWの民に祝福あれという気持ち。
ちなみに「瓔珞(エイラク)」は、U-Nextで視聴可能。こちらは皇后様役の秦嵐(チン・ラン)が菩薩のような美しさなのですが、チン・ランと言えば、今をときめく王鹤棣(ワン·ホーディー)と共演した、バリキャリ女×年下男「理性的な人生(原題:理智派生活)」もおすすめ(on Netflix)。
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