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学校単位の募金は必要か?

結論:不要。経済的な支援の必要な家庭が寄付を募られるのはおかしい!

募金をして困っている人を助けようとすることは、とても良いことだと思います。
しかし学校でお金を募るというのは、貧困状態にあるお子さんへの配慮が欠けているのではないかと考えています。

なぜなら自分の友だちは募金をしているのに、自分の家にはお金がないという理由で募金できないこともあると思うためです。
そして劣等感を覚えてしまうことも考えられます。


加えてクラスでお金を集めるときは匿名で任意でも、休み時間に友だち同士で募金をしたかどうかの話にもなります。

子ども時代の募金エピソード

みなさんは子どもの頃、学校での募金活動はありましたか?

私の学校では厚紙を配られ、それを折り線の通りに折ると六角柱の募金箱が出来るというものがありました。


募金箱イメージ

これを各々が家庭に持ち帰り、お金を入れて学校に持って来ます。

そこでいくら募金したかという話になったこともあります。
また、誰かが教卓に提出した募金箱を持ち上げ、「○○さんのは重い、○○さんのは軽い」と言うクラスメイトもいました。

さらにそれに対して、「自分はお札を入れたから軽いんだ」と言い返す人もいた記憶があります。

クラスでの出来事がとても大切な子どもだち

大人になると職場やプライベートでの人間関係、習い事と、幼少期よりも多くのコミュニティに所属しているという人も多いかもしれません。
また、1人の時間を有意義に楽しんでいるという方もいるでしょう。

しかし、子どもにとってクラスでの出来事はとても大きなことです。
人によってはクラスの世界が全てという子も、そんな時期もありますよね。

もちろん500円玉1枚と100円玉5枚の物理的な重さは違えど、金額は同じです。
それでも「募金箱が軽い」と言われたら、恥ずかしいと感じる子もたくさんいるでしょう。
その上、誰がどれくらい募金した(ように見える)かということは、子どもたちの間で共有されて広まる情報になり得るのです。

そのため募金ひとつ取ってみても、各家庭の経済状況や価値観の違いが現れて認識されるという点で、貧困状態にある子どもが劣等感を抱きやすいことだと考えます。

確かに大きな募金箱に、入れたい人が入れるという仕組みも実現できるかもしれません。
しかしそれでも、「職員室前の募金箱にお金入れた?」という話にはなるはずです。

そしてそれを他人に広める人も出てきます。
大人同士でも、噂話を広めまくる人は大勢いますよね。

じゃあ、募金廃止の後はどうするの?

家庭が貧困状態にある子どもが、募金という慈善活動で劣等感を抱くことは避けるべきだと思います。

そこで学校では、募金の制度や募金箱が置かれているお店などを教えるのと同時に、お金を渡さなくとも出来る人助けの方法を紹介すれば良いと考えました。
それによってより多くの人が、学校で教わった、善意の気持ちの表現をすることが出来ます。

このパターンだと、「最近募金した?」という話になっても「募金っていう形ではないけど、下級生が困ってたから助けてあげた」という会話への参加が出来るようになるのではないでしょうか。

やり方を少し変えるだけで、様々な状態の人がその社会への参加が出来るようになれば良いなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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