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2022年に印象に残った縄文を振り返る

2022年に見に行って印象に残った縄文をツイートを中心にまとめました。

オープンしたてで見てきた陸前高田市博物館のせき坊くん。顔が彫刻された石棒は他に類例がない上に可愛いキャラクターになっていたのが嬉しかった。

横浜市歴史博物館の常設展示で見れる本場(西日本)顔負けの大歳山式土器。横浜で西の風を感じた。

根室のこの初田牛土偶も会いたかった土偶。よく見るとレオタードというよりもターザン後藤のワンショルダーのコスチュームのようだ。

中標津町郷土館の続縄文時代の土器に付けられたカエル文も印象に残っている。本当にワンポイントだけで、本物のカエルが張り付いているようにも見える。

東北大学所蔵の中沢目貝塚の土面も今年見る機会があった。それも二度も。復元部分は多いけど、マジカルさでは縄文爺代の土面の中でもちょっと類を見ない土面だ。

取材で訪れた静岡県富士宮市埋蔵文化財センターで見せてもらった井戸尻式土器の一部、復元されていないものだけど、一部だけでも、ああすごい土器だなとわかる。

静岡県の長泉町文化財展示館に展示されている柏窪遺跡の五領ヶ台Ⅱb式。惚れ惚れするフォルムと細かな文様。品が良すぎる。

シブノツナイ竪穴住居跡も行きたかった場所。縄文から続縄文、擦文、オホーツクの竪穴住居の跡が窪みとして今も残っている場所。 あたりには本当に何もない。ただただこの竪穴住居跡だけが賑やかだ。

新潟の草創期の土器。室屋洞窟。注口の上の左右にある小さな二つの突起が繊細で可愛いのです。

神奈川県立歴史博物館にある顔面。顔面把手か土偶の頭部かわからないけど、いずれにせよでかい顔。

今年の「発掘された日本列島展」では井戸尻考古館の土器がフィーチャーされていたのですが、あらためてこの九兵衛尾根遺跡の土器がすごいなと。井戸尻にいた時にはあんまり注目していなかったのに。

釈迦堂の企画展で見た、前付遺跡のてらたん。すんごくふにゃふにゃな土偶だけど井戸尻の始祖女神像と同じデザインをしている。ふにゃふにゃだけど。

こちらは北海道で見た石刃鏃。他では見れない。行かなければ見れない。約8000年前の東北アジアでは石刃鏃文化という共通の文化があったのだという。

今年は礼文島に行けた。それだけで良い年だった。 ここにも縄文時代の遺跡はあって、船泊遺跡は復元された女性や多くの出土品で有名な遺跡だ。

礼文島はオホーツク文化にとっても象徴的な場所だった。ここでオホーツク文化にふれたことはすごく意味があったように今では思える。婦人像、クマ、このキーワードは重要だ。

網走市にあるモヨロ貝塚はオホーツク文化の代表的な遺跡。オホーツク文化を見て回るのには外せない場所だ。大きな石のクマが出迎えてくれる。

北海道羅臼町郷土資料館の熊頭注口木製槽。これもオホーツク文化のもの。今年はオホーツクの資料を現地で見れた。

井戸尻考古館のたくさんいるエースたちのいくつかが全国ツアーに回っている間、展示されていたこの曽利式土器も「おおっ」となった土器の一つだ。

岩手北上市博物館、八天遺跡の大型イノシシ型土製品も復元がすぎるけどめちゃくちゃ印象に残っている。

奥松島縄文村歴史資料館の企画展で見た北小松遺跡サメの歯の並ぶ棍棒もやばかった。残りが良いものではないけれど。

釜石環状列石というストーンサークルから出土したバレー部に所属してそうな遮光器土偶。遮光器土偶にしては背が高い。

蛇王洞Ⅱ式。この土器は古い図録で見て一度見てみたいな〜とぼんやり思ってたら見れた土器。ぼんやり系の言霊です。

山梨県県立美術館の縄文展は色々と最高でしたが、展示されている土器の中、見たことがなかったこの甲州市の土器に釘付けだった。

石鳥谷歴史民俗資料館のくまちゃんも楽しかった。キャラとしてかわいいです。ここにはエノキ茸人と噂される変な土製品があるのでこちらも必見。

東北大学所蔵の石巻市沼津貝塚の人面犬も一度は見てみたかった資料。お尻のあたりとか、思った以上に不思議な造形をしている。しかし面白えな…縄文人。

今年一番慄いたのはこの群馬県の八ッ場ダムの遺跡、石川原遺跡出土の頭が土器で身体が土偶の、土器頭土偶の助(勝手に命名)。なんだこれは!

2022年、個人的な優勝はこの沼津貝塚の骨角器。縄文時代の不思議さと技巧性と実用性の全部がここにある。ずっと眺めていたい骨角器の数々でした。

2022年に見れた縄文のさまざまなものも印象深いものばかりでした。どんなに見て回っても驚きと感動があるのが縄文巡り。再訪したところだって以前には気がつかなかったポイントに気づくのも楽しい。
世の中には楽しいことがたくさんあるかもしれないけれど、縄文巡りはほんと楽しいですね。
来年もまたどんな土器や土偶に出会えるのか今から楽しみです。

それではみなさん、2023年、考古館で会いましょう!

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