見出し画像

『大菩薩峠』より――《人間のすることに、人間が干渉してはいけない》


「わたしたちが住まうという世界は
 愛情の自由を与えることばかりではありません。
 有形にも 無形にも
 人間のすることに 決して人間が干渉してはならないのですよ
 圧迫してはならないのですよ
 
 そこには 服従の卑屈があってはならないように
 勝利の快感も あってはならないのです」


ー-------------------


仏教では、物を物として見るのではなく

そこに込められた思い 魂こそが 見つめるべき対象であると

よくいわれる。

ー-------------------

古い小説『大菩薩峠』は 菩薩のように

怒りもなく 笑みもなく そこに漂う風、 そしてむした苔のようだ。

在ること。それだけを感じる。

ふと、子供のころ、漠然とわかっていたことを

思いだしてみてほしい。