変化は必ずグラデーション
「この間中学時代の友達と久しぶりに会ったら、『なんか変わったね』って言われたの。なんだかすごいショックだったんだよね…」
8年以上定期的に会っている友人が落ち込んでいた。
恐らく「私と違う世界の住人になってしまったんだね」とか、「距離を感じるわ〜」みたいなニュアンスが含まれた言い方をされたんだろう。
「今まで甘めのOLみたいな服装してたのに、スエットとゆるめのパンツスタイルで会ったからそんな風に言われたのかも。でもさ、最近は韓国っぽいファッションも流行ってるしこういうのも可愛いのにね」
そんなふうに早口で喋る友人をみて、私は「昔からちっとも変わってないのに」なんて思った。
私と同じでファッションが好きで、デザイナーをしている友人。そりゃあ流行にも左右されるし、10年も前の服と同じテイストの服を着続けるデザイナーなんているわけないだろう。
服装のせいでそう言われたのかどうかの真相はわからないし、私には『なんか変わったね』の真意なんてわからないけど、
落ち込んでいる友人をどうにか励ましたかった。
「月1くらいで会い続けてる私にはあなたが変わったなんて全然思わないけど、長い年月で見たら変化があって、久々に会った友達だと大きな変化に感じちゃったんじゃない?
良い意味でも悪い意味でも自分自身の変化って気づかないんだから少しはドキッとするよね。変化って普通、グラデーションみたいなものだからさ。」
こういう時、スラスラとそれっぽい言葉が出てくる自分に時々びっくりする。
なんかかっこつけてしまったかしら。でも自然に出てきた言葉なんだ。
「変化はグラデーション…!!
確かにそうだよね。honoちゃんと話すと本当に元気でる。ありがとー!!」
そんな風にすんなり気を取り直して違う話を始めた友人を見て、「そういうところ、やっぱり昔から全然変わってないじゃーん!」って笑ってしまった。
変化はグラデーション。自分で言っておいて、なんだか深いかも。とか今更思ってしまう。
急激な変化に人は拒否反応を示すし、怪しく感じるし、不快になる。
そんな事実があるのに、それって結構みんな忘れがち。
コロナが流行った当初の突然始まった自宅隔離もだいぶストレスだったし、
新学期だって大抵ストレスだし、気温の急激な変化に体調を崩す人も多い(私)。
生きていれば変化なんて必ずぶち当たるというのに、対応が苦手な仕様になっているなんて。
一体人間を作った人(?)は何を考えているんだろう。現実の世界にいたら絶対仕事できない奴だよなあ。
人って脆いし、壊れやすいなと最近よく思うようになった。
昨年自分がすごく体調が悪く、精神的にも弱っていたせいか、以前よりも人の痛みとか辛さに共感できるようになった気がする。
2年前の私なら、「いけるよ!がんばろ!ね!!!」みたいな根性だけで生きてる人みたいなアドバイスしかできなかったかもしれない。
こういうのも、1年かけてゆっくり培った私の変化だ。
自分も周りの人も、日々ゆっくり変わっていること。
それをゆっくり受け入れること。
拒絶しないで、認めてあげること。
認められなくても、自分の気持ちの変化のスピードを受け入れてあげること。
大切な人を、友人みたいに傷つけたくないからこそ
「変化はグラデーション」だって忘れないでいたいなと思う。
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