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「北海道独立」を考える

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

大阪都構想の住民投票が11月1日に迫ってきましたが、この際、北海道も日本の中央政府から、距離を置く方が面白いのでは?と思いました。完全な独立国家とするのではなく、EU各国の様に、ある程度の自治権を持たせる構想です。そのメリット、デメリットについて考えたいと思います。

1.北海道の歴史

北海道が日本の国土として管理が始まったのは、江戸末期から明治初期で、南下してくるロシアを押しとどめるためです。周辺の樺太(サハリン)、千島列島は日本領とロシア領の間を行ったり来たりで不安定な状態であったが、北海道だけは日本が死守しました。

第2次世界大戦の敗戦処理で、ロシアは北海道を領有を主張したが、アメリカの強硬な反対で、難を逃れる。北海道周辺は、日本とロシアの領土拡張合戦の最前線であった。ロシアが北海道に固執したのは、太平洋へ進出する海路を確保するためである。何故なら、オホーツク海は流氷が発生するので、その間、北海道以北の海路が使えなくなるからです。

現在は、ロシア経済の弱体化で、太平洋に海軍を派兵する余力が無くなり、ウラジオストックに専守防衛用の艦隊が駐留している状態です。

北海道周辺の地域は、元々、アイヌ民族を中心とした少数民族が暮らしていました。彼らは両大国の間で、領地を翻弄された先住民です。その当たりを知るには、マンガ「ゴールデンカムイ」がお勧めです。

戦前は、倭人(日本人)、アイヌ、革命から逃れたロシア人が一緒に住んでました。プロ野球選手の鉄腕スタルヒン(通算303勝)は、旭川出身で甲子園を目指していた球児でもありました。

2.ロシアとの長い付き合い

この地では、日露戦争のように激しいドンパチは少なく、比較的友好的な関係を築いてました。戦後も、「北方領土問題」で右翼が騒いでいたが、北海道人の本音は、居住地としての興味は無く(釧路から東は夏でも寒いぐらい)、欲しかったのは漁業権ぐらいでしょう。

よく大量のカニを抱えたロシア人が、中古車や古タイヤと物々交換してました。彼らはカニを好んで食べないようである。鈴木宗男議員がロシアとの橋渡しをすべく動き回っていたが、「余計なことをするな」と自民党を追われました。

実はロシア人は日本人が好きで、プーチン大統領が柔道の達人なのは知られた話。これには諸説あるが、ロシアは中国人に散々騙されてきたので嫌いだが、日本人は約束を守るので好感を持っているとか、ハイテクの日本製品に憧れがある(実際に日本の中古車が多く走っている)などが理由らしいです。

しかし、日本は日米安保の関係上、ソ連時代から仮想敵国のイメージを持っています。なので、ロシアの方恋慕のままです。これは、なんだかもったいない気がします。

3.領土問題が解決するはずが無い

日本政府は、この問題に固執しすぎている。ロシアの側に立って考えてもらいたい。彼らは、世界一長い国境線を持っているのだ。そして、南下政策の歴史で国境紛争を多く抱えている。クリミア半島が良い例です。

もし、日本との間で国境が現状から変化すれば、世界中で「何故、日本とだけ」ともめるのは必至。特に長い国境線を接している中国(領土拡大の野心を未だ持っている)への警戒感も強く、ハイそうですかとは、いきません。沖縄みたいにリゾート化できる地ならともかく、メリットの少ない領土をもらっても、人口が減少する日本では移住希望者も少ないし、維持費がかかるだけでしょう。

それよりも漁業権を分けてもらった方が利口でしょう。ロシアも今更、太平洋に覇権を求める意味は無いでしょうし、おぱぴー(Ocean Pacific Peace)構想に参加させ、中国覇権封じ込めに協力してもらった方が、お互いのためです。

現在、ロシアは国際的に孤立しているので、仕方なく中国と手を組んでますが、本心は嫌いなため、日本との国交正常化を望んでます。しかし、日米安保を警戒し話が一向に進まないのです。

4.北海道を独立させる意味

幸い、北海道にはアメリカ軍基地がないので、独立国にしてロシアとの橋渡しにするのが面白いと思います。サハリンとの間に天然ガスのパイプラインを引き、ロシア極東の開発に協力すれば、北から中国へにらみをきかせることができます。サハリンと大陸間の間宮海峡は、最も狭いところで7.3kmなので、日本の技術で橋を架けてみても面白いかも知れません。

一体一路では無く、シベリア鉄道を近代化すれば、もう一本の東西の重要な回廊ができます。こっちの方がコストもかからないでしょう。対中国包囲網としても有効です。

北海道独立と言っても、北海道の自治権を強化する、道州制の実験と考えれば、新しい日本の国土のあり方も見えてくるのでは、ないでしょうか?




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