琉球舞踊を観にやってくる、90歳のおばあは元気かな
プラザハウスショッピングセンターで琉球古典芸能えんという企画をやっていた。劇場で演じられることの多い琉球舞踊や古典音楽をショッピングモールという人が行きかう場所で囲もう!というコンセプトの芸能公演だ
そして、いつの頃からかよく見かけるおばあがいた。
公演後に思い切って「ありがとうございましたー!」といってみるとまってました!と言わんばかりにマシンガントーク!とっても、元気!何歳かなーと思っていたら「私90歳だけど、元気よー。今一人で暮らしてるけど毎月これを観れるのが本当に楽しみ」と…
伝統芸能が誰かのいい1日の小さな何かになっていると思うとすごくうれしかった。
日頃は、琉球舞踊も衣装結髪をせず着流しというシンプルなカタチで演じていたが、「いつも来てくれる人に本気で伝統芸能を魅せたい」と、ある時ショッピングセンター内のギャラリーを貸し切って、舞台をつくった。もちろん、あのおばあも来てくれた。終演後に、駆け寄ってきてなにかなーと思うと5,000円と一緒に手を握りしめて離さない。
「ひとり暮らしでなんとなくさみしかったけど、本当に毎月これだけが楽しみさ!何かいいモノ食べて!」といって手を離さない…
90歳のおばあの握力、腕力は案外つよい
「うれしいけど、チケット代もいただいてるし、これはもらえないよー」という自分に製作スタッフが、「気持ちをちゃんとうけとってあげて」と一言
後日、おばあにそのお金でオープンしたての高級食パンをプレゼントしたら午前中におんなじパンを買ったらしくまったくおんなじものが2つになったという…オチあり
コロナ禍で会えなくなった
感染症拡大の最中はイベントは軒並み中止。自分たちの取り組みだってもちろん開催できなかった。そんな中、大学院修了。学生イベントとして実施していたため自分自身出演することもなくなった。
あれから数年、元気かな…
いまでも、沖縄県内のプラザハウスショッピングセンターでは、学生たちが琉球舞踊と古典音楽を毎月実演している。自分たちが立ち上げた企画を後輩がつないでくれるのはうれしい!たまに応援にいくものの、あのおばあはいない。元気だと、いいなぁっていつも写真を観るたび思い出す。
琉球古典芸能えん、学生がんばっています!