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体育教師を目指していた自分と琉球舞踊の出会い

神奈川県出身の私と伝統との出会いは、日本体育大学に在学していた頃

張り詰めた中にも、どこかゆるみのあるようなやさしくて - あたたかな歌声と旋律

抽象的な所作の連続なのに、琉歌(りゅうか)を知れば知るほど、 - 写実的にもみえてくる不思議な舞

その音楽、踊り、歴史を知れば知るほど心が揺さぶられました。

琉球舞踊 諸屯
写真:桑村ヒロシ
琉球舞踊:髙井賢太郎 歌三線:親川遥

「これを学ばなければ、後悔する!」

日本体育大学で体育教師を目指していたはずが、琉球古典芸能コンクールでの新人賞受賞を皮切りに、沖縄県立芸術大学大学院と国立劇場おきなわ組踊養成研修に取り組むため、沖縄に移住

3年に1度の組踊養成研修と沖縄県立芸術大学大学院を経て

組踊研修は、「組踊」の保存継承を図ると共に将来にわたり興行的かつ定期的な組踊の公演を行いうる、質の高い優れた若手の立方・地方を確保すること、および、演者の技芸向上を図ることを目的に実践的なカリキュラムのもとに行われています。人間国宝をはじめとする各分野の第一人者が講師として直接指導を行っています。
 この組踊実技研修の他、技芸の幅を広げるため、各自の専攻とは異なる舞踊や楽器について学ぶ副実技や組踊の演者として必要な発声方法や身体作り、作法等について知るための基礎実技研修も実施しています。

国立劇場おきなわHP - 組踊研修概要より
https://www.nt-okinawa.or.jp/kumiodori-trainee/training-overview

国立劇場おきなわ組踊養成研修の5期生として3年間、同時に沖縄県立芸術大学大学院にて学ぶ日々。

沖縄での暮らしは、目の前にある景色、地域に根ざす文化、そこにある”当たり前”なものすべてが自分にとっては”初めて”の連続でした。

できない自分、知らない自分、よそ者の自分

願っていた日々は楽しくも、挫折ばかり。地元から遠く離れた場所での暮らしで、改めて「これまで沢山の人に支えられてきたんだ」ということを実感しました。

琉球舞踊 髙井賢太郎

芸能の魅力は? “人“ 

もちろん芸能が好きな理由なんて「この音楽の旋律が好き」「この組踊のストーリーが好き」など...様々でしょう

沖縄では、街を歩けば三線の音が聞こえ、結婚式ではほぼ必ず琉球舞踊やエイサーを囲み、各地域では老若男女問わず伝統行事に取り組みます。

人々の生活や暮らしのとなりに伝統芸能があるからこそ、この土地で暮らす人は、心豊かです。

いつの時代も変わらないような教えや人としての学びがあるというのはもちろんのこと、人によって演じられ人によって伝えられる芸能は人と人を繋いでくれる

そんな”人ありき”なものこそが伝統芸能

同世代で芸を磨く仲間がいて、先輩がいて
舞台を観に来てくれる人がいて
ご飯をおすそ分けしてくれる隣の家のおばあがいて
本土で沖縄に導いてくれた師匠、見ず知らずの自分に泊まり込みで踊りを教えてくれた師匠がいて
地元から応援してくれる友人がいて
両親がここまで育ててくれて

芸能あったからこそ1人ではない!本当に自分は幸せだ!と実感できます。

だからこそ舞台が好きで、この芸能が大好きです

琉球舞踊 髙井賢太郎
沖縄県立芸術大学・琉球大学・沖縄国際大学の学生による琉球芸能公演「梅花の宴」公演より

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