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熱病

狂い鳴く程の耽溺を憶えた身体は、僅かな火照りに冒される訳も無く、体内で膨らむ空虚を満たす術は、最果てにすらないのだ。
退屈を飼い肥らせただけの日々よりも、君が居ない夏の方が余っ程生を感じられた。
心臓に押し付けられた焼印の様な偏愛が、未だに膿んでいる事を、今日も君の所為にする。「言い掛かりだ」と文句を言いに来てくれる君じゃ無い事くらい、解っているのに。

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