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ゲームに求める自由度の高さはどこにある?上質なシームレス体験に期待の『Jump Ship』

オープンワールドゲームは、与えられた空間の中で自由に過ごせるのが魅力とされている。

ただ最近感じていたのが、自分がゲームで遊びたい時に求めている「自由」とは、オープンワールド的な箱庭空間の体験ではなく、全ての体験がロードを挟むことなく与えられるシームレス空間にあるのではないか、ということだ。

この度発表された宇宙を舞台にしたPvE形式のFPS『Jump Ship』では、プレイヤーが宇宙船の乗組員となり、宇宙船の操縦から惑星探索、そしてバトルまでがシームレスに行われるというアクション大作となるらしく、全てが一繋ぎに展開される点が興味をそそる。

どれだけ自由度の高いゲームにも、少なからずこれまではエリア転換やシーン転換などの際にはロードが入るものであった。しかし今作では、そういった「切り替え」の時間は一切発生しないという。全てのシーンが0秒で接続され、ソロプレイはもちろん、協力プレイでも、文字通り果てしないアドベンチャーを体験できるとのことである。

以前『Helldivers 2』のレビューでも書いたが、個人的にオープンワールドであることは必ずしもゲームにとってプラスに働くとは限らず、それに伴う負荷の大きさに伴い、要素の削除やリッチなゲーム体験を阻害する可能性をはらんでいることは看過できない。

オープンワールドは近年トレンドであるものの、必ずしもこのフォーマットを踏襲しないとウケないというわけではない。

ここに縛られるよりもむしろ、別の方向性からゲームが持つ自由度の可能性や、ユーザビリティ改善によるゲーム体験の向上というところに目を向けてみる道もあるはずだ。

楽しみ方をプレイヤーへ委ねるよりも、ある程度作り手のエゴが盛り込まれているゲームの方が、遊び甲斐が出てくるというものである。任天堂の作るゲームがことごとく大ヒットを記録しているのも、このような「職人気質」なものづくりの文化が強く根付いているからだと考えている。

ロードの発生しないゲーム体験は、実はまだまだ十分に提供されているとは言えず、これを乗り越えることで開ける世界というものは大きなポテンシャルを秘めていると感じる。

『Jump Ship』は一切の読み込みを排除することで、豊かで自由な体験をプレイヤーに与えてくれる可能性を秘めた、ユニークな作品となってくれるだろう。


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