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精神科看護師という仕事について

精神科看護師の日常は汚いことの連続だ。

暴力、暴言、汚物、嫌がらせ、奇声、罵声、盗み、破壊、自傷、自殺、拘束、セクシャルハラスメント、血液汚染、虐待、差別‥

世の中の“汚いこと“全てが存在する環境だ。そして絶対になくならない。

精神疾患とは個別性があり、罵声や奇声を発する人や音や動きに敏感な人、ありもしない声や音が聞こえてくる人等様々であり、総じて攻撃的な患者は多い。

そのため患者同士や医療従事者への暴言暴力やハラスメントが日常的に見られ、様々なトラブル対応に追われている。状況によってだが、患者や医療従事者に身の危険がある場合は医療政策として隔離拘束が行われている。

隔離拘束とは簡単に言うと患者を部屋に閉じ込める、しばって動けないようにすることである。もちろんだがそのようなことをすると患者は嫌がり、看護師に殴りかかってくることもある。看護師は患者のためだと思い、半ば強制的(一般の人から見たら暴力的に見えるかもしれない)にやってしまうことも多い。

そのようなことも仕事だと思って割り切って業務に励んではいるがふと思うことがある。

自分がやっていることはもしかしたら暴力じゃないか。

なんのためにこんなことしているのだろう。

誰かを苦しめるために看護師をやっているわけではない。

暴力紛いのことを毎日やっていると言葉には表せない黒いモヤモヤが心に溜まってくる。その黒い物はなかなか減るものではないし、どんどん溜まっていってしまう。それが大きくなると自分の仕事へのモチベーションや仕事の質に影響していき、まともに患者と向き合えなくなる。

それが現在の悩み。

患者を社会から救い、再び元の生活に戻すことができるのは僕たち精神科病院に携わる医療従事者しかいないと思う。

僕は看護師が患者にとても近い立場であり、

患者1人1人が様々な苦しみを抱えて生きていることは知ってる。

その苦しみ一つ一つ一緒に向き合ってあげたいと思っている。

今の自分には精神的にも知識や経験的にも圧倒的に不足していると自覚している。

何故ならこんな仕事面白くもないし、やりたくない。給料も安いし、やりがいなんて全く感じないからだ。

自分でもこんなこと書いていて最低な看護師だなって思う。

でもこれが事実なのだから…。

ぼくがこれから生きていくためには働かないといけないし、看護師を辞めるのはもったいない。

だから今、自分にできることはとりあえず精一杯頑張るしかないと思う。多分その先にやりがいや仕事の面白さだったり、今とは違う世界が見えてくるはずだから。

これからまだまだ長い看護士人生、医療従事者としての誇りを忘れずに生きていきます。