森博嗣『冷たい密室と博士たち』

夢か現実か怪しいうとうとの中で読了したので、shikaは結局死んでしまうのだろうかということばかりを考えながら眠りについた、ら、大学にいる夢を見た。たとえ刑期を終えて日常が戻ってきたとしても、結局死んでしまう気がする。それほどに人が死ぬ本だった。簡単に死にすぎだ。あと、飲酒運転の描写が(厳密にはないのだが、そこへの心理的ハードルの低さが※少し休んで眠気を覚ましたらいいだろう的なニュアンス)、さすが90年代だなと思った。ヘイセイショキ。

S&Mシリーズ2作目。相変わらず犀川先生は好きだがあまり人間人間しているところを見ると(萌絵ちゃんの発言に動揺する犀川先生など)、そうでもないなと思う。
職場でこの本を読んでいたら、森博嗣ですか?と言われた。病院でこの本を読んでいたら、本の中であまりにも人が死ぬので申し訳なくなった。

シリーズを読むときに、森博嗣の裏話的なのが書かれたブログ?を見つけた。身近な人の名前を借用しているらしい。そういえば、はじめらへんにある人物一覧、おそらくあれば読んでいる途中に登場人物を整理するために読み返す用のアレなんだろうけど、初めにあるとうっかり読み始める前に読んじゃう。今回は「ムカイコウジ」さんがいる…だった。漢字は違ったけどね。

冷たい密室と博士たち。
英題は、DOCTORS IN ISOLATED ROOM.

表紙には

面白ければ良いんだ。面白ければ、無駄遣いではない。
子供の砂遊びと同じだよ。
面白くなかったら、誰が研究なんてするもんか。

の文字が。

個人的には、最後のほうの

でも、学問というものは本来虚しいものですよ。
学問の虚しさを知ることが、学問の第一歩です。テストで満点をとったとき、初めてわかる虚しさです……。それが学問の始まりなんですよ

が好きです。なんとなく。

「主体的」と「能動的」の違いは、「漢字が違う」くらいのスタンスで生きていきたい。

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