どこでもドア
台風の過ぎ去った沖縄は、まるで君を待っていたかのように爽やかに晴れていた。
「ねえねえ、晴れてるよ!」
嬉しそうに君が笑う。
そして自慢げに、
「すごくない?昨日まで飛行機飛ぶかもわかんなかったのに」
と、ドヤ顔を見せる。
「本当に来てくれたんだね」
「どこまでだって行けるよ」
「ホント?ベトナムとかでも?笑」
「うん」
そんな、当たり前みたいな顔して。
「簡単に会える距離じゃないでしょ」
「関係ないよ」
会える距離も、時間も、お金も、
「会いたいから」
その気持ちだけで、どこまでも行ける。
沖縄の海を見てはしゃぐ君を見ながら、
一人思う。
今度は、俺が会いに行くから。
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