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勝負の6月、いざ。 ―正念場 挑戦者として乗り越えろ― ガイナーレ鳥取🆚松本山雅FC マッチプレビュー

現在3位につける山雅。ただ、同じ上位グループにいる鹿児島、いわき、福島もなかなか勝ち点を落とさない。ひとつ落とせばすぐ離され、下に吸収されるというまったく気が抜けない状況。取りこぼしは許されない。エース横山、チームの支柱パウリーニョなどを欠く中、正念場とは続く。相手は現在最下位の鳥取。とはいっても内容としてそれほど悪いわけではなく、このように攻撃回数もリーグ4位。

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あとは決定率と守備の踏ん張りというところで非常に若いチームということもあり、軌道に乗ればというチーム。全く侮れないし、攻撃陣にはタレントが揃っている。相手はホームで上位との対戦ということで気合を入れてくるだろう。しかし、こういう相手に勝ち点3を献上するようでは昇格は不可能。しっかりと気を引き締め直して勝ち点3を松本の地に持ち帰ろう。

◇予想スタメン

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鳥取の方は前節、敗れはしたもののいわき相手に悪くない戦いぶりを見せた。前線に4人超攻撃的な選手を並べてきて途中からテクニックやスピードのある選手が出てくるだろう。山雅の長身フォワード陣に対して、センターバックの高さに欠けるということで前節スタメンの170cm台の石井と長井ではなく、鈴木順也や小林を使ってくる可能性がある。

一方山雅は天皇杯を挟んだ3連戦の3試合目。住田、小松を途中から比較的長めに使ったことを考えると、その2人はベンチスタートで天皇杯で60分までの出場となったルカオ、そして怪我からの復帰した安東がスタメンに名を連ねる可能性がある。さらに佐藤も怪我から復帰しており、メンバー入りしてくるだろう。怪我人も続々と復帰し、天皇杯で結果を残した選手もいる。チーム内競争というものは相当激しくなっていることだろう。

◇試合展望

まずは鳥取について。

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これらを見ると鳥取は中央や左サイドからの攻撃が多い。パス数が多いということで中央や左サイドでパスを回しながら攻め上がっているという印象だ。PA内進入回数や30mライン進入回数が少ない割にシュートが多いということで形が完成していなくてもシュートをどんどん打っていくということでシュート意識の高さが見受けられる。特に9番の田口は空いたらすぐ打ってくるので一瞬の気の緩みも許されない。しかし、攻撃はポジションがやや被っていたりして選択肢が多くないという点がこのスタッツに結びついているという見方もできる。

鳥取はポゼッションスタイルというわけではないが自陣からポンポン蹴るというよりは最終ラインで回してサイドバックから裏に出したり、斜めのパスを入れたりして攻撃のスイッチを入れる。ビルドアップで例えばシステムを変えるなど、これといった決まりはなさそうな印象だ。

厄介になるのが裏抜け。前4枚が流動的に動き、センターフォワードがサイドに流れてインサイドハーフの選手が中に入ってきたり、内側から追い越すように抜けてくる。山雅としてはまずボールサイドにきちんと寄せ、しっかりとマークを受け渡し、ディフェンス間で合わせられるようなシーンがないようにボランチが戻ってきたりしてニアから潰していって、課題となっているブラインドサイドのケア。ここは逆サイドの選手がしっかり絞ってくる。ここを徹底しなければクリーンシートは難しい。天皇杯での苦い経験を糧にしっかりと改善したい。

セットプレーのチャンスも多い。世瀬や知久などがキッカーを務めることが多いが多彩なボールの質を持っていて、速いカーブやストレート系などで相手を揺さぶってきて、マイナス方向へのサインプレーもある。流れが関係ないセットプレーはしっかりと集中力を高めて防ぎたい。

注意すべきなのは、まず石川。サイドハーフかトップか。どちらで使われるかはわからないがライン間に入ってサイドに展開したり、ダイアゴナルの動きで危険なエリアにどんどん飛び出していく動き。なかなか捕まえづらく厄介だ。

そして田口。起点にもなれれば裏抜けは絶品。シュートまでの形も持っており、活発といえかやんちゃというか元気があり、対応としてはめんどくさい相手となる。

最後に中盤の新井。この選手はチームの中心だ。裏に出すボール。相手のディフェンスラインの間に縦パスを差し込んだりこの選手に対しては相当厳しくいかないとどちらに主導権が傾くかに大きく関わる重要なポイントになってくる。


次は主に山雅について。

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軸はやはりロングカウンターとなる。相手が4バックのときは3バックで挑むことが多く、鳥取が3バックでくる可能性もあるが、山雅は3バックで臨むだろう。このときにウイングバックを生かした攻撃をしたい。データが示すようにレーン別攻撃割合としてはサイドが多い。ウイングバックがより高い位置をとって人数をかけて迫力を出していきたい。鳥取のセンターバックの身長を考えるとある程度高さで殴りに行くのはありだ。ハイプレスがハマったときの鳥取は厄介なので、普段よりロングボールを多めに使って榎本やルカオ、小松といった選手に当てて安東や前、菊井が回収し、サイドに展開して攻撃を仕掛けていくのが効率的かもしれない。鳥取はスライドの遅さが目立ち、岐阜戦は4-4-2のブロックを敷いて最終ラインで逆サイドに順々にボールを回されそこにスライドが追いつかず呆気なくサイドの高い位置をとられたりするシーンがあった。また、そこからの綻びとしてサイドバックとセンターバックの間はかなり空く。ここにフォワードが抜けて中にボランチなどが入ってきたり、ボランチが飛び出してきたりするとおもしろい。

サイドバック裏もかなり狙える。今の山雅に大事なのはまずは裏に抜けること。名波監督もここの回数の部分は相当意識しているようで、バイタルが空きがちの鳥取をこの裏抜けの動きから突いていきたい。

そしてビルドアップのところ。ここは課題。前が落ちてくるのはいいのだが、両ストッパーがサイドに開きすぎとウイングバックが高い位置をとりすぎでまずそこの距離感が遠く、トライアングルができにくくなる。4バックの相手に対してボランチが1枚落ちてくるとしたら例えば前の場合だったら彼のプレーエリアの広さ。広いエリアを持ち運べる良さを生かして右ストッパーの宮部が高い位置をとるとか、外に張りすぎず中で受けて菊井に預けて大外の下川に受け渡すなどバリエーションがほしい。センターバックとウイングバックで外に張りすぎて縦のラインが被って裏抜けを自ら消してしまったりするような現象を減らしていきたい。そして、迷いすぎないこと。余裕を持って回せるとき、ストッパーの選手がそのままウイングバックに受け渡すのがセオリーではあるが、一番良い選択肢を求めすぎて切り替えして中で回すことを選択してアクシデントが起きたり、パスカットされたりしてひっくり返される場面があるので判断のところと今回の場合は高さを生かしてロングボールというところも柔軟に考えたい。

そしてなんと言ってもセットプレー。圧倒的にセットプレーからの得点が多い山雅。高さでも分がある。単純な高さだけでなく、デザイン性も駆使して得点に繋げたい。

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時間帯でみると前半の終盤。ここの時間帯は山雅の得点が多く、鳥取の失点が多い。ここは勝負どころになるか。先制されるとかなり厳しくなるので前半の特に15分〜30分は失点が多いので注意したい。

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◇小ネタ

AxisバードスタジアムにR-1ぐらんぷり優勝のお見送り芸人しんいちさんが来場されるということで山雅をJ2にお見送りするという盛大なフラグを作って欲しい笑。

◇最後に

ここから藤枝、愛媛、いわきとライバルチームとの対戦が続き、なおかつ離脱者もいる中、この一戦が果たす意味は大きい。勝負の6月の頭を勝利で飾るため、簡単なミスをしないよう気を引き締め直して挑戦者としての気持ちを忘れず挑め。昇格争いに食らいついていこう。Onesoul!!










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