「洞察力」を読んで

著書名

「洞察力」宮本慎也著

はじめに

著者は元東京ヤクルトスワローズで、アテネ五輪や北京五輪野球日本代表キャプテンだった宮本慎也さんです。宮本さんはPL学園から同志社大学、プリンスホテルという名門チームを経てヤクルトスワローズに入団されています。実は、宮本さんが同志社大学に在籍されている時に、その大学の技術顧問の方が私の高校の監督と知り合いだった関係から練習に参加させてもらったことがありました。なのでアマチュアの頃から宮本さんのことは知っており、その頃から個人的にファンでありました。

脇役の一流

プロに入団されて初めてのキャンプで当時の監督であった野村克也監督がミーティングで言われた「主役になれない選手は『脇役の一流』を目指せばいい」という言葉を聞き、これは自分に当てはまると考えて「脇役の一流」になるべく、相手を知り、自分を知り、少しでも情報を得ようと洞察することに努めてきたからと本著で述べられています。その洞察について書かれた著書となります。
個人的には、大学時代に見たすごい選手という印象が強いのですが、そんな人でもプロに入ると「主役になれない選手」となるというのは正直未だに理解できないところではあります。通算2000本以上も安打を打たれていますし。
しかし本人に言わすと、それは「脇役の一流」を目指した結果だということのようです。

ビジネス社会でも通用する「洞察」

本著は経済誌である「週刊ダイヤモンド」で連載されていた内容のようです。大幅に加筆しているようですが(笑)
といったわけで普段の自分の仕事にも通じる気になった箇所を挙げていきたいと思います。

自己評価は高くても低くても良くない

本著の中では、自己分析の大切さについて「はじめに」の部分で述べられていました。誰でも自分がかわいいので実際よりも高く自己評価をしてしまいます(特に給与に直結するビジネスマンの評価査定においては)。一方で謙虚すぎれば実際の能力よりも低いところから始めることになり力を発揮することができないということです。私の場合、高くないところで自己評価が高く、高いところで謙虚すぎるところがありそうです。

変化し続ける

変化を受け入れ、変化を続けられた者だけが生き残れるとありましたが、私はここ数年、自分の役割の変化を受け入れられていなかったように思います。

必ずしも有言実行が良いとは限らない

はい、全くもってその通りだと思います。テレビの情報では、例えば成功した人の卒業文集を引き合いに出して、成功する人は目標を掲げている、みたいなことを取りあげたりしていますが、あれって大抵の人は書いていますよね。書いているからいいのではなくその先にどのように目標に向かっていくのか、目標に対して努力し続けられるのかの方が重要なんですが。。。
話が逸れてしまいましたが、有言したことに対して縛られすぎると思考が柔軟でなくなってしまうという内容でした。

逃げない

宮本さんは一度だけ感情的になってスワローズから移籍しようと考えたことがあったようです。しかし、その移籍しようとした理由が自分自身の価値観を否定するような理由になっていたため思いとどまったようです。
これについても自分自身で最近、似たような状況になったことがあってハッとさせられた内容でした。

コーチングで即効性を求めてはいけない

これは非常によくわかる内容です。自分自身は、今、会社ではどちらかというとコーチングする側になっているのですが、結果はすぐに出ない、すぐに出るようなことは求めすぎてはいけないと意識しながら進めています。これを読んで、やはり即効性を求めすぎてはいけないんだ、と改めて思った次第です。

最後に

野球選手として書かれた内容でしたが、十分にビジネス社会にも当てはまる内容であり、かつ今の自分の状況に非常にマッチした内容だったので読んでよかったです。同じ宮本さんの著書である「歩 〜私の生き方・考え方〜」についてはどちらかというと宮本さん個人のことが書かれている印象で、あまりビジネス社会には適用しづらい感じでした。宮本さんファンである私にとっては面白い内容ではあるのですが、普段の仕事で役立つ内容ではない印象でありました。




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